BaySpo 1657号(2020/08/28)掲載
私どもの日本企業へのご支援 〜コロナの中で〜
ジェトロ・サンフランシスコ 所長 山下 隆也
所長 山下 隆也(山下 たかなり)
1990年4月に通商産業省に入省。通商政策局、製造産業局などを経て、2017年から内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官を担当。福島第一原子力発電所の事故で被害を受けた福島の復興に尽力してきた。2019年11月よりETROサンフランシスコ所長。

 6月にイノベーションをテーマにしたオンラインセミナーを開催しました。シリコンバレーの技術を求めて日本企業が多数ベイエリアに進出しています。7月に当事務所が公表した「ベイエリア日系企業実態調査」では日系企業の数は1035社と過去最高を記録しました。コロナ発生後の事情は反映されていませんが、イノベーション探索活動は確実に進んでいます。

 

 でも駐在員の方々とお話すると、皆さん結構苦労されていることが分かります。特に気になったのが、本社から十分な理解とサポートが得られず孤軍奮闘している方が少なくないこと。6月のウェビナーはwith コロナ、after コロナの情報提供というよりは、どうしたらこうした問題を解決できるのか、きわめて実務的な視点から開催したセミナーでした。

 おかげさまで4回のシリーズものでしたが毎回1600名程度の方に参加いただきました。アーカイブ動画はJETROサンフランシスコのYouTubeにアップしていますのでご関心のある方はどうぞご覧ください。(※)

 

 JETROは日本の中堅中小企業への支援として商談会を実施していますが、コロナでオンライン化の工夫が求められています。個人的に今もっとも悶絶しているのが、日本酒の輸出商談会です。啓発活動であれば大したことなくて、オンラインで日本の酒蔵とこちらのインポーター、ディストリビューターなどをつないで酒の特徴を紹介することになります。でもこの企画は商談を伴うイベントであることと、もともと和食以外の料理への需要掘り起こしを考えていて、幾つかの料理と特定の銘柄の酒をペアリングしてもらい、その感想をインフルエンサーに記事にしてもらうというものでした。なので、オンラインとなると、参加者それぞれに必要なサンプルを届けないといけない、料理もそうしないといけない、本数はどうする、輸送コストはどうなる、とあれこれ大変なわけです。ついついEコマースだけに頼ってしまいそうですが、それでは特定の酒をバイヤーに印象付けられないので、あえてこうした面倒な取り組みにチャレンジしています。大変ですが楽しみながら進めています。

 

 JETRO事務所はアメリカに6カ所あって地理的管轄をしています。サンフランシスコ事務所は西海岸の州が担当です。カリフォルニアからアラスカまで、それと少し内陸に入り、ネバダ、アイダホ、モンタナ、ワイオミングです。秋以降、各州の州政府、主な郡市政府との関係を強化して、日本企業のビジネス機会拡大のための取り組みを始めます。テーマは相手政府の関心にもよりますが、おそらく技術の切り口が多くなるかと思います。シリコンバレー以外のエリアでのオープンイノベーションの支援、あるいは州政府が抱える課題を日本企業が持つ技術やエンジニアリング力で解決するという視点です。もちろん州への企業誘致もあります。そちらに関してはJETROサンフランシスコのフェイスブックやメールマガジンなどで随時お知らせします。

 今回は1月号に次いで2回目の寄稿ですが、相変わらずビジネス最前線というコラム名にそぐわないベタな内容になってしまいました。引き続きJETROサンフランシスコは日本企業の皆さんのためにいろんな取り組みを進めていきますので、ご支援のほどよろしくお願いします。

有澤保険事務所

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