自動車配車アプリについて
ベイエリア在住の方ならば利用経験があると思われる自動車配車アプリサービス。代表的な会社としては、Uber(ウーバー)Lyft(リフト)がある。現在、Uberの配車サービスは世界78カ国、600都市以上の地域で展開しているという。Uberのアプリは日本語表記も設定でき、馴染みのない国、土地、地域においても住所さえ入力すれば目的地まで案内してくれる優れものである。ドライバーと乗客の間での金銭のやり取りもなく、配車を依頼した時点で、乗車料金ならびに到着時間まで表示される。
米国の自動車配車アプリのみならず、その他諸外国には、韓国(カカオモビリティなど)、中国(滴滴出行など)などのその国独自のアプリも展開している。世界的に配車サービスが便利に使える中で、日本市場は独自の路線で進んでいるのであろうか。もしくは、従来通り電話配車依頼をするサービスが続いているのであろうか。
日本でのタクシー乗車経験
日本における配車アプリサービスも存在するようだが、個人的に以下のような不便な思いをした。先日、日本に一時帰国していた折にタクシーを利用したが、クレジットカードでの決済ができず、ドライバーが目的地を知らないケースがあり、面倒な経験をすることになった。
日本での訪日外国人向けタクシーサービス向上について
前述したような問題を解消するために、日本市場も前向きに動き出しているようである。「訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプラン」によると、具体的な配車アプリサービスや言語対応、カード決済などに関する課題について検討されているようだ。
具体的には、訪日外国人に対応するために、以下4つのことを目指している。
@母国と同じタクシー・ハイヤー利用環境づくり
A言葉の不安解消
B決済の不安解消
C関係機関・団体と連携したプロモーション活動
また、「全国タクシー」「らくらくタクシー」「LINEタクシー」など、日本独自の自動車配車アプリも存在するようだ。
日本においては、Uberは一部の区間等だけで展開しているようである。一方でフードデリバリーのUber Eatsに関しては既に展開が広がっており、日本でも人気のあるサービスとなっている。
日本国内におけるUberの実証実験開始(2018年7月)
兵庫県淡路島において、日本初のUber配車アプリ導入実証実験が開始された。淡路島島内タクシー事業者がUberのアプリを使用し、自家用車ではなく地元のタクシーを配車するものだが、来島者に対する淡路島内の交通環境の充実を図ることからも視野に入れている。
今後への期待
過去にUberが福岡市でも実験的に導入されたようだが、営業許可が下りなかったケースがあった。
自動車配車アプリは、訪日外国人にとって、見知らぬ土地であっても住所だけ入力すれば目的地に到着することができる便利なサービスである。通常のタクシーであれば、走行距離ならびに時間によって価格が変動する。一方で、Uberの場合には明朗会計であり、価格ならびに到着時間も事前に伝える優れものである。
現金でのやり取りはなく、カード決済だけであり、ドライバーならびに乗車客双方に評価をすることができ、ドライバーも乗客も拒否する権利を有する。通常のタクシーであれば、印象が悪いドライバーであってもタクシー会社に後日電話してクレームを入れることしかできないが、本アプリを利用することで、乗車後にフィードバックを5段階で選べ、且つ良い点、悪い点なども伝えることができる。
個人的な意見であるが、世界で最も物価の高いベイエリアにおいて、Uberなどの配車サービスの価格はリーズナブルな印象がある。その成功の秘訣は価格のみならず、ユーザー目線での便利さを追求し、隙間の雇用機会を創出し、双方向(利用者、サービス提供者間)でのニーズが合致した結果であるように思える。既存のサービスやビジネスモデルの破壊や、便利さへの追求が新しいものを生み出す原動力であることは間違いなく、今のままではいけないということを思い出させる、シリコンバレー発のビジネスの一つである。
参考・参照サイト
Uber Newsroom:
https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/japanese-using-uber-app-in-the-world/
全国ハイヤー・タクシー連動会:
http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/ActionPlan.pdf
Uber newsroom:
https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/awaji-taxi-launch/
|