前回に引き続き、ジェトロ・サンフランシスコ・センターと北加日本商工会議所(JCCNC)は隔年で実施しています「ベイエリア日系企業調査」の内容をお届けします。
本調査によると、日系企業の現地貢献意欲は年々減少していることが明らかになりました。その背景には、過去10年以上に及んだ日本経済の低迷や、日米通商摩擦の再燃の心配が軽減されてきていることがありますが、一頃流行った企業のフィランソロピー(社会貢献)活動は薄れてしまったのでしょうか?
【地域社会におけるボランティア活動には関心薄】
回答企業207社のうち、寄付を行った企業は111社。2005年の寄付総額は653万2,323ドルに上りました。主な寄付先(複数回答有り)は、「非営利団体・基金等」に77.9%を最大で、次いで、「学校(大学以外)」25.0%、「地元自治体」19.2%、「大学・研究機関」10.6%などとなっています。

寄付の意思決定者については、「トップ」が91.1%とほとんどで、「社内の専任者」による判断は8.9%でした。 寄付の参加決定と日本本社との関係をみると、「すべて現地で決定している」と回答した企業が94.5%に上り、「一定額以上は日本本社(米国本社)」に稟議している企業はわずか5.5%でした。

寄付額決定の基準については、「過去の実績」と回答した企業が32.4%と最大で、次いで、「前年度の利益」24.3%、「年間予算」22.5%と続きました。
 
ボランティア活動の有無については、「有る」と回答した企業が26社と、前回調査の44社、前々回調査の76社と年々減少傾向が鮮明になってきています。その背景には、過去10年以上に亘った日本経済の低迷や、日米通商摩擦の再燃の心配が軽減されてきていることがあります。
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