インターネットやスマートフォンなどIT関連技術の普及およびその進歩により人と人のつながり方も多様化しているようです。インターネット上のオンライン・マッチングサイトや、スマートフォンのマッチング・アプリ(Coffee meets Bagel, OkCupid, Bumble, Match.com, Tinder等々)をダウンロードすることで新しい人との出会いが始まる手軽さと便利さがあります。
日本におけるマッチング・アプリやそれに類するマッチング・サイトを利用することは、消極的なイメージを連想させたりするため、懐疑的な意見が多いようにも思えます。
米国におけるオンライン・デーティング利用に関するイメージ
一方で米国の現状は少し異なっており、ここ10年間でオンライン・マッチングサイトやそれに類するアプリに関する意識が変わってきているようです。Pew Research Centerの調査結果では、現在、米国の成人の約15%がマッチング・アプリなどを利用して効率的に交際相手を探すようです。とりわけ、携帯電話アプリの場合には、若い年齢層(18―24歳)の間では、3年前は5%しか利用してなかったものが、現在は約4倍の22%が利用しているとの数字が出ています。また、シニア層(55―64歳)でも3年前と比較して利用者が約2倍近く伸びているとの調査結果もあります。幅広い年齢層での人気の高さがうかがえます。
このグラフから見てわかるように、10年前と比較した際に、オンライン・デーティングに対する意識として、60%近い人が好意的であるとの結果がでています(出所:Pew Research Center調べ)。
この結果は文化的な背景やスマートフォンの普及とアプリの進化も要素の一つと考えられますが、それに加えてマッチング・アプリなどを利用して交際相手を探すことへの抵抗感が減ってきているのもあるようです。また同時に、希望相手と出会うきっかけの一つとしてオンライン・アプリ等を利用することが認知されてきているとも言えると思えます。
それ以外の理由として、マッチング・アプリの運営母体やその信頼度やブランド力などとも関連があるように思われます。例えば、米国のマッチング・アプリなどはフェイスブックと連携させて利用することにより、登録者の信頼を得ている部分や登録情報入力の簡素化するところなども影響しているように思えます。
マッチング・アプリのテクノロジーと自己アピールの重要性
マッチング・アプリに関して現在のテクノロジーを駆使している部分も多く、幅広く多数の登録者情報のビッグデータの分析やそれに基づくアルゴリズムにより、希望の交際相手を提案できるような工夫やヒット率を上げるシステムを作り上げているようです。多くの情報が必要になるため、登録者情報として求められる項目に、身長、学歴、人種、宗教、職業、趣味、希望相手に求めることなど多岐に渡っており、さまざまな角度からも希望の相手を探すことができます。
その多様なニーズに応えるためにも、自分自身のプロフィールの書き方、写真の見せ方などが重要です。この部分ではオフラインでのマッチングと同じように釣書の書き方やその文字の綺麗さ、写真による自分自身の見せ方など、相手へのアピールするためのマーケティング手法は同じです。 ただ、忙しい現代人には、その工程がスマートフォンだけでできてしまう気軽さや便利さなどが人気の一つなのかもしれないです。
現代の世話焼き人は健在
マッチング・アプリは便利であり人気がありますが、15%がオンラインシステムによるマッチングを利用しているだけで、残りの85%はオフ・サイトからカップルが生まれています。米国においても現役の世話焼きな方々や、友人の紹介やなどによる出会いがいまだに多くを占めており、それがご縁を運んでいるのかもしれないです。
出所:Pew Research Center `5Facts about online dating’
(http://www.pewresearch.org/fact-tank/2016/02/29/5-facts-about-online-dating/)(http://www.pewresearch.org/fact-tank/2016/02/29/5-facts-about-online-dating/)
|