一般編  Vol.229
マーフィ重松 ちなさん
北海道生まれ。パロアルト在住。中央大学哲学科卒業。CTI (Coaching Training Institute) でコーチング資格取得。米国CTI認定コーチ。個人、家族、職場の「幸せ」をテーマに、アメリカと日本でコーチングを行う。コミュニケーション能力と幸福度アップのセミナーの定期開催、夫スティーヴン・マーフィ重松とのコラボでマインドフルネスのセミナー、ワークショップも開く。趣味はアマチュアバンドでバイオリンを弾くこと。happier-mind.com
自分の心に正直に笑顔で生きるために
日本語教師からキャリアチェンジをしてコーチに。人生の転機や停滞期、家庭や職場での人間関係などの相談を受けるとともに、クライアントの成長と幸せをサポートするために自分の心を平安に保つよう努めているという、ちなさんにお話を伺いました。
マーフィ重松 ちなさん

(Cheena Murphy-Shigematsu)BaySpo 1482号(2017/04/21)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 ベイエリアには20代のころ住んでいた時期があるのですが、2002年に夫がスタンフォード大学に客員教授として来ることになり、家族でまた戻ってきました。1年だけの滞在予定がそのまま残ることになり、今年で15年目になります。

ベイエリアの印象
 人がおもしろいですね。色々な人種やバックグラウンドを持った人達が集まっていて、考え方も多種多様。一つの物差しでは計ることの出来ない幅の広い環境にいると、自分の考え方の狭さや、新しい視点を知ることができて、人間としての幅も広がる気がします。

自分の専門分野について
 「幸せ」をテーマにコーチングをしています。カウンセリングと似ていますが、心の病を扱うものではなく、人生をプラスに変えていくものです。クライアントさんは、自信をつけたい、人間関係を良くしたい、新しいことにチャレンジしたい、ビジネスを良くしたい、自分の殻を打ち破りたい、可能性を広げたいなど、とにかく現状を良くしたくてやってきます。自分が望む人生を生きるために「本当はどうありたいのか」という心の声を聴き、今何ができるかを対話しながら探っていきます。最初は「そんなことは無理」と諦めていたことが、「もしかしたできるかも」さらに「やってみようかな」と変化していきます。クライアントさんには死ぬ時に「ああ、自分の人生はいい人生だった。生き切った!」と思えるような人生を送って欲しいと願っています。でも、コーチングを知ってから一番変わったのは自分だと思います。

その道に進むことになったきっかけ
 大学卒業後は出版社で編集の仕事をしていました。コーチングに出会う前はこちらで日本語教師をしていました。以前から、もっと深いレベルで人と関わりたいという願いがずっとあって、セラピストの資格を取ろうと大学院のクラスをとったのですが、ゲストスピーカーの方々の話がすご過ぎて挫折。暴力、トラウマ、レイプ、ドラッグ、アルコール・・・自分の許容量を越えているので無理だと思っていたところに、コーチをされている日本人に偶然出会って話をきかせてもらい、私が求めていたものだとピンと来たんです。たまたまサンフランシスコの北に、アメリカで一番古くて大きなコーチングスクールがあり、そこに行き、先生方の素晴らしさに感動しました。年配の先生が多かったのですが、自然体で、それでいて芯がしっかりして、温かくて、優しくて、「こんな人達がいるんだ!」と衝撃的だったんです。私もこんな雰囲気を持つ人になりたいというのが大きな動機にもなりました。時間とお金をかけてキャリアチェンジをする不安はありましたが、やらなかったら絶対に後悔すると思い、スクールに通う決断をして、あとは一直線です。遅い出発でしたが、「いくつになっても遅くない。好きで挑戦していれば道は開けてくる」ということを示したいと思っています。

英語で仕事をするということ
 英語がネイティブじゃないので当たり前のことですが、発音が悪いとか、文法が間違っているかもしれないと思って消極的になってしまうような時は、「それがどうした! 英語は下手だが中国語は完璧だ」という態度で堂々としている中国人の友人を思い浮かべて、恥ずかしさを脱ぎ捨てます。

あなたにとって仕事とは?
 ライフワーク。自分を成長させるものであり、社会とのつながりです。人の成長をサポートし、幸せにする仕事ですから、自分の心が平安であるように努めています。

現在、住んでいる家
 パロアルトの一軒家です。アパートや貸家を探したのですが、大型犬がいたので貸してくれるところが見つからず、無理をして買いました。犬のために庭のある家を買うはめになったのですが、今は家が高騰して買えない値段になってしまいましたので、犬にはとても感謝しています。

乗っている車
 Acuraです。車は安全であればそれで良いタイプ。運転はあまり好きではないので、将来的には自動運転の車が欲しいです。早くもっと安くなって欲しいです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 だいたい12時ごろ寝て、7時頃起きます。

休日の過ごし方
 ほとんど家で仕事をしているので、休日とのメリハリがあまりないんです。自然の中を散策したり、美術館でアートに触れたりしたいなと思いますが、結構家でのんびりしていますね。

好きな場所
 ポイント・レイエス。春のガーデンが美しい「フィロリ」。ハーフムーンベイからサンタクルーズまでの海沿いの景色。

最もお気に入りのレストラン
 海の見えるレストランが好きなので、ハーフムーンベイの「Sam’s Chowder House」です。

よく利用する日本食レストラン
 和食は自分で作れるので、あまり外食では選びませんが、マウンテンビューの「波浪」にはたまに行きます。

1億円当たったとして、その使い道
 自然の中で自分を取り戻すワークショップをしたり、マインドフルネスのセミナーなどが出来る建物を作る資金にしたいです。

日本に戻る頻度
 今までは一年に1〜2回でしたが、母も歳を取ってきましたし、愛犬が最近2匹相次いで死んでしまい、犬の世話もなくなったので、これからはもっと頻繁に帰りたいです。できれば春と秋に。

日本に持って行くお土産
 ベーグル、オーガニックのハーブティーやチョコレートなど。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 本、文房具、お茶や和菓子、梅干し、佃煮などを渋谷で調達してきます。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 庶民感覚が麻痺している人が増えていること。

日本に郷愁を感じるとき
 晩秋から初冬、温泉に入りたいなぁ、と思う時です。

お勧めの観光地
 サンタバーバラ。
永住したい都市
 ベイエリアです。気候がよくて文化と自然があって、日本が近いし。日本食の他にも世界中の食材やレストランがあるのもいいですね。

最も印象に残っている本
 昨年夏に出版された夫の著書『スタンフォード大学マインドフルネス教室』です。企画の段階から私がコーチングしてきました。孤独な執筆作業をコーチとしてサポートできたので、とても思い出深い一冊です。

最近読んだ本
 『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル著)。大学生の時に読んで以来、何度も何度も読み返しています。ナチスの強制収容所で、いつガス室に送られるかわからない極限の状態に置かれたユダヤ人の心理学者が書いた本です。極限の状態で人間としての尊厳をどう保つのか。人間の生きる意味を追求した本です。
『人生がときめく片付けの魔法』(近藤 麻理恵 著)。この本を読んで、コーチングに似ていると思いました。コーチングは心の中を片付ける魔法です。不要な思い込みや、後悔の念、将来の心配を捨てると驚くほどスッキリして前に進めます。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 蝶。おいしい花の蜜を求めて飛んでいる蝶のように、心に響くものを求めてフラフラしているから。

座右の銘
 幸せはいつも自分の心が決める。人生意外となんとかなる。

(BaySpo 2017/04/21号 掲載)

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