ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
　1997年に富士通株式会社の駐在員として、Fujitsu Software Corporationに赴任し、初めてベイエリアにきました。その後、Amdahl Corporation, Fujitsu Softek Corporation, Fujitsu America, Inc.に勤務し、2009年に日本に帰任しました。2011年に転職をきっかけにベイエリアに再び戻ってきました。

ベイエリアの印象
　1997年に赴任した当時は、街全体がゆったりとしていて、渋滞も今ほどヘビーではなく住みやすい田舎という印象でした。現在は街全体がごみごみしていて、朝夕の渋滞もひどくなり以前に比べると住みにくくなってきました。

自分の専門分野について
　この30年、ソフトウェアビジネスに従事しています。最初は、UNIXのメインフレームへの移植、ソフトウェア開発環境の開発、その後ネットワーク管理ソフト、ストレージ管理ソフト、セキュリティ管理ソフトの販売を行ってきました。富士通に在籍していた当時も現在も、日本で開発されたソフトウェア製品を米国に売り込む仕事が中心です。日本の高品質のソフトウェアを米国に売り込むことに生きがいを感じています。現在は、FinalCode, Inc.というセキュリティの会社に勤務しています。弊社では、ハッキングされて流出してしまったファイルや、間違えて共有してしまったファイル、紛失してしまったPCやUSBストレージに保存されているファイルをリモートから消去できるソフトウェアを提供しています。

その道に進むことになったきっかけ
　大学での専門はバイオでしたが、当時はIT関連事業は急激に立ち上がり、リクルートに来た先輩から1〜2年でソフトウェア開発のスキルが身に付き、独立もできると甘い話を聞かされ、富士通に就職することに決めました。その後富士通社内で新規事業に携わり、1990年頃プロダクトの販売のため米国に来ました。その出張中、ダグラス・エンゲルバート（マウスの発明者）やマービン・ミンスキー（世界初のランダム結線型ニューラルネットワーク学習マシンSNARCを製作、AIの祖）、テッド・ネルソン（ハイパーテキストの概念の生みの親）と、今から考えるとすごい人たちに開発したソフトウェアをメンタリングして頂きました。この経験が、米国、特にシリコンバレーでのソフトウェア事業への従事に興味を抱かせました。

英語が100％ネイティブだったらどんな仕事に？
　コメディアン!　もし自由に英語が話せたら、怒涛のようなギャグをかましてドッカ〜ンとウケてみたいですね。

あなたにとって仕事とは？
　正直、3度のメシよりも好きです。好きなことをやらせて頂けるのも、関係者の皆さんに本当にいつも支えて頂いているおかげです。本当に感謝です。

現在、住んでいる家
　現在、サニーベールに住んでいます。ダウンタウンまで徒歩圏内で、運転を気にせず泥酔できます（笑）。土曜の朝はファーマーズマーケットがあり、いつも家内がオーガニック店で買ってきた野菜でスムージーを作ってくれます。

乗っている車
　トヨタプリウスに乗っています。もう10年落ちですが未だに燃費が良く、トヨタの技術に感謝です。

休日の過ごし方
　休日はセーリング、サーフィン、釣り、トレッキングをします。私が所属しているシリコンバレーセーリングクラブが所有している「Leglus」という船に乗せて頂いています。外洋レースへの参加の歴史もある52フィートもある大きな船で、月に2度出航しています。現在メンバー募集中なので、ご興味のある方は是非ご連絡ください。サーフィンは大学以来最も長い間やっている趣味で、ショートボードにもう30年も乗っています。釣りは、海釣り（サーモン、ヒラメ、カレイ、ロックフィッシュ）やレイクでの釣り（ブラックバス、ストライプバス、トラウト）によく出掛けます。トレッキングは、主にサンタクルーズマウンテンのトレッキングコースに行きます。驚くほどいろいろなコースが整備されています。週に1度、２時間程のコースを楽しんでいます。

好きな場所
　Sierra Vista Open Space Preserveは、雨季の間は山全体が青くなり一段と綺麗です。Boccardo Loop Trailからは、サウスサンノゼからサンフランシスコまで見渡すことができ、深呼吸ができる良いポイントです。

よく利用する日本食レストラン
　サニーベールの「Tanto Japanese Restaurant」は日本からの出張者にも、日本の居酒屋より美味しいと評判が良いです。オーナーのリュウちゃんには、もう20年近くお世話になっています。料理の探求心が強く、本当に美味しいです。もう1つ、サンマテオの中華料理屋さん「遊楽」です。美味しい料理とオーナーファミリーの暖かい雰囲気がお勧めです。

１億円当たったとして、その使い道
　面白そうなアーリーステージのスタートアップに投資したいです。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
　伊藤園の粉茶とコレステロールを下げるマヨネーズです。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
　美味しい新鮮な魚が手に入らないことです。あとは病院でしょうか。普段は岩橋先生にお世話になっていますが、現地の専門医に診てもらわないといけない時は専門用語が多用されて全く理解できず不便を感じます。

現在のベイエリア生活で不安に感じるとき
　家賃変更通知を受け取る時です。家賃・物価とともに自分のバリューも上げて行かないと、どんどんこの町から弾き出されていくんですよね。

日本に郷愁を感じるとき
　故郷の様子をテレビ等で見る時です。特に私が学生時代を過ごした町でもあり、家内の実家がある広島県福山市鞆の浦の様子を見ると、帰りたくなります。穏やかで、落ち着いていて、人がやさしく、魚がとても美味しく、非常に良い町です。鞆の浦は、2015年1月期にTBSで放送されたテレビドラマ『流星ワゴン』の舞台だったのですが、風景もさることながらキャラクター描写が本当に鞆の浦に居そうな人が描かれていて、食い入るように見ていました。

お勧めの観光地
　断トツでイエローストーンです。雄大でさまざまな動物に出会うことができ、人生の中で1番自然を感じた場所です。公園の中央にあるイエローストーンレイクでのフライフィッシングも格別で、良いカタのトラウトが釣れます。大草原での乗馬もおすすめです。

最も印象に残っている本
　本ではありませんが、ネットで日系移民の歴史を読みました。442部隊をはじめ、多くの諸先輩方が身を賭して日系人への信頼獲得のため努力をしてきた歴史です。私たちが当地でビジネスをさせて頂けるのは、日系人の諸先輩方のお蔭であることを忘れてはならないと思いました。

座右の銘は？
　好きこそものの上手なれ。