文化スポーツ編  Vol.47
中野 真太郎さん
宮崎県出身。宮崎日大高校、中央大学を経てセコムに入社。サンノぜ州立大学の柔道部監督に2010年から就任。2016年のリオオリンピックを最後に辞任。2014年サンノゼに中野柔道アカデミー設立。自己戦績は全国高校インターハイ60kg級2位。大学では2度インカレで3位入賞。社会人では全日本実業団で60kg級優勝。現役中、全日本強化選手に8年間選出された。
心から柔道を楽しむ
今年の夏までサンノゼ州立大学の柔道部監督を務め、教え子が2012年、2016年と2度のオリンピックに出場。2014年からはサンノゼに開いた自身の柔道アカデミーで幅広い年代を指導している、中野さんにベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
中野 真太郎さん

(Shintaro Nakano)BaySpo 1461号(2016/11/25)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 2010年にサンノゼ州立大学(SJSU)から柔道部監督のオファーを受けてサンノゼに来ました。それ以前は日本の大学を卒業後、実業団選手として日本の企業で6年間お世話になっていました。その後、数カ月間カナダのモントリオールでナショナルチームのコーチとしてお手伝いをしている最中にSJSUのオファーを受けました。

ベイエリアの印象
 国際色豊かで文化の幅がとても広く、さまざまな価値観があって、のびのび自分らしく生きられる場所だと思います。

自分の専門分野について
 柔道の指導者です。SJSUの監督時代、2012年に教え子がアメリカからは12年ぶり、SJSUからは24年ぶりにロンドン・オリンピック柔道競技でメダルを獲得しました。今年の2016年リオ・オリンピックでは2人の教え子がオリンピックに出場しました。現在はサンノゼに自分の柔道アカデミーを設立し、子供から大人まで幅広く柔道を教えています。今の目的は正統派の柔道を教えることと、もう一つは強さを追求する柔道。競技スポーツである以上勝つために努力するという空気を作りたいと思っています。

その道に進むことになったきっかけ
 従姉妹のほとんどが海外に出ていたこともあり、もともと海外志向が強かったのですが、好奇心でアメリカに来たような感じです。「さぁ、アメリカで自分に何を出来るか」と考えたとき、自分を試してみたかったということもあり、柔道を広めてみようと決めました。ですので、SJSUからオファーを貰ったのは非常に大きな縁でした。海外に出ている人は皆さん少なからず野心家なのではないでしょうか。自分の中で野心がなくなったらアメリカにはいないと思います。

英語で仕事をするということ
 不便だけど楽しいです。毎日自分の言った英語の反応を観察しています。

英語で失敗したエピソード
 それはもう数え切れません。ネイティブスピーカーではないので英語での失敗はあきらめていますね。ただ自分の思いや考えは、出来るだけ70%でも75%でも伝えようとは努力しています。

英語が100%ネイティブだったどんな仕事に?
 英語が100%じゃなくても自分にしかできないことを存分に発揮すれば他との違いを出せるんじゃないかと、いつも自分に言い聞かせています。

あなたにとって仕事とは?
 得意分野の究極で、伝えたいものです。趣味の延長といったら生徒たちには怒られるかもしれませんが、「柔道を通じて体を動かすことを楽しむ」という意味では、今たぶん自分自身それを体現出来ていると思います。SJSUの監督をしている時は、いかに勝つかを追及しながら、日々の練習で選手のコンディションとモチベーションを考えてトレーニングプランを立てていました。当時は生徒も私も常に大きなプレッシャーの中でやっていましたが、今は本当に柔道を楽しんでいます。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 警察官です。小さいころから柔道をしていたので、先生や周りの保護者なども警察官が多かったです。柔道をしている人が警察官になるケースは多いと思います。たまに制服のまま子どもの練習を見に来ている人もいました。

いまの仕事に就いていなかったら
 わかりません。柔道をしていなくても海外に出たいと思っていたと思います。

現在、住んでいる家
 サンノゼ日本町にある2ベッドルームのアパートです。

乗っている車
 Toyota Highlander

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 7時間から8時間程度です。寝るのが大好きです。

休日の過ごし方
 家族で出かけます。3歳の子どもと一緒にバカやって遊ぶことが至福のひとときです。

好きな場所
 近所の公園までの道のり。子供はペダルなしの自転車で、私はのんびり子供と会話しながら公園まで歩くのが楽しみの一つです。あとは「ターゲット」に行って、子供と特に目的もなく店内を徘徊しています。子供が「何これ?」といろいろ聞いてくるので、その興味の対象がいつもおもしろくてお気に入りです。

最もお気に入りのレストラン
 「すしまる」です。子供もお寿司が大好きで、住んでいる場所の近くにあるので徒歩ですぐ行けます。

よく利用する日本食レストラン
 サンノゼ日本町にある「KUBOTA」です。サンノゼ柔道部の会合は主にここで食事を楽しみながら行っていました。

1億円当たったとして、その使い道
 くじ運が全くないので、当たらないと思います(笑)。

日本に戻る頻度
 2年に1回ぐらいです。最近は何か帰る理由やきっかけがないと帰っていません。2年前に東京で柔道の国際大会があったとき、選手のコーチとして帰国したのが最後です。来年の夏にはアメリカの柔道選手を連れて、「JAPAN JUDO STUDY TOUR」を企画しています。東京を中心に、大学、クラブを含む計7カ所を訪問する予定です。その中に私の母校である中央大学も入っています。今から楽しみです。興味のある方がいたらご連絡ください!

最近日本に戻って驚いたこと
 東京には大学から合わせて10年住んでいましたが、最後に東京の街を歩いたとき、皆さんの歩く速度の速さに驚きました。たぶん僕は今あれほど早くは歩けないと思います。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 温泉の入浴剤。昔は洗眼剤なども買って帰ってきていましたが、たくさん買うと荷物が重くなってしまうのでやめました。

日本に郷愁を感じるとき
 夏の季節のセミの鳴き声、東京の町のクリスマスのイルミネーション、お正月の初詣を思うとき。

お勧めの観光地
 サウサリートのダウンタウンとその近くの海岸です。サンフランシスコから簡単に行けるのですが、雰囲気がとても落ち着いていて別の国に来たように感じる町です。町を歩くだけで心が落ち着きます。近くの海岸へは子供が生まれる前に妻と友達に紹介されて一度行きましたが、映画に出てくるような小道を歩いて、そこを抜ければ小さい海岸が見える場所があります。天気のいい日は本当に癒されると思います。

永住したい都市
 マウンテンビューかハワイです。ハワイは初めて行ったときから大好きで、今でもたまにハワイライフを想像しています。妻にはベイエリアの方が住みやすいし、子供の教育の面でここが一番良いと釘をさされていますね(笑)。もし住むのであればオアフ島のハワイカイかな。

5年後の自分に期待すること
 自分の今やりたいことがより明確な形になっていることを期待します。具体的には日本とアメリカの柔道を含めたスポーツの交換留学プログラム。例えばアメリカ人が日本へ柔道留学、日本人がアメリカへレスリング留学など、語学の取得目的も兼ねつつ、スポーツで繋がっていくのはおもしろいと思います。日米でのコネクションは多少持っているので、いかに今後時間をかけて具体化することが肝心です。あとはオンライン柔道レッスン。これはまだ計画段階です。

座右の銘
 初志貫徹。自分の直観を大事にして、これからも自分のペースでやっていきたいと思います。

(BaySpo 2016/11/25号 掲載)

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