(なお上記のうち、インリーは多結晶シリコン、それ以外は多結晶と単結晶シリコンの太陽電池を製造)。
このような中国企業の動きにはいくつかの特徴があります。
a:各社とも一般住宅用の太陽電池についてきめこまかく対応するというよりは、電力会社や商業施設向けの数百- 数十万kWの大規模発電狙いが目立つ。
b:元来コスト競争力があるうえ、さらに「赤字覚悟の低価格で落札している」(米国環境コンサルタント)との声も聞こえます。実際各社の決算数字を見ても、売上は伸びていても利益の出ていない企業がほとんど。営業利益率も一ケタ前半やマイナスが目立ちます。
c:米国政府や自治体との関係づくり、地元への雇用貢献、米国人の幹部登用などを進めています。
d:また米国にくらべ競合・競争の緩やかなカナダ市場での大型案件獲得に積極的。
e:カナディアン・ソーラー、トリナ・ソーラー、サンテックなど、一見して中国企業と分かる社名はつけず、ウェブサイトもよく読まないと中国企業だとは分からない場合が多い。グローバル企業として認知されたいとの意識がうかがえます。
日本の大手太陽電池メーカーの方は次のように話しています。「中国ブランドの太陽電池だけでなく、中国で製造する米欧ブランドも同様に毎月価格を引き下げてきた。当社も苦しいが、負けずにコスト削減に取り組んでいる。一方、太陽電池は20年以上高い発電効率を保たなければいけない。効率、耐久性、無害材料の使用、リサイクル性、デザインなども重要だ。コストは重要だが、太陽電池はそれだけではないという点をアピールしていきたい」。太陽電池はまさに国際大競争に突入しています。
|