このところ、エネルギーネタが続いているが、今回もエネルギー関連の話題である。地球温暖化の防止や、そもそも限りある化石燃料の使用を減らすために、「再生可能エネルギー」の利用を増やすという議論がある。再生可能エネルギーとは、太陽エネルギーや風力、水力のように、いわば使っても減らない、自然に回復するエネルギーのことで、今回紹介する地熱もこれに含まれる。
地熱はどの程度、どのようにして利用されているのだろうか。連邦エネルギー省の推計によれば、2002年の米国のエネルギー消費の中では、化石燃料が総エネルギー消費の86%を占めている。一方、地熱の利用は全体の0.3%に過ぎない。しかも、化石燃料の使用は石炭、天然ガス、原油ともに絶対量で伸びているのに対し、再生可能エネルギーはバイオマス、太陽光、風力、地熱などの全ての分野で減少している。
【地熱利用の現状】
地熱エネルギーの利用方法としては、熱の直接利用、地熱ヒートポンプ、発電の3つに大別される。
地熱の直接利用とは、温室の暖房や歩道の融雪といった、初歩的かつ直接的な利用であるが、これも地熱の利用には違いない。地熱ヒートポンプは、地表近くに埋めたパイプを流れる液体を建物内に循環し、冬には暖かい地表の暖気を利用して建物を暖め、逆に夏には室内の暖かい空気を地下に送って冷房を行う。これらの利用であれば、基本的にはどこでも可能だ。
しかし、地熱エネルギーを利用した発電は、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州にしかない。このうちカリフォルニア州には14の発電サイトが存在しているが、ある程度の規模で本格的なものは数カ所である。最も有名なのはサンフランシスコ北方75マイルのマヤカマス山地にあるガイザース地区で、世界最大の地熱発電サイトである。ガイザースには23基の発電施設があり、大半はカルパイン社が保有している。
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