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実際、バイオ企業の業績も好調で、例えば10月に発表されたジェネンティック社の製品売上高は、創業開始以来初めて10億ドルの大台に乗り、前年比54%増という勢いです。更に、本年7月には、ブッシュ大統領がバイオテロ対策として『プロジェクト・バイオシールド』法に署名、バイオテロ対策の研究開発に対して製薬業界に奨励金を支払い、薬剤の承認手続きに要する時間を短縮し緊急時には米食品医薬品局(FDA)の承認を待たずに政府が一定の治療を提供できるようにするというもので、これが成立し56億ドル近い予算が投入されることになれば、バイオビジネスの大きな追い風にもなるでしょう。
地図で良く見ると、シリコンバレーは同大学からサンノゼに至る南側に広がっていますが、ジェネンティック社をはじめとするバイオ企業や大学、各種研究機関を含むバイオテック・エリアは、スタンフォード大学より北側に位置しています。この南北に分かれて隣接する2大ハイテク・エリアは、やがて融合し、イノベーションを生み出すのでしょうか。両エリアが重なる地理的な要には、スタンフォード大学が位置しています。これは決して偶然ではないのでしょう。またも同大学がシリコンバレーの将来の鍵を握ることになります。ネットスケープ社の創業者ジム・クラーク氏が1.5億ドルもの資金をスタンフォード大学に寄付し、バイオ、医学とエンジニアリングの学際研究としてBio‐Xプロジェクトが発足したのは有名ですが、改めてこの大学の存在の大きさを思い知らされます。
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