ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年 2003年に学生結婚をして、留学をする夫についてバークレーにきました。今は、浄土真宗本願寺派職員兼バークレー仏教会住職の夫と3人の息子と共にバークレーに住んでいます。
ベイエリアの印象 学生時代の6年間を京都で過ごしたのですが、バークレー周辺は京都に似ていると感じました。自然が豊かで、精神性が高く、文化や教育に熱心ですごく住みやすいです。物価は高いですけど…。
自分の専門分野について ヨガティーチャー兼坊守(お寺の奥さん)をしています。学生時代には「生き方研究」をしていたこともあり、ヨガ哲学や仏教の「生き方」を学んだり関わったり出来ることにやりがいを感じています。
その道に進むことになったきっかけ アメリカにきた当初、英語が得意ではなかったですが体を使うことなら得意だったので、趣味でヨガを始めました。3人の男子の子育てに追われる日々でしたが、一番下の子供が小学校に入ったのをきっかけに一念発起して1カ月のヨガ修行に出て、趣味を仕事にすることにしました。
元々は、本が好きで龍谷大学の日本語日本文学科に入学しました。そのうち、人の生き方などに興味を持つようになり、心に不安を持つ子供達の助けになりたいと学校カウンセラーになることを目指しました。教員免許を取得し、もう一つの条件である臨床心理士資格を取るために、当時、臨床心理士資格第2種指定大学院になったところだった同大学院の教育学心理コースに第1期生として入学しました。色んな病院や障害児施設などで勉強させてもらいましたが、結果的には大学院修了と同時に結婚してアメリカに来てしまいました。夢半ばにやり残した感がすごくあったのですが、今またヨガティーチャーという仕事を通して、人々の「生き方」について考えることができる毎日を過ごせて幸せです。
龍谷大学をアピールしていますが、そうです、まわしものです(笑)。龍谷大学校友会北カリフォルニア支部の事務局長をしています。ベイエリアにお住まいの龍谷大学出身の方、ご連絡ください!
英語で仕事をするということ これまでのアメリカ生活の大半は、子供を通してアメリカ社会とつながっていたので、主に学校や病院でのコミュニケーションが中心でした。現在、仕事としてヨガのポーズや哲学を説明する必要に迫られて、自分の語彙能力のなさに失望しています。
英語で失敗したエピソード RとLの発音が本当に苦手なのに、ヨガのポーズはRIGHT AND LEFT(左右)やINHALE AND EXHALE(吸って吐いて)などRとLをふんだんに使うので困っています。以前は英語ネイティブである息子達に発音練習に付き合ってもらい笑われていました。最近ではむしろ慰めてくれるようになり一層悲しい思いをしています。
英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に? 心理学博士になりたかったです。
あなたにとって仕事とは? 社会との関わりであり、使命を果たすこと。
生まれて初めてなりたいと思った職業 看護師。主婦だった母が看護師の資格をもっており、急な出費の予定がはいるとパートに出て稼いで来るのをみて、自分も何か資格を利用して収入を得たいなと思っていました。
いまの仕事に就いていなかったら 日本に住んでいたら作家を目指していたと思います。
休日の過ごし方 土曜日は子供達の日本語補習校、日曜日はお寺のご法座があるので、丸々1日お休みというのはあまりないのですが、ゆっくりできるとしたら家の片付けなどしています。
愛用するデバイス、家電 ディッシュウォッシャー。アメリカに住んで10年以上もの間ディッシュウォッシャー付きの家に住んだことがなかったのですが、1月にディッシュウォッシャー付きの今の家に引っ越してから嬉しくて仕方がないです。
最近日本に戻って驚いたこと 自分より年下のジャニーズアイドルが、白髪染めのCMに出ていたこと。
自分はすっかりアメリカの住人だなと思う瞬間 日本に一時帰国した際に、すれ違う人にニコッと挨拶をして「は?」という顔をされた時や、前を歩く人にドアを目の前で閉められてびっくりした時。
永住したい都市 京都。
最も印象に残っている本 Viktor Emil Frankl著『夜と霧』。「生きる意味」、「人生の意味」など多くのことを考えさせられる一冊です。修士論文は実存分析について研究しました。この本に出会って臨床心理士資格取得のための実践研修よりも論文研究の方にハマってしまいました。私はむしろ、答えを出さすに考え続けたいのかもしれません。
最近読んだ本 立川武蔵著『はじめてのインド哲学』。ヴェーダと仏教などを時系列で学べる入門編ですが、さっぱりわかりませんでした。私には難解すぎました(笑)。
最も印象に残っている映画 『黄泉がえり』。命は有限だからこそ尊いものではあるが、一目だけでも故人に会いたいという思いは湧いてきてしまう。実際に故人が「黄泉」がえって目の前にあらわれたら、今の生活は…。「煩悩や執着」と割り切れない思いをうまく描いた作品だと思います。人々の「死」と向き合うのは大変な仕事だと思うので、月に何度もお葬式を勤めるお坊さん達(夫)はすごいなと尊敬します。
自分を動物にたとえると?なぜ? 狼の皮をかぶった羊。話し方の語尾がはっきりしているせいか、強い女性にみられがちなのですが、意外と「癒し系」なんですよ(笑)。今後、癒し系おばさんとして活躍していきたいです。
5年後の自分に期待すること 子供達のバイリンガル教育や夫の仏教伝道のサポート、そして多くの子供達の教育に関わることをしていたいですね。
座右の銘は? 「ありのままにひたむきに」。浄土真宗本願寺派大谷光淳御門主のお言葉です。人によく思われたいという見栄がどうしても邪魔をする私ですので、自分のありのままの姿を認めて、批判を恐れず素直に生きたいなと思う日々です。