■「SVJENの活動内容について」
主な活動としては定期的なイベントの開催、及びウェブ(www.svjen.org)やメールでの情報提供である。イベントはその目的上、3種類に分けている。1つ目は隔月に開く「ラウンド・テーブル」で、これはすでに起業を果たしている人と、これから本気で起業を志す日本人が腹を割って経験や情報を共有する場であり、参加者数も20人前後に絞っている。毎回、起業に関する実務的なテーマを設定、ディスカッション主体の構成である。このラウンド・テーブルこそ、SVJENのコア的なイベントと位置付けている。2つ目の「起業家トーク・セッション」とは、ゲスト・スピーカーとして日本人起業家を招き、100人前後の日本人参加者の前で、起業にまつわる経験などをざっくばらんに語ってもらうもので、隔月で開催してきている。そして3つ目となる「ネットワーキング・セミナー」は、これまでもガイ・カワサキ氏など著名ビジネス・パーソンをスピーカーとして招き、半年に1回開催してきている。200人以上を集めた、昨年12月の中国ビジネスのセミナー時もそうであったが、基本的に英語でのセミナーになるため、参加者は日本人であるかを問わない。よって、セミナー参加者間のネットワーキングもさることながら、SVJENの存在をシリコンバレーでより広める良いPRの機会にもなっている。
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■「外村氏がSVJENにプレジデントとして参加した経緯」
大学卒業後、米系の4大戦略系コンサルティング・ファームの1社に就職。3年間コンサルタントとして多様な業界のプロジェクトに携わった後、アップル・コンピュータの日本法人に転職した。同社マーケティング副本部長であった97年に、休職をして欧州のビジネススクールへ留学、MBAを取得。その後の進路は幾つか選択があったが、縁があって、アップル時代の同僚であった米国人、香港人のエンジニアとともにシリコンバレーでの起業を決意。ベンチャー・キャピタルから1,200万ドルの資金を調達し、2000年2月にジェネリック・メディア社という、ストリーミング配信技術に特化した企業を起こした。
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日本市場での売上は順調に伸びていった一方で、米国での売上に弾みがつかず、2回目の資金調達がうまくいかず、結局、同社は2003年始めに売却するに至った。
同社内には日本人は、私一人であり、全てのことを米国流でやる必要があった。しかし、顧客を日本に抱えていたので、当時、もし日本側も理解できる会計士や弁護士などに気軽に相談できていたら、と思うこともあった。また例えば、社内での米国人とのコンフリクトなどを経験しても、同じ立場にある日本人を知っていれば、解決法など相談することができたのでは・・・など、同じ立場にいるような日本人との横のつながりが無かったために、本来避けられた苦労も余計に背負っていたのではという結論に達した。一方、自分の会社も売却し仕事面でも一段落したこともあり、SVJENのプレジデント職を2003年1月から引き受けることにした。
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■「SVJENの今後について」
これまでの活動を通じて、シリコンバレー在住の多数の日本人起業家同士をつなぐことができ、またさまざまな起業家予備軍の方々と知り合うこともできた。当団体をさらに発展させるためには、起業家のニーズに応えることが必要で、例えば、人材面、資金面、そしてメンタリング面での支援を提供できる環境をさらに整えていかなければならないと感じている。また起業をしても、その製品・サービスの売り込み先が見つからなければ何も始まらない。幸い、シリコンバレーには多くの大手日系企業もあるので、そのような企業の方々にも当団体の活動に興味を持っていただけるようにし、「SVJENのイベントに参加すれば、何かビジネスが始まる」と思って頂けるようにしていきたい。
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*ぜひ、起業家を将来志す方だけでなく、漠然と興味の有る方、起業家をサポートしてみたい方も、お気軽にwebsiteから登録して頂ければ、イベント案内など各種情報をお送りします。 |
SVJEN website: http://www.svjen.org |