ビジネス編  Vol.81
三浦 智史さん
小樽商科大学卒業後、NTTドコモ北海道入社。その後留学等を経て、現在DOCOMO Innovations, Inc.に勤務。事業開発、投資、総務を担当。家族は妻、7歳と3歳の娘2人。趣味はスポーツ観戦で主にNFL、MLB、日本のプロ野球を観戦。夢は北海道日本ハムファイターズの球団職員になって日本一に貢献すること。
新しい技術を見つけ新規事業を創る
NTTドコモ北海道入社後、MBAを取得。人事異動によりパロアルトのドコモの西海岸拠点に赴任、留学等を含め3回目のアメリカ生活となる。現在ドコモ・イノベーションズのCOOを務める三浦さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
三浦 智史さん

(Tomofumi Miura)BaySpo 1418号(2016/01/29)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 2013年4月に社内の人事異動にてベイエリアに赴任しました。それ以前も2003年にNTTドコモ北海道でのトレーニングの一環として、ロサンゼルスにて6カ月のインターンシップ、その後の2009年から2011年にUCLAへのMBA留学を合わせると今回で3回目のアメリカ生活になります。

ベイエリアの印象
 生活面では、豊富な日本食、天候、教育環境等、本当に良いところだと思います。仕事面では、Google、Apple、Facebookなど、世界を牽引する企業が集まっており、新しいものが次々と生まれている地域であると同時に、世界中の大企業からスタートアップまでの激しい競争の場であるとも感じています。また、それらを支える起業家や投資家やエンジニア等の人材も素晴らしい人が多く、毎日刺激を受けています。文字通り世界最高レベルの人材が揃っている中、同じレベルで仕事が出来るようにするのは並大抵の努力では実現できないと思っています。生活面とは異なり、仕事面は厳しいところだなと感じました。
自分の専門分野について
 私は新規事業開発の分野を専門としています。新しく一から作るというより、他社との提携や協業で新しいビジネスを作っています。こちらに来てからは、ベンチャー投資も手がけています。

その道に進むことになったきっかけ
 以前、BlackBerryという、カナダのResearch in Motion(現社名 Blackberry)が開発した端末を、日本の市場に導入するプロジェクトを手がけました。私の上司と私の2人から始まったプロジェクトだったのですが、悪戦苦闘しながら「どういうマーケットを作らなければならないのか」「どうドコモの社内に理解してもらうか」を話し合い、検討し、たくさんの人を説得し、最終的に何百億円という収入をドコモにもたらす結果となりました。それまでの仕事は、携帯電話を販売したり、お客様のニーズにあったソリューションを提案するなどの業務が多かったのですが、BlackBerryの導入では、お客様に新しい価値を提供することができ、皆様に大変喜んでご利用頂きました。その喜びが自分自身に刷り込まれていきました。苦しいこともありましたが、とても意義のある仕事ができたと思っています。そういったことを続けていきたいと思いました。

英語で仕事をするということ
 日本人が英語で仕事することは、今までは特殊なこととして考えられてきたところもありますが、これからはごく普通のこと、逆にできないと困るということになるという認識です。

英語で失敗したエピソード
 一番冷や汗をかいた出来事は、留学時に、グループに分かれて1人持ち時間3分でこれまでの経歴、今後やりたい事を話すことがあったのですが、30秒位で頭が真っ白になり、その後の2分30秒の記憶がありません。これから2年間を一緒に過ごさなければならないクラスメイトの「こいつ大丈夫か?」という目が辛かったですね。

あなたにとって仕事とは?
 生活の糧。これは変えられないですね。家族もあり、子供も2人いるので、生活をするためには仕事をしなければなりません。ただ、仕事というものを捉えた時に「なんでこんな仕事をしているんだろう」と思うことがあっても、自分自身が成長できる場だと考え、少し工夫をして変えていくことで、前向きに取り組めるようにする努力をしています。

いまの仕事に就いていなかったら
 いまでも北海道にいたと思います。そもそも東京に出るとも思わなかったですし、ましてや海外に来るとは思ってもいませんでした。大学でも英語を勉強していませんでした。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 だいたい7時30分に起き、毎朝子供を学校に送ってから出社しています。就寝時間は12時から2時くらいになりますね。日本とのやりとりも多く、会議が深夜に及ぶこともあります。

休日の過ごし方
 もっぱら子供と過ごしています。平日はあまり遊んであげられないので、忘れられないためにも(笑)。近所の公園にいったり、自転車に乗って遊んだりしてます。

好きな場所
 AT&T Parkです。特に夏のナイトゲームは、段々と陽が沈んでいき、空が茜色に染まって行くのが美しいです。同じ野球好きの友達と近況を話しながらの野球観戦はリラックスでき、自分も頑張ろうという気持ちになります。

1億円当たったとして、その使い道
 パーッと贅沢をして、残ったお金で時間をかけて親孝行します。

最近日本に戻って驚いたこと
 日本に帰った時に、遅くまで営業しているお店が多いことに今更ながら驚きました。

日本に持って行くお土産
 See’s Candiesのチョコレートです。日本にも店舗はありますが、日本では約3倍の値段のため、お土産として持って帰るととても喜ばれます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 自分用にはお酒(日本酒、焼酎)とおつまみです(笑)。子供用にお菓子を持って帰りますが、先日子供のお友達に名前入りのハンコをお土産に渡したらとても喜ばれました。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 高騰し続ける家賃ですね。そして習い事等を含めた教育費が高いです。

日本に郷愁を感じるとき
 風がないのに、きゅーっと空気が冷たい夜に札幌を思い出します。

お勧めの観光地
 ヨセミテとイエローストーン。ヨセミテは子供達も楽しめる簡単なハイキングコースがあったり、大人が5〜6時間かけてハイキングしたりと、どの年代でも楽しめるところがいいですね。イエローストーンは4つのエリアがあり、それぞれエリアによって変わるのですが、間欠泉がある場所や草原がある場所などは動物もたくさんいて、熊や鹿、バイソンを近くで見ることができ、自然豊かでお勧めです。

永住したい都市
 何歳になるかはわかりませんが、最後は札幌に住みたいです。

5年後の自分に期待すること
 5年後どこに居るかわかりませんが、試行錯誤しながら、泥臭く色々なものにチャレンジしていたいと思っています。

最も印象に残っている本
 天童荒太さんの『家族狩り』。様々な状況に置かれた家族が様々な問題に苦しみながら事件に巻き込まれてしまう話で、救いがほとんど無く読んでて辛くなるのですが、家族のあり方を強く考えさせられました。

最近読んだ本
 横山秀夫さんの『64(ロクヨン)』。横山秀夫さんは警察小説を書かせたらナンバーワンだと思います。600ページ超えの長い本ですが、途中、読んでしまうのが勿体無いと感じたほどでした。ラストはとにかくお見事の一言。ここ数年のベスト本です。

最も印象に残っている映画
 『仁義なき戦い 広島死闘篇』。大友勝利は最高です。正直何を喋ってるのかわからないことも多いですが、それがまた臨場感あります(笑)。ハリウッド映画とは一味違う素晴らしい映画なので、一度は見て欲しいです。

最近観た映画
 海外ドラマの『House of Cards』。特にSeason 1とSeason 2が好きです。個人的には『24』以来の衝撃でした。主人公は善人とは言えないですが、応援したくなるようなドラマです。

座右の銘は?
 「念じて水やれば花開く」。念じるだけでは花は開かず、正しい努力をしないと花は開きません。まず意志を持って、それに向かってどう努力をしていくかが大事だと思っています。

(BaySpo 2016/01/29号 掲載)

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