【クラスターの圏外にいる危機感】
同社はカリフォルニア州ロサンゼルス市の北にあるサウザンド・オークス市にあり、バイオテックの集積地でない場所に立地している。
実は、同社にとってこうした立地上のデメリットがあることは、想像以上に問題が大きかったようだ。そのきっかけとなったのが、2003年にジョンソン&ジョンソン社がバイオテックベイにあるサイオス社を22億ドルで買収を決めた際に、同社にはその打診さえなかったことである。つまり、この手の情報がクラスターの圏外にいることで入ってこなかったのである。
また、同社が開発した薬品は、「バイオ・ロジックス」と呼ばれるたんぱく質製剤であり、大手製薬メーカーが主力としている低分子化合物の薬品を開発した実績はない。製薬業界における現在までの主なブロックバスターは低分子化合物薬品であり、たんぱく質製剤は製造コストが非常にかかるといったデメリットがある。そのため、低分子化合物薬品開発を目指すバイオベンチャー企業はパートナー企業として同社を候補に入れていない企業も目立つ。
|