ビジネス編  Vol.77
唐崎 建二さん
日本の大学の修士課程中にバークレー大学に留学、工学修士及び博士号を取得。バークレーの丘の中腹にあるエネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所で、学生助手から始め現在は研究員を勤める。今年からベイエリア赤門会会長に就任。同会は卒業してない方でも、東大にゆかりがあればどなたでも入会でき、現在会員を募集中。問い合わせ、申し込みはcontact@akamonkai.orgまで。
研究の楽しさは物事を解ろうとする努力
UCバークレーの大学院に留学したのがきっかけで、修士、博士号を取得。米国エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所で研究員を務め、今年からはベイエリア赤門会の会長を務める唐崎さんに、ベイエリアでの暮らしぶりについて伺いました。
唐崎  建二さん

(Kenji Karasaki)BaySpo 1343号(2014/08/22)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 1979年にUCバークレーの工学部の大学院に留学してきました。他の大学にもチョイスがあったのですが『ポパイ』という雑誌で「世界中の街がバークレーのようになれば素晴らしい世界になる」という記事を読んで迷わずバークレーに決めました。最初は1年だけの留学の予定でしたがもう35年住んでいます。

ベイエリアの印象
 素晴らしいの一言です。気候が良いし、海にも山にも近く、文化も豊かだし、日本食も簡単に食べられます。特にバークレーは色々な意味で素晴らしい街です。進歩的でヒッピーの発祥地でもあり、バリアフリーの先駆けを作った街でもあります。湾岸戦争について市議会が反対決議をしたこともあります。ローカル産のオーガニック食品を売っているファーマーズ・マーケットもアンビリーバボーに良いです。

自分の専門分野について
 地下水がどのように流れるかを調べる基礎研究をしています。特に断層周辺の地下水流動の評価が専門です。簡単なようでこれがなかなか難しいんです。応用分野としては石油や天然ガスの生産、核廃棄物の地層処分、地球温暖化ガスの二酸化炭素の地下貯留、地熱エネルギー、地下水汚染の防止や浄化などがあります。地震を含め地球の中はまだ分からない事だらけです。

その道に進むことになったきっかけ
 大学ではアメリカンフットボールとデートとアルバイトに明け暮れていて、教養から専門に上がる時に点数が足らず、当時東大工学部の吹き溜まりと呼ばれていた資源開発工学科に進む以外にチョイスがありませんでした。でも人生全て塞翁が馬、結果的にそれが良かったと思います。

英語で仕事をするということ
 高校時代にAFS(American Field Service)で1年間ミネソタ州に留学をしていましたし、こちらに35年間住んでますので英語で仕事をするのには不自由はありません。

英語で失敗したエピソード
 英語が喋れるというのと、アメリカ人と対等に渡り合うというのは違う気がします。所謂アメリカ人気質になるのは今でも出来ません。そういう意味ではいつも失敗しています。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 大学時代はコンパで芸ばかりしていました。コメディアンに向いていたかも知れません。

あなたにとって仕事とは?
 研究職は世界で一番幸せな仕事だと言った人がいました。確かにその通りのような気がします。僕の分野でも解らない事だらけです。それらを解明する為の努力をする研究は楽しいです。でも、あまりにも解らないので、そろそろ辞める潮時かなとも思ってます。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 パイロットです。でも近視だったので泣く泣く諦めました。

いまの仕事に就いていなかったら
 昔のアメリカンフットボール部の多くのチームメートがそうであるように、商社マンか銀行マンだったかも。

乗っている車
 プリウスですが、あまり乗らずもっぱらSchwinn社製の愛車(自転車)で通勤しています。健康にも、環境にも良く、ガソリン代もかかりませんしね。たまにクラブを1本だけ荷台に縛って、丘の上にあるチルデンゴルフ場に自転車でゴルフに行きます。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 一定ではありませんが、6〜7時間です。だいたい6時半に起き、12時に就寝します。

休日の過ごし方
 テレビでフットボールやゴルフを観戦するか、ゴルフの打ちっぱなしです。ワインテイスティング、ビールのブルワリーめぐりや買い物にも行きます。

好きな場所
 やはりバークレーの丘の上のチルデンゴルフ場ですね。

最もお気に入りのレストラン
 バークレーの「Great China」はとても美味しい中華料理屋さんです。

よく利用する日本食レストラン
 バークレー・ダウンタウンの「Seasons of Japan」、「Kiraku」、「Ippuku」によく行きます。

1億円当たったとして、その使い道
 半分は寄付をして、残りは日本でマンションを買おうかな?
日本に戻る頻度
 多い時は年に10回、少なくても5回くらいは行っています。

最近日本に戻って驚いたこと
 東京の高層ビルの数が急増しましたね。まるで林のようです。東京湾の眺めが格段に良くなりました。

日本に持って行くお土産
 カリフォルニアワインです。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 やっぱり、お茶、ちりめんじゃこ、スルメ、バスクリンですね。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 公衆トイレが少ないですね。日本は何処にもあるし、コンビニでも快く使わせてくれます。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 いずれ必ず来る地震が怖いですね。そういう意味では日本もそうですが。

日本に郷愁を感じるとき
 Tokyo TVのインフォマーシャルで、演歌、童謡、ニューミュージックを聞いた時は日本を懐かしく感じます。

お勧めの観光地
 やはりヨセミテが一番ですね。自分でも10回は行っています。

永住したい都市
 日本とバークレーの半々に住むのが良いかな。ハワイも良いですね。

5年後の自分に期待すること
 常に70台のスコアでゴルフのラウンドが出来るようになる事。

最も印象に残っている本
 小説ではなく、教科書ですが、『Conduction of Heat in Solids』 (Carslaw and Jaeger)です。あらゆる本の内で一番手にした回数が多いです。

最近読んだ本
 最近友人に借りた漫画『じゃりン子チエ』(はるき悦巳)です。大阪人文化の骨頂ですね。とっても笑えます。

最も印象に残っている映画
 映画ではないですが、東北地方太平洋沖地震の津波で数多くの家や車が流されていく映像が頭から離れません。多くの命が失われていくのを目前にして涙が止まりませんでした。自然の脅威の前には人知はひとたまりもない事を改めて思い知らされました。

最近観た映画
 『Wolf of Wall Street』。アメリカ資本主義の裏表の舞台を見て考えさせられました。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 犬ですね。人なつっこい方ですから。

座右の銘は?
 「人生は一度しか無い」。

(BaySpo 2014/08/22号 掲載)

▲Topに戻る

有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers
Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
2695 Moorpark Ave, Ste 101, San Jose, CA, 95128
http://www.arisawaagency.com

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.