今年7月よりサンフランシスコに赴任しております。サンフランシスコの前は沖縄に1年7カ月ほど駐在していました。沖縄での主要業務のひとつが食品の海外展開支援でしたので、引き続き日本の食品の輸出促進に携われることを嬉しく思います。今回は、ジェトロサンフランシスコの食品の輸出促進に関わる活動を3点ご紹介いたします。
貿易投資相談
種類について
日本やベイエリアの日系企業を中心に、海外展開（輸出、進出）に関するご相談に日々対応しています。今年の4月から9月末までに、ジェトロサンフランシスコで268件のご相談を頂戴しました。食品についても相談をいただきます。対応するのは私たち職員以外に、中小企業であれば「コーディネーター」と呼ばれる、ジェトロが契約している専門家より情報提供を受けることができます。ご提供できるサービスは大きく３つです。一つ目は、海外展開を考えている市場に関する情報（現地市場の規模・トレンド、競合商品の情報、商品の売り込み先など）をレポートの形で提供しています。二つ目は、ジェトロの事務所にてブリーフィングの形で情報提供をいたします。三つ目は、レストランや小売り、ディストリビューターなど、売り込み先となる企業をリストアップして提供いたします。
商談会開催
現地での見本市・展示会・商談会を通じて、日本企業へ商談機会を提供しています。最近では、9月にサンフランシスコで焼酎の試飲会・商談会をジェトロロサンゼルスと連携して実施いたしました。イベントは2日間開催し、1日目はBtoB向けの試飲会・商談会、2日目はBtoC向け試飲会でした。日本より焼酎メーカー9社、ベイエリア所在の日系企業1社に参加いただきました（※2日目のBtoC向けイベントは日本からの焼酎メーカー8社参加）。同イベントは現地の酒類を扱うインポーターや商社、卸、レストラン、バー関係者、メディアなどに参加いただきました。イベントの参加者から、「焼酎の原料のバラエティー（芋、麦、米、黒糖等）に驚いた」、「米国でまだ売られていないお酒に関心がある」などのコメントがありました。
また、ジェトロでは日本で開催される見本市・展示会・商談会に現地のバイヤーを招聘する事業を行っています。最近のサンフランシスコの食品関係では、10月に日本で開催された「輸出Expo」に日本食に関心のあるバイヤーを招聘しました。
情報発信
日本の食品の海外展開に向けて、情報発信も重要な業務です。最近では10月1日、ジェトロサンフランシスコと在サンフランシスコ日本総領事館の共催で、日本酒・焼酎・泡盛の知識普及を目的としたワークショップ「Sake, Shochu & Awamori：An Educational Workshop and Tasting」を、日系・米系のディストリビューター、レストラン事業者、酒造事業者などの協力を得て、在サンフランシスコ総領事公邸にて開催し、51名の方に参加いただきました。同イベントではセミナーやパネルディスカッション、試飲会を実施しました。日本のお酒を取り扱うお店は一昔前に比べると増えていますが、現状、お酒の知識を持った人は多くありません。販売拡大のためにはベイエリアの関係者の皆様のお力を借りながら、お酒のことをもっと知っていただく取り組みが必要だと認識いたしました。
最後に先述のイベントに関連して、泡盛について少しご紹介します。泡盛は米と黒麹を原料とした沖縄で作られている蒸留酒です。沖縄駐在時には、泡盛の海外展開に力を入れていました（飲み会はオリオンビールで始まり、泡盛、締めステーキが定番でした）。泡盛は、沖縄が琉球王朝と呼ばれていた時代から生産されている長い歴史があります。現在、沖縄本島、石垣島、宮古島、久米島など46の酒造所があります。しかし、泡盛の出荷量は低迷しています。2017年の出荷量は1万7709キロで、13年連続減少しています。現在、国・沖縄県関係者が一体となって泡盛の振興に取り組んでいます。
ジェトロでは日本食品の輸出促進に少しでも寄与できるように上記のような活動を行っております。私も新天地サンフランシスコで泡盛を含めた日本のお酒、そして食品の輸出促進に少しでも寄与できるように努めてまいります。お気軽にジェトロへご連絡下さい。
【参考資料】
ジェトロ海外コーディネーター
https://www.jetro.go.jp/services/coordinator/
ジェトロ日本産食材 ピックアップ「泡盛」
https://www.jetro.go.jp/agriportal/pickup/awamori.html
有澤保険事務所 自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers