今年5月、ジェトロ・サンフランシスコの中に、ジェトロ・国立情報学研究所(NII)シリコンバレー共同オフィスを設立しました。今号では、国立情報学研究所の概要と研究の一例、そして、NIIシリコンバレーオフィスの活動をご紹介したいと思います。
沿革 国立情報学研究所(こくりつじょうほうがくけんきゅうじょ、英: National Institute of Informatics、NII)は、東京都千代田区一ツ橋の学術総合センタービルにある大学共同利用機関です。前身は、1976年に東京大学内に、情報図書館学研究センターを発足し、2000年に国立情報学研究所として設置されました。2017年4月時点で、職員、客員教授、特任教授等174名、他に大学院生も在籍しています。
概要
情報学という新しい学問分野での「未来価値創成」を目指すわが国唯一の学術総合研究所として、ネットワーク、ソフトウェア、コンテンツなどの新しい理論・方法論から応用展開までの研究開発を総合的に推進している研究所です。また、大学共同利用機関として、学術コミュニティ全体の研究・教育活動に不可欠な最先端学術情報基盤の構築を進めるとともに、民間企業とも、さまざまな社会活動との連携・協力を重視した運営を行っています。また総合研究大学院大学に参加して、複合科学研究科情報学専攻として博士課程の学生の教育指導も行っています。
国立情報学研究所の
組織と研究活動
NIIは、図の「情報学プリンシプル研究系」「アーキテクチャ科学研究系」「コンテンツ科学研究系」「情報社会相関研究系」の4つの基盤的研究系と、その他13の研究施設(センター)から成ります。情報学の基礎論から人工知能、ビッグデータ、IoT、情報セキュリティなどの最先端テーマまで、総合的に研究開発を推進しています。さらに、産官学連携や国際的な研究活動の推進も指向して、情報学研究に取り組んでいます。基礎研究から応用研究まで様々な研究がありますが、幾つかの研究の例を紹介します。
@アーキテクチャ科学研究系:情報通信ネットワーク、量子コンピューターなど
A情報学プリンシプル研究系:人工知能、機械学習/データ解析
Bコンテンツ科学研究系:テキスト・言語・パターンメディア解析、自動運転など
C情報社会相関研究系:学術情報、情報セキュリティなどです。
NIIシリコンバレー
オフィスの活動
上記の日本の研究を、日本での研究や日本でのサービスのみならず、海外で国際的なニーズ等のもと、大学や研究所との共同研究、そして応用研究を通じ、事業化へのプロセスなど様々なアウトプットへ結びつける活動などを目指し、設立されたのがこのシリコンバレーオフィスです。今後、ジェトロサンフランシスコ事務所との連携し、初期ステージから事業化ステージへ向けて、情報収集および調査・応用研究を進めてまいります。
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