さて、2004年は、イラク戦争、アメリカ大統領選挙、オリンピックと政治やスポーツの話題が多く、経済の話題は少なかったように思います。但し、これは必ずしも悪いことではなくて、世界のあちこちで、景気回復の力強い足音が聞こえた年であったがゆえに、大きなニュースになりにくかったのではないかと想像します。私も、当事務所の血気盛んで、好奇心旺盛な若手の影響を受けまして、このベイエリア、シリコンバレーの花形でありますハイテクについて、思いを巡らす機会が多いのですが、現在の世界経済は、イノベーションの勃興期にあり、これを経済発展の果実に生かせるかどうかで、その国の成否が決まるのではないかとさえ思います。特に、現在の世界経済のもう一つの特徴は、いわゆるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)に代表される、かっての途上国が、次々と先進国の仲間入りをしていることであり、もともと先進国だった日本のような国は、ますますハイテク技術に磨きをかけて、付加価値の高い製品を作っていかないと、これらの国との競争に敗れることになります。
私は、技術を如何に社会や企業組織が、生かせるかが、キーを握っているような気がします。情報技術の進展により、メールによるコミュニケーションが不可欠になった。
現在、会社の上下関係より、会社の外の人とのビジネスにおける、いわば"メル友"関係の方が、大事になってきていると思います。部下を何人持っているとかより、"メル友"を何人持っているかの方が、その人の社会的影響力を測るメルクマールではないでしょうか。そうすると、組織に対する、今までのような過度のロイヤリティーを個人に求める。
マネージメントは、やや時代遅れのような気がします。また、会社の中でも、ヒエラルキーを越えて、メールでコミュニケート出来るのですから、トップとは恐れ多くて話も出来ないというようなやり方は、通用しないと思います。日本の高度成長期によく見られた軍隊的組織より、もっとフラットな横の仲間の繋がりを重視する組織が支配的にならなければなりません。
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