はじめまして、ジェトロ·サンフランシスコの山田将義と申します。略歴に記載のとおり、大阪府から出向する形でジェトロ職員として勤務させて頂いています。主な担当分野は、食を中心とした輸出促進と、日本企業の米国進出支援です。
カリフォルニアと大阪の関係について
まずは大阪府職員として、大阪とカリフォルニアとの関係についてご説明申し上げます。ご存知の方は少ないと思いますが、カリフォルニア州と大阪府とは、1994年より20年来のSister Stateです。同年には関西国際空港が開港、国際化に踏み出す象徴的な年となりました。ちなみに、大阪府は関空の面積で香川を抜き日本最小面積の都道府県から脱出、さらに、関空は開港以来ロストバゲージゼロを続けています。関空は色々な意味で大阪の位置づけを変えた存在といえます。
さて、カリフォルニア州と大阪府に話を戻しますと、基礎自治体レベルでの交流の歴史も古くからあり、サンフランシスコ市と大阪市は1957年からのSister Cityで、日本でも5本の指に入る歴史を持っています。そのほか、グレンデールと東大阪市、サンマテオと豊中市、カルバーシティと貝塚市、バークレーと堺市、ロミタと高石市、サウスサンフランシスコと岸和田市と、大阪府との間に、合計7つもの姉妹都市があります。大阪府も含め、交換留学生や議員団、様々な草の根での交流活動が日米双方の貴重なご努力により続けられてきました。
そうした大阪とカリフォルニアとの友好関係を、さらに深化・発展させるため、2013年に松井大阪府知事がブラウンカリフォルニア州知事を訪問し、クリーンエネルギーやバイオなど経済分野における協力・提携や、教育機関の交流促進支援など幅広い分野での協力を盛り込んだ覚書を締結しました。
これを受けた取り組みの一環として、大阪府・ジェトロの共同事業として、水不足に悩むカリフォルニアで開催される環境関連の国際会議において、在阪水関連企業さんに技術や製品をパネルで発表し、カリフォルニアの自治体関係者等とネットワーキングして頂く機会を設けました。また、カリフォルニアのエネルギー関連会社が大阪府中央卸売市場の電力供給施設の効率化を請け負う例が生まれるなど、ビジネス面での結びつきが生まれつつあります。さらに現在大阪府では、新エネルギーを柱の一つとした国際戦略総合特区が設置され、世界最大級の蓄電池の試験評価施設の設置が決まるなど、関西の持つ強みを生かしつつ、世界からイノベーティブな技術を呼び込み国際競争力を強化するための取り組みが進んでいます。
食の海外展開をお手伝い
先月6月19日号でもご紹介させて頂きましたように、サンフランシスコ・ベイエリアは、全米の中でも、食の新たなトレンドを生み出す発信源となっているのは皆さんご承知のとおりです。
日本政府は、「日本再興戦略」において2020年の農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を掲げ、2012年に4497億円だった輸出額は、2013・14年とも前年比10%増を超える伸びを示し、6117億円へと増加しています。ジェトロでは海外における昨今の日本食ブームというトレンドを受け、これまでの加工食品のみならず、野菜、果物、食肉といった一次産品の海外展開も後押ししています。特に地方創生の観点から「一県一産品輸出支援活動」として、各県産品を軸に、世界各地で開催される食品見本市参加や商談会の実施などに取り組んでいます。
こうした支援活動の中で、特に日本の生産者、食品関係者の方々から好評を得ているのが、「海外バイヤー招聘商談会」事業です。これは、海外の食品のバイヤー、食品輸入業者の方々を日本に招へいし、各地で商談会を開催するという事業で、関係者の皆様からは、「海外に行かなくても、直接海外関係者と商談することができ、海外のトレンドなども商談を通して知ることができる」と評価いただいています。ベイエリアからも毎年バイヤーの方々に参加いただいているこの事業、これからも続けていきたいと考えています。
また、海外に出店をしたいという外食産業の方々のためのサポートメニューの一つが、「サービス産業個別企業支援プログラム」です。これは、海外進出を検討されているサービス産業企業の方々に、ジェトロの国内外ネットワークをフル活用して、進出対象国・地域・都市に関する情報提供から、パートナー候補の紹介、会社設立に関する専門家(会計事務所、法律事務所、労務コンサルタント等)の紹介、海外進出に関するサポート企業(各種サプライヤー、不動産会社、物流会社、マーケティング・プロモーション会社等)の紹介、対象都市の有力商圏視察のアレンジなど、二人三脚で進出計画実現のお手伝いをさせていただくというサービスです。
ジェトロではこの他にも、様々なサポートメニューを用意しております。ご関心がおありの方はいつでもジェトロ・サンフランシスコまでご相談ください。 |