一般編  Vol.186
赤間 勉さん
Anacor Pharmaceuticals、Research Leader、Medicinal Chemistry。東北大学工学研究科修士。新潟大学自然科学研究科博士(工学)。協和発酵工業、Geron Corporationを経て現職。2002年からJapan Bio Community(NPO)のオーガナイザー、最近はSilicon Valley Japan University (SVJU)の立ち上げにも関わっている。
新薬を作るための研究を続けて
製薬企業の研究員として渡米、ベイエリアに住んで15年になる現在は、バイオテックのスタートアップでの研究、NPOのオーガナイザーなどをされている赤間さんに、暮らしぶりを伺いました。
赤間 勉さん

(Tsutomu Akama)BaySpo 1406号(2015/11/06)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 日本で生まれ育ちました。日本で大学を出て製薬企業の研究職として就職して、12年目だった2000年に、勤務先からの出向という形で、当時共同研究先だったこちらのバイオベンチャーの客員研究員という形で渡米。1年で帰国の予定だったのですが、翌2001年になぜかそのままこちらに転職、移住してしまいました。ただそこからのベイエリアは景気が真っ逆さまで、2003年にレイオフになりました。その後、縁あってこちらのバイオテックのスタートアップに加わり、現在まで12年余り勤務しています。

ベイエリアの印象
 ここが初めて過ごした海外の土地ですが、なにしろ天気がよくて、ただいるだけで快適なところだなあと思いました。それと非常に多国籍な所だという印象です。

自分の専門分野について
 製薬企業で新しい薬を作るための研究をしています。私は有機合成化学という分野を専門としていて、お医者さんが処方する飲み薬や塗り薬などになる新しい有効成分を作り出すのが仕事です。製薬業界ではメディシナルケミストと呼ばれます。

その道に進むことになったきっかけ
 大学で有機合成化学を専攻したからです。高校までは、正直言って化学系の道に進むつもりは全然なかったのですが、大学入試で偶然、化学系の学科に合格したことからそちら方面に進むことになりました。有機化学を使う仕事にもいろいろあるのですが、前記の理由から最初はあまり興味がありませんでした。でも新しい薬を作れるかもしれないということを知って、俄然やる気が湧きました。それでも、その後25年以上も有機化学の仕事を続けるとまでは思ってもいなかったので、びっくりです。海外に出る気もまったくなかったし、人生なんてつくづくわからないものだと思います。

英語で仕事をするということ
 15年もアメリカの企業で仕事をしているというと、英語はペラペラに違いないと思われるわけですが、それは大きな誤解で、いまだに四苦八苦しています。ただ年数が経つとさすがに慣れや開き直りも出てきますし、コミュニケーションツールと割り切るようにしています。でもやっぱり疲れます。

英語で失敗したエピソード
 数限りないですが、とある空港の売店で、チリ(chili)が食べたかったのに通じなくて、5回くらい言わされたりとか、子供が通ってた学校の名前のEllisが相手に通じなかったりとか、私はエル(L)がけっこう鬼門みたいです。あと果物のグァバ(guava)と言ったつもりが、なぜか強いお酒のグラッパ(grappa)だと受け取られたりとか。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 前記のとおり日本から出ることさえ考えていなかったので、まったく想像もつきませんが、やっぱり研究職をやってたような気がします。

あなたにとって仕事とは?
 世の中や人々の暮らしを少しでもよくするために自分ができそうなこと。リスクやプレッシャーや逆境も「楽しむ」くらいのスタンスでできるのが理想。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 路線バスの運転手さんだったような気がします。みんながちゃりんちゃりんとお金を入れてくれるので。

いまの仕事に就いていなかったら
 なんだろう。飲食関係かな?

現在、住んでいる家
 サニーベールで3BRの家をレントしてます。

乗っている車
 ホンダシビックとオデッセイ。15年乗ったシビックは最近買い換えたのですが、もしかしたら自分で運転を楽しむ車はこれが最後のチャンスかも知れないと思い、あえてマニュアルトランスミッションにしてみました。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 ほんとは毎日8時間寝たいのですが、平均すると平日は12時くらいに寝て6〜7時に起きる感じ。

休日の過ごし方
 土曜日は居酒屋シェフの真似ごとをして、いろいろ料理してゲストをお招きして宴会をやってることが多いです。みなさんからは赤間亭なんて呼んでいただいています。日曜日はだいたいのんびりですが、以前、娘に教えてもらったボカロ(ボーカロイド)ソフトを使って、J-POPのような音楽を作ったりすることも。

好きな場所
 家のバックヤード(にイスを出してのんびりする)。

最もお気に入りのレストラン
 サニーベールの「Rokko」と、クパチーノの「Ajito」です。

よく利用する日本食レストラン
 外食はあまりしないのですが、前記の2店かな。

1億円当たったとして、その使い道
 現在シリコンバレーに大学を作る(Silicon Valley Japan University)プロジェクトにかかわっていて、その大学の学生寮と学食を兼ねたような施設を作るための資金にしたいです。

日本に戻る頻度
 以前は年1回ペースでしたが、昨年家族が日本に戻ってからは、年3回くらい。

最近日本に戻って驚いたこと
 首都圏の鉄道の相互乗り入れがものすごく増えていること。新しい地下鉄の地中の深さ。世の中のシステムで、スマホを持ってることが前提になっていることがたくさんあること。これ別に最近じゃないかな?

日本に持って行くお土産
 ワインやナッツ類。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 日本酒、漬物、魚介の出汁製品。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 日本のような立ち食いそばや牛丼屋さん、カレー屋さんがないこと。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 住宅の家賃高騰とかもありますが、何と言っても今は水不足ではないでしょうか?

日本に郷愁を感じるとき
 夏の時期、こちらにひとりでいるとちょっと感じるかも。

お勧めの観光地
 Mt. Shasta。もともとは私ではなく妻が行きたがっていて、行ってみたらとてもきれいないいところだったので、リピートしました。サクラメント・リバーの源泉があるシティ・パークとか、いくつもある滝とかがおすすめ。

永住したい都市
 今のところはベイエリアです。

5年後の自分に期待すること
 とにかく元気でいること。

最も印象に残っている本
 真保裕一の「ホワイトアウト」。

最近読んだ本
 大沢在昌の「生贄のマチ」。最近はペースが落ちてますが、大沢在昌さんのは新宿鮫シリーズやその他も含めてけっこう読んでます。あとは家族が先にはまっていて、私はだいぶ遅れて読み出した、有川浩の「図書館戦争」シリーズとか。

最も印象に残っている映画
 『となりのトトロ』。これも家族がジブリシリーズが大好きで、ビデオで何度も見てたのですが、トトロはとにかく平和な気持ちになります。あと今年が設定年代だったために最近また話題になっていた、『Back to the Future』シリーズも印象深いです。

最近観た映画
 最近は全然観ていません。

自分を動物にたとえると? なぜ?
 ずーっと昔ですが、ラッコとかトドとかいわれたことがあります。なぜかはわかりません。

座右の銘は?
 「途上」という言葉が好きです。

(BaySpo 2015/11/06号 掲載)

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