一般編  Vol.173
酒井 利光さん
1935年福島生まれ。農家の次男なのでいずれは家を出なければならないと思っていたため、難民救済法が施行されてアメリカに年に何人か受け入れられることを知り応募。1955年に渡米。サリナス、マウンテンビューで過ごし、1957年から現在までサンマテオに在住。ガーデナーとして働くかたわら趣味の民謡、歌謡曲、ビデオ撮影、音響作業などで様々なイベントを長年にわたり担当。50年続けている民謡では指導も務める。サンマテオ歌謡クラブは結成38年。現在もほぼ毎週のカラオケによる練習、年に1度の歌謡ショーなどの活動を行っている。
仕事も趣味も忙しく
福島県出身。難民救済法の適用を知り、「アメリカに行ってみよう」と思い渡米。ガーデナーとしての仕事のかたわら、ビデオ撮影や音響作業のボランティア、民謡の指導、サンマテオ歌謡クラブの代表者的存在としても精力的に活動、リタイア後もそれらの活動で多忙な日々を送る。
酒井 利光さん

(Toshimitsu Tom Sakai )BaySpo 1377号(2015/04/17)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 日本が貧しかった60年くらい前、難民救済法が施行されアメリカに年に何人か受け入れられることになり、農家の次男に生まれたので、いずれは家を出なければならないと思っていたので、「それだったら、アメリカに行ってみよう」と思って応募しました。1955年に渡米して、生活のためにサンマテオでガーデナーとしての仕事をリタイアするまでしていました。リタイアする前から、民謡、歌、ビデオ撮影や音響関連の事などの趣味でも忙しくしていました。

ベイエリアの印象
 何よりも気候が良い、日系人も多く、日本のレストランやスーパーが多いと思います。

自分の専門分野について
 ガーデナーの仕事をするかたわらやっていた趣味のビデオ撮影では、特にサンフランシスコのさくら祭のグランドパレードや歌謡パレードなどを撮影していました。その後は音響の担当として、ベイエリアの歌謡クラブのイベントなどのほか、日本から渡米したプロ歌手の音響も手がけました。また、民謡の方では、さくら祭に大阪から大人数の民謡関係者が使節団として渡米したとき、ベイエリアの民謡団体と合同でショーを開催するお手伝いもしました。日本から来られたグループの中の1人が成世昌平さん(当時民謡日本一)で、成世さんは今では歌謡界でも活躍されていて、時々テレビなどにも出演されている様子を拝見すると懐かしくなります。私自身も民謡を50年以上続けていて、今でもパロアルト民謡では指導をしております。岡山県の下津井から招待されて、下津井節全国大会に出演させていただいたこともあります。また、さくら祭には第1回目から参加していて、民謡の係で実行委員をしています。民謡の係は今年38回目となるので、今年で退いて若い人に譲りたいと思っています。このように長く続けてこられたのも、私と同じように歌が好きな家内の理解があったからこそだと思います。
その道に進むことになった
きっかけ
 東北生まれの私は小さいころから民謡に親しんでいたせいで、アメリカに来てからもよく唄っていました。ちょうどそのころ、サンフランシスコで日本から来られた佐藤松豊先生が民謡を教えていると聞き、お願いして先生に教えていただいていました。佐藤先生は数年後にはロサンゼルスに行かれてしまいましたが、その後も民謡を続けています。カラオケは歌の好きな2、3人で会を作りました。それがきっかけでサンマテオ歌謡クラブが発足。カラオケをはじめて38年になりますが、まさかカラオケがこんなに盛んになるとは思ってもみませんでした。歌は若返りの秘訣ですし、頑張っています。歌うのは演歌が多いですが、テレビやユーチューブで新しい歌を見聞きしてレパートリーを広げることもあります。

専門分野において英語を使うことはありますか
 日常用語くらいです。

英語で失敗されたエピソードはありますか
 数多くあります。

あなたにとって仕事とは?
 皆の協力のおかげと好きだからやってこられたと思います。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 ドラマーです。日本で昔少しドラムをやっていました。

今の仕事に就いていなかったら
 物をつくる仕事。自宅のキッチンやバスルームのちょっとした改装や、スピーカーの配線などは自分でやりますし、そういったことが得意なので。

現在、住んでいる家 
 サンマテオの一軒家です。

乗っている車
 トヨタのハイランダーです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 だいたい10時ごろに就寝、朝は7時30分ごろに起きます。

休日の過ごし方
 リタイアしてからは1年中が休日ですが、週末にはカラオケのイベントなどが多いので、何もない時は家でゆっくりするのが好きです。

好きな場所
 自宅です。

最もお気に入りのレストラン 
 「INSHOU」

よく利用する日本食レストラン 
 サンマテオの「HOTARU」です。

1億円当たったとして、その使い道
 カラオケや民謡のイベントなどでいつでも利用できる小劇場を作り、そこにはビデオ撮影と音響などの装置を設置して、誰でも利用出来るようにしたいです。1億円では足りないかもしれませんね。

日本に戻る頻度
 1年か2年に1度です。

最近日本に戻って驚いたこと
 一般の新築の家屋がすばらしく、また便利にできていることです。床暖房や、トイレは触れなくてもセンサーで水が流れたり、キッチンには食洗機があり、家内と2人で驚きました。サンマテオの自宅にもウォシュレットを設置しています。こちらの日本人の知り合いの家や、日本でウォシュレットを見て興味を抱いた外国人の方の家などに設置してあげたこともあります。

日本に持って行くお土産
 スターバックスコーヒー、チョコレート。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 漬け物、衣類。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 特にありません。

日本に郷愁を感じるとき
 テレビでお正月の様子を見たりする時です。

お勧めの観光地 
 アリゾナのセドナ。

永住したい都市
 ベイエリアです。

最近読んだ本
 音を良く出すためにはどうすればいいのかと思い、音響関係の本を読んでいます。

最も印象に残っている映画
 昔観た、『ベン・ハー』。

最近観た映画
 『そして父になる』

自分を動物にたとえると?なぜ?
 猿です。手先が器用で、見よう見まねで何でもやってしまうこともあって、家内からも「猿真似ね」と言われたこともあります。(笑)

座右の銘は?
 「少年よ大志を抱け」

取材を終えて
 幣紙の取材後、酒井さんは4月8日夜、ご病気のためご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

(BaySpo 2015/04/17号 掲載)

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