ベイエリアに住むことになったきっかけ ベイエリアに来る前は、北インドのラクノウという町でPoonjaji(Papaji)というインド人のグルのもとで学んでいました。そこで今の夫と出会い、1996年にベイエリアにやって来ました。最初はマリン郡のミルバレー、その後ソノマ郡のペタルマ市に移り、今もペタルマで暮らしています。
ベイエリアの印象 ソノマ郡は時間の流れがゆったりしていて、自分に合ってるなと感じました。
自分の専門分野について マッサージセラピストとしての仕事のかたわら、4年前から身体的な動き、ダンスをベースにした表現アートワークに興味を持ち、マリン郡ケントフィールドにあるTamalpa Instituteでのトレーニングを修了。Instituteの創立者の1人であるAnna Halprinは、93歳の今も精力的にクラスやワークショップを教え続けています。彼女のワークショップでは身体の動きをていねいに見つめながら、自分の感覚や感情、他者との関係性などに出会い、ダンス、ドローイング、言葉などを用いて自分の身体や感覚と深くつながっていきます。今はAnnaHalprinのワークショップのアシスタントとして、世界中からやって来る参加者や生徒たちをサポートしています。5日間のワークショップは、支える側の私にとって、大変ですが本当にやりがいのある仕事です。そしてAnna Halprinのワークをとても近くで直接学べる機会を与えてもらえたことに感謝しています。
その道に進むことになったきっかけ 2009年の2月、右胸に乳がんが見つかり大きなショックを受けました。それまでマッサージの仕事で忙しくしていたので、病気を機に1年仕事を休み治療に専念することにしました。大きな治療を終え、明日から何をしようかな? と考えた時、Anna Halprinの名前が思い浮かびました。その数年前に友人からAnnaのことを聞いたことがあり、いつかクラスを受けてみたいと思ったのですが、仕事に追われいつのまにか忘れてしまっていたのです。早速、朝のクラスに参加するようになり、そこで彼女もがんのサバイバーであり、ヒーリングとしてのダンスという考え方を確立したダンサーだということを初めて知り、驚きました。私は乳がんが見つかった後、自分の身体に対する信頼を失い、ずっと身体に裏切られたという感覚を感じていたのですが、クラスの中で少しづつ身体への信頼が戻ってきました。トレーニング修了後、Annaに頼まれて彼女のワークショップを手伝うようになり、去年から仕事としてアシストするようになりました。
英語で仕事をするということ チャレンジの連続です。特にワークショップの中では、身体の感覚とか感情の細かい部分を表現することも多く、ものすごく苦労しています。
英語で失敗したエピソード たくさんありすぎて選べません。aとかtheとかの冠詞が苦手で、よく間違いを指摘されています。
英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に? 特別に「この仕事」というのは思いつきませんが、やはり選択が大きく広がるような気がします。
あなたにとって仕事とは? 人生の中の大切なパートですね。仕事を通じて、自分にとってとても重要な多くのことを学んでいるように感じています。
生まれて初めてなりたいと思った職業 仏教のお寺の中にある幼稚園に通っていたせいなのかわかりませんが、出家して尼さんになり、お寺で生活したいと思っていました。今でも出家願望は自分の中に確実に残ってますね。
いまの仕事に就いていなかったら う〜ん、思いつきません。ごめんなさい。
現在、住んでいる家 ペタルマ郊外のファームの中のコテージに住んでいます。羊や馬が一番近いお隣さんです。
乗っている車 Toyota Highlander
睡眠時間・起床時間・就寝時間 睡眠は7時間は絶対必要です。朝は7時半起床、夜は0時頃就寝。
休日の過ごし方 ワークショップ中は、たくさんの人たちといつもよりも近い距離で接することが多いので、終わった後は回復するために、1人の時間を持つことが自分にとってとても重要だと感じます。なのでなるべく1人の時間を持つようにしています。瞑想したり、菜園の手入れをしたり、ゆっくりお風呂に入ったり、のんびりした時間を過ごすようにしています。
好きな場所 マリン郡の山の中にあるAnna Halprinのスタジオに隣接したダンスデッキです。タマルパイス山がすぐ近くに見え、レッドウッドの木々に囲まれた、とても歴史のあるダンスデッキです。これまでも世界中からたくさんのダンサー、アーティストたちがこの場所で踊ってきました。私にとっての聖なる場所です。
最もお気に入りのレストラン グルテンフリーの食事制限があり、ほとんど家で食事しています。
よく利用する日本食レストラン ソノマ郡ローナートパークにあるレストラン「Hana」が好きです。
1億円当たったとして、その使い道 ベイエリアや日本のパフォーマンス・アーティストをサポートしたいです。残りは貯金して、ゆっくり使い道を考えます。
日本に戻る頻度 ここ数年はスケジュール的に大変で、なかなか帰れなかったけれど、できれば年に一度は帰りたいですね。
最近日本に戻って驚いたこと 去年10月に帰国した時、最初の2週間で4回も台風がきたこと。
日本に持って行くお土産 オーガニックコーヒーやスパイスを持って行きます。
日本からベイエリアに持って帰ってくるもの 九州の緑茶、京都の黒七味、本。
現在のベイエリアで不便を感じること 医者のアポイントメントがなかなかとれず、とれてもずっと先だったりして、不便に感じます。
現在のベイエリア生活で不安に感じること ヘルスケアのシステムに不安があります。
日本に郷愁を感じるとき 大晦日に日本に帰りたくなります。
お勧めの観光地 南インドのチェンナイ(マドラス)からバスで5時間のティルバンナマライという小さな町。アルナチャラと呼ばれる聖なる山があり、南インドのお寺も素晴らしいです。バナナの葉のお皿で食べる食事もとてもおいしくて、インドに興味のある方にはぜひお勧めしたい場所です。
永住したい都市 南インド、タミールナドウ州のどこか。
5年後の自分に期待すること 生きていて、踊り続けていたいです。
最も印象に残っている本 オルダス・ハクスレーの『島』。
最近読んだ本 大好きな梨木香歩さんの『家守綺譚』と『村田エフェンディ滞土録』を再読しました。
最も印象に残っている映画 ピーター・ブルック監督『Meetings With Remarkable Men』(邦題『注目すべき人々との出会い』)。ラストの神性舞踏のシーンは圧巻です。それと私の師Anna Halprinの人生と作品を描いたドキュメンタリー映画『Breath Made Visible』。2009年のミルバレー映画祭でオーディエンス・アワードを受賞した作品です。
自分を動物にたとえると?なぜ? 犬かな。今まで何度か「あなたを見てると昔飼っていた犬を思い出す」とか「ウチの犬に似ている」と言われたことがあるので。でも、どんな種類の犬だったのかこわくて聞けませんでした。
座右の銘は? 一日一笑。