ジェトロは「Talk to JETRO First」を合言葉に、世界中で日本企業への海外進出・展開支援を行っています。支援メニューは日本国内での情報提供・コンサルティングから進出・展開先でのパートナーへの取り次ぎまで多岐にわたっています。本稿では、ジェトロ・サンフランシスコ事務所が取り組む「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」についてご紹介します。 「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」とは
ジェトロは世界中の事務所のうち15カ国・21地域で、日本中小企業のビジネス展開を支援する「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を設置しています。各プラットフォームには、現地での知見や地元政府当局、地場企業等とのネットワークに強みを持つコーディネーターが配置され、皆様からのご相談に対応しています。また、現地の協力機関や公的機関のネットワークを有効活用して、ビジネスの成功に向けた支援をします。
「プラットフォーム」はベトナム、タイをはじめとしたアジア諸国やメキシコなどに設置されており、北米地域においては8つの事務所のうちサンフランシスコ事務所だけにあるサービスです。
ベイエリアにおける「プラットフォーム」
現在5名のプラットフォーム・コーディネーターがおり、日本中小企業のベイエリアへの進出・展開支援を行っています。ご相談にいらっしゃる企業の業種も相談内容も様々で、ベイエリアの市場概要、自社製品の市場性の調査から、ビジネスパートナー候補とのミーティングのセットアップ・同席、現地の拠点設立についてのアドバイスなど、企業のニーズに応じて柔軟に支援サービスを提供しています。
また、ジェトロ自体が行う支援に加え、現地の協力機関や公的機関とのネットワークを活用して、相談にいらっしゃった企業がベイエリアでビジネス展開をするために必要とするサービスを受けるお手伝いもしています。(図参照)
「ジェトロのサービスを利用できるのは進出するまででしょうか?」と言われることもあるのですが、既にベイエリアに進出している企業でもご利用になれるサービスは多く、実際ご相談にもいらっしゃいます。
どのような企業がうまくいくか
これは進出を検討している段階の企業の方に関心の高い問いですが、この問いに答えることは非常に難しいです。ベイエリアへの進出・事業展開において活かせる直面や、課題はそれこそ企業によって様々で、「こうすればうまくいく」という成功パターンがあるわけではないからです。
この問いに答えるには「自社は(もしくは担当である自分は)ベイエリアで何を成し遂げたいと考えているか?」と自問することが大切だと私は考えています。この自問により2つの重要なポイントを確認することができるからです。ひとつは、「意志の強さ」。ベイエリアは世界的にみても事業コストが高く、財務基盤の強くない中小企業にとっては特にこの地域への進出は高いリスクを伴います。何が何でも成し遂げる意志の強さがないと事業の継続は困難です。もうひとつは、「進出の明確な目的」。昨今のシリコンバレーブームにより、ベイエリア経済は日本で高い注目を集めています。それ自体はいいことなのですが、「ここに来れば何かある」という期待感から明確な目的がないまま進出を検討するケースも見受けられます。ゴールがわからないと解決すべき課題も見えないですし、何よりも成功への強い意志を持つことも難しいです。これらは当たり前のことのように思えますが、実際に自社に当てはめて考えると簡単に答えを得られるものではありません。答えを得るには市場や機会を理解することも必要であり、ジェトロの「プラットフォーム」ではそのお手伝いをすることもできます。
お気軽に問い合わせを
本稿では中小企業向けのサービスの一部をご案内しましたが、ジェトロには日本・日系企業に対する様々な支援メニューがあります。ジェトロのサービスは原則無料ですし、当地でビジネスを行う皆様の悩みや課題をうかがうことが私たちにとっての財産にもなりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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