【両社の思惑が一致】
米ヤフーは99年9月に中国進出を果たしたが、ポータルサイトや捜索エンジンでは新浪網や、百度、Googleなどに大きく水を開けられた。検索エンジンの市場では2003年に買収した「3721」と合わせても4位にとどまった(表参照)。同社にとっては市場シェアを拡大するため、強力なパートナーとの提携は急務だった。
一方、アリババは国内・国際の2つの中小企業商取引サイトを運営し、業績が順調に伸びていた。CEOジャック・マー氏は「さらなる規模拡大に検索エンジンの業務を広げることが不可欠だ」と明言していた。
【買収による中国市場への参入相次ぐ】
ヤフーとアリババ・ドット・コムのような大型の戦略的提携は「中国では初めて」(ヤフー)だが、これに先駆け、米国インターネット会社の対中戦略の一環として中国企業との提携や買収の動きが広がっている。
米オンライン・オークション大手のイーベイは2002年3月、当時、中国のオンライン・オークション大手だったイーチネットに3,000万ドルを支払い(株式33%取得)、戦略的提携を構築した。その後、2003年7月までに同社の残りの株式67%を1億5,000万ドルで取得した。
イーベイは、海外市場進出に非常に力を入れており、特に中国市場は最重要事項に掲げている。メグ・ウィトマンCEOは、この10年から15年の間に中国がイーベイにとって世界で一番大きな市場になると予測している。
一方、オンライン・トラベル・エージェンシーなどを多数持っている米インターアクティブコーポは2004年7月、中国のオンライン・トラベル・エージェンシー、イーロングの株式30%(6,000万ドル)を取得し、中国市場への参入を果たしている。
オンライン書店大手のアマゾン・ドット・コムは2004年8月、当時、中国で最大のオンライン書店だったジョーヨー・ドット・コムを7,500万ドルの現金と株式交換により買収した。この買収により、アマゾンは、中国では自社ブランドを使わず、既に中国でブランドが確立されているジョーヨー・ドット・コムのブランドでオンライン書店を展開している。
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