2020年1月にラスベガスで開催されたCES 2020で発表された主だった最新の商品やサービスから、本稿では、ラストマイル配送の製品やコンセプトなどに注目して、その最新動向に触れてみたいと思います。
注文された品物をお客様にお届けする最終段階のサービス:ラストマイル配送の目標は、遅延、都市の混雑、住所の誤り、荷物の盗難などの課題により、配送費用の50%を占めると言われるコストを最小限に抑えながら、できるだけ早く、確実に、顧客に商品をお届けすることです。ラストマイル配送は、最終目的地は個人の住居となる場合が多いようで、配送側また受け取り側の状況もあり、様々な課題があります。ドローンを活用したラストマイル配送の取り組み・テスト等もありますが、今回は、主に、自動運転やロボットを中心に取り上げます。
@Rinspeed 「MetroSnap」とOSRAM スイスのシンクタンク「Rinspeed」と、照明機器メーカーであるOSRAMと共同で、ラスベガスのCESにて、新しいラストマイル配送のコンセプト車両を発表しました。このシステムがユニークなのは、車体と電気自動車(自動運転を目指し)の車両と配達する上部構造が別々なことです。Rinspeedの「MetroSnap」で、顧客がどこにいても迅速かつ容易に顧客に提供されるようになるとのことです。注文のあった地域に(もしくは、需要の多い地域に)、「MetroSnap」上に「Cargo-Pod」を積み、配送し、そこで、顔認識機能等により、注文者を確認し、自分の品物を受け取ります。「Cargo-Pod」に高性能の加熱および冷却タンクも装備しているようです。
一見すると、オンラインの注文、その場での購入どちらに対応可能した大型の移動型の自動販売機のようです。
Aパナソニック・Hussmann 「ラストマイルハブ」ソリューション
パナソニックと冷凍およびディスプレイシステムのHussmannは、冷蔵食品の販売に、ラストマイル配送の課題を解決するの「ラストマイルハブ」を展示紹介していました。このサービスは、すでに、全米で展開をしているようです。安全な冷蔵、冷凍庫、室温ロッカーから食品やその他の購入品を取り出すため、各種認証もあり、オンデマンドの利便性(防犯カメラ対応オプションもあり)と柔軟性を追求しているとのことです。戸棚に4種類に対応したストレージユニットモジュールで構成されています。各モジュールは、周囲温度(現在の環境)、冷却(華氏32〜41度)、または凍結(華氏マイナス0・4〜5度)の温度設定が可能なようです。
BDroneFutureAviation(DFA) 配送ロボット「YAPE」
前述の2つの製品に比べて、小型で、個別の注文対応のソリューションが、この「YAPE」です。イタリアのモビリティスタートアップのe-Noviaが開発。ラストマイル配送用の自動運転ロボットで、DFAは、ボーダフォンと共同でイタリアでの商用前の5Gトライアルにて、イタリア北部で道路試験や、食品配送、小売、eコマースとの配送サービスをテストすると計画を発表しています。上部から取り出せる配送コンテナを装備しており、車椅子と同じくらいの大きさで、交通を避けながら、指定の場所まで商品を届けます。古い複雑な町や都市環境をナビゲートし、無人で配送可能を目標にしています。二輪車のように見え、小回りもききそうです。短い距離を、短時間に、食料と商品を低コストで輸送していくには、よさそうです。今後の5Gトライアルテストの結果に注目したいと思います。
以上、簡単に、CES 2020で発表されたラストマイル配送の製品やコンセプトの最新動向の一端についてご紹介してまいりました。現在、米国のみならず、各地域で、先端のサービス、また5Gを活用した実証試験など様々な取り組みがあるようですので、ラストマイル配送の実用化試験の結果には、引き続き、注目していきたいと思います。
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