BaySpo 1552号(2018/08/24)掲載
目指せ日本発グローバル・ユニコーン企業! 
〜スタートアップサポートプログラム J-start upが始動〜  

ェトロ・サンフランシスコ・センター 樽谷 範哉
樽谷 範哉 (たるたに のりや)
2001年JETRO入社後、シリコンバレー等でのインキュベーション事業立ち上げを担当。名古屋、トロント事務所、東京本部にてハイテク、製造業、スタートアップの世界展開プログラムに従事。2017年7月よりベイエリアにてイノベーティブな日系企業の世界展開をサポートしている。東京工業大学大学院修了。

 洗濯物を自動的に畳んでくれる家電。自身のゲノムデータを取得することにより、In-N-Outのアニマルスタイルハンバーガー(※1)を食べても簡単にダイエットができるサービス。サッカー場サイズから卓上サイズに縮小する画期的な半導体実装工程。

 これらは全てベイエリアに拠点を有する日系スタートアップ企業が開発する製品・サービスだ。話を聞くだけでワクワクする製品・サービスが多いのではないだろうか。よくスモールビジネス(中小企業)とスタートアップの違いを聞かれるが、私はいつも「スタートアップとは、創業初日(Day 1)から世界中のユーザーが使うことを夢見て、スケールとスピードを持ってビジネスを展開している人達」と答えている。
 日本にはこのようなグローバルに活躍するスタートアップ企業が少ないと言われてきた。しかしながら、ここ数年、日本のスタートアップ事情が変化していると感じる。他国に比べるとその規模は大きくないものの、ここ数年、CEOなど経営陣が渡米し米国法人を設立するケース、M&AやIPOを経てベイエリアで起業する日本人など、世界市場を意識してビジネスを始める(Born Global)企業が増えているのだ。

 このような日系スタートアップを皆で応援しようと日本で始まったプログラムがJ-start upだ。日本には1万社程度のスタートアップが存在するが、その中でも世界に挑戦する約100社を選定し、民間や政府のサポートにより集中して成長促進するプロジェクト。「日本のスタートアップに次の成長、世界に次の革新」をキャッチフレーズに、2023年までに20社のユニコーン(※2)を創出することを目指している。既にユニコーンを経験した企業2社(メルカリ、Preferred Network, Inc)を含み、ベイエリアには10社以上のJ-Start up企業が存在する(表)。

 ユニコーンまでのスピードあるスケールアップを目指すグローバル企業の少しでもお役に立ちたいと、ジェトロも世界各地のエコシステムにつなぐサービス(グローバル・アクセラレーション・ハブ・プロジェクト)を新しく開始した。スタートアップ企業は、ジェトロが提携する現地のアクセラレーターからメンタリング(コンサルティング)を受けられるほか、投資家やポテンシャル顧客の紹介も受けられる。拠点設立を目指すスタートアップ企業は、コワーキングスペースを無料で利用することができ、進出のためのコストと時間を削減することが可能だ。シリコンバレーでは外国企業を専門にサポートするUSーMAC、ボストンではCIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)、深センではLeaguer X 、ロンドンではTechstarsなど、現地の鍵となるアクセラレーターと提携している。その他、ベルリン、ヘルシンキ、バンガロール、上海など、10カ所以上の都市でプログラムを実施しているので、是非利用して欲しい。

※1 カリフォルニア州の人気ハンバーガー店のメニュー
※2 企業価値が10億ドル以上で非上場のスタートアップ企業
※3 J-start up プロジェクト概要ページ
https://www.j-startup.go.jp


有澤保険事務所

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