シリコンバレーが世界中の精鋭を集めて国際ビジネスの司令塔となっていることは既にご承知の通りです。中国人、インド人をはじめ各国から優秀なエンジニアが続々と押し寄せ、今では普段の言語が英語の方は街中の僅か半分、残る半分は母国語でない英語を駆使しつつ堂々とグローバルビジネスを展開している海外出身者という、米国でも、世界中を見ても類を見ない「超」国際地域となっています。しかしながら、この地への私たち日本人の挑戦が余りに少ないことに、既に当地で活躍されている日本の方々はもどかしさを感じ、数年前からＳＶＪＥＮの結成、ＪＴＰＡの「シリコンバレー１万人計画」の提唱、ＳＶＭＦによる異業種交流等、各所で頑張れ日本！の動きが始まりましたが、その熱い思いが太平洋を越えて日本に伝わるまでには少なからずの時間を要していました。

　しかし、ここに来て、そうした地元日本人の皆様の思いが結実、シリコンバレー再始動の潮流に合わせて日本発ハイテクベンチャーのシリコンバレー進出に拍車が掛かっています。私達ジェトロも、時を同じく数年前にＢＩＣをサンノゼに設立、日本ベンチャーの当地拠点展開の支援をしてまいりましたが、これまで年間平均６社程度の入居企業数だったＢＩＣへの入居希望が殺到、今春には１６社、来春には２０社近い企業が入居される見込みという勢いです。しかも、ここ数年ソフトウエア企業一辺倒だったのが、この１年間でハード、バイオ・医療関連と分野も多様化しています。先日、日経エレクトロニクスのＴｅｃｈ Ｏｎでも御紹介頂きました。
(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20070207/127470/?P=2)

【ソフトウエア】
　リアルコム（企業内での人と情報の一体統合を図るデータベース統合を展開）ボイスバンク（ポッドキャスティングで世界的に有名、マックワールドにもデビュー）、デジオン（デジタルホーム・エンターテイメント分野のソリューション）、マイルストーン（多目的情報分析ソリューション）、ラプラスシステム（太陽光発電システムシュミレーションソフト）、ネットエージェント（ネットワークセキュリティ）、ＯＳＳブロードネット（広帯域ネットワークの監視・管理ソフト）、アエリア（オンラインゲーム）、シスコテック（ハイテク用超精密機構部品のデザインハウス）、ＤＴＳ（ＩＴ総合ソリューション提供）、FOI（半導体プラズマエッチング）

【バイオ・医療】
　レグイミューン（免疫制御技術）、ＥＮＤＥＸＴ（無細胞タンパク質合成技術）、アルファジェン（RNAi技術を用いた医薬品開発）、ネイチャーテクノロジー（香りを利用したドラッグデリバリー）、ＫＥＮＸＡ（携帯電話を使った遠隔医療用ソフト）

　ところで、シリコンバレーの最大の魅力の１つは、街全体がインキュベーションセンターのような機能を果たしている点だと良く言われます。あるベンチャーが当地で店開きをすれば、次々とネットワークが構築され人やナレッジが集まり成功への道筋が開かれていく。そんな魅力を最大限に活用すべく、是非、地元の最前線のビジネス関係者の皆様に選りすぐりのBICファミリーを御紹介しよう！ということで、来る３月１３日（火）、サンノゼで「第１回BICグランドフォーラム！」を開催させていただくことに致しました。BICから全体像を御紹介しつつ、上記企業のうち９社が自ら自社のシリコンバレー戦略を皆様に御紹介します。日本発ベンチャー、今なぜシリコンバレーなのか、どのビジネス分野ではどんな課題があるのか、情報満載のイベントです。これを御縁に、各入居企業の方々との直接のビジネス関係を拡げる絶好のチャンスでもあります。今世紀最大のJETRO・BICイベント、是非お見逃し無く。

　お問い合わせは、JETRO・BIC吉永香織（408-351-3369､E-mail:Kaori_Yoshinaga@jetro.go.jp）、お申し込みはオンラインで早速お願いします（http://www. jetrosf.org/bic/jp/）。私たちＢＩＣスタッフも、ついにここまできたかと感無量です。当日、皆さんとこの思いを分かち合い、一気に！盛り上がるのを楽しみにしております。