一般編  Vol.280
新井 寿枝さん
上州生まれ、上州育ち。インディアナ州の大学を卒業後は、東京で大規模な半導体の国際見本市の企業でマーケティングに従事する。渡米後、全米展開するガーデニングのリテール企業のHQで日本市場を担当し、ヒット商品を生み出す。その後、法律関連の企業を経て、現在IT企業に務める。現在は音楽部門を担当。子供3人。
誰かの瞳の中に生きたい
インディアナ州の大学を卒業後は、東京で大規模な半導体の国際見本市の企業でマーケティングに従事。渡米後は、全米展開するガーデニングのリテール企業のHQで日本市場を担当し、法律関連の企業を経て、現在IT企業に務める。毎日充実した日々を過ごす新井さんにベイエリアの暮らしぶりを聞きました。
新井 寿枝さん

(Hisae Arai)BaySpo 1572号(2019/01/11)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 学生でインディアナ州の大学に在籍していましたが、2年分の単位は在籍大学からでなければ卒業の認可はもらえませんでしたが、どこの大学からでも単位を移行できたのでサンフランシスコの大学で夏期の授業を受けたりしたのが最初です。その後1991年冬に転勤で南カリフォルニアへ引越しのはずが、勤務先の手違いでなぜかサンフランシスコ・ベイエリアとなりました。それからはずっと住んでいます。

ベイエリアの印象
 気候がとてもマイルドで過ごしやすく、大都会でもなく海も山も楽しめる快適なところだと思います。

自分の専門分野について
 専門とは言えませんが、今はIT企業でデータアナリストをしています。グローバルな部門で上司や同僚が全員異なった国の出身なのでいろいろと楽しめます。

その道に進むことになったきっかけ
 以前、言語関連でIT企業でのシステムアナリストの経験があったのでリクルーターからお声がかかったのだと思います。

英語で仕事をするということ
 毎日学ぶことがあり、楽しいです。

英語で失敗したエピソード
 英語というよりも文化の違いでエピソードがあります。大学でインディアナに到着した夜に「英語はあまりできないのでよろしく」の様なことを言ったら、英語のできない子扱いでちょっと大変だったので、もう2度とそのような台詞は言うまいと自分に誓いました。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 ネイティブだったらというのは常に思っています。どんな仕事に就いているのでしょう。想像したら膨らみすぎてお答えできません。

あなたにとって仕事とは?
 毎日行くところがあることは幸せだと思っています。自宅でリモートの仕事もしたことがありましたが、すぐ相談できる仲間がいるのは大事だと思います。今はスエーデン語で「Fika」と言うブレイクタイムを仕事仲間で毎日楽しんでいます。これはスエーデンの重要な文化だそうです。また、「世界を変える」仕事の一助となっていることは誇りに思っています。
生まれて初めてなりたいと思った職業
 小学生の頃は歌のお姉さんになりたいと思っていました。

いまの仕事に就いていなかったら
 ベイエリアはIT関連企業が多い所なので、やはり今と変わらないような仕事をしていると思います。

現在、住んでいる家
 マリン郡の丘の中腹に住んでいます。鹿やウサギによく遭遇するエリアです。知らなくて鹿の好物であるチューリップの球根を家の前庭に植えて芽が出た途端に食べられたこともあります。

乗っている車
 いろいろ乗りましたが今はトヨタのカローラとプリウスです。通勤は会社のバスなので近所のバス停に行くだけです。将来は息子がベンツかレクサスを買ってくれるというので今から楽しみにしています。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 朝は4時に目覚ましをかけて、2度のスヌーズを経て、5時のバスで出社しています。バスの中でも仕事をするので就寝時間は9時を目指していますが、遅くなってしまうことが多いです。

休日の過ごし方
 仕事もありますが、午前中は大抵ジムに行きます。ズンバやUジャムしか参加していないので機械は触りません。午後は溜まった家事です。あとはベリーダンスチームに所属しているのでパフォーマンスのある週末もあります。掃除は大変優秀なルンバにお願いしています。

好きな場所
 自宅のホームオフィスの自分のデスクです。

最もお気に入りのレストラン
 「Arun」というタイレストランです。ここのグリーンパパイヤのサラダが大好きです。自分で調理できるものにお金をかけたいと思えないのもあります。

よく利用する日本食レストラン
 最近オーナーが変わった「Masa」や友人が務めている「Taki」、近所の「Sushi Holic」でしょうか。

1億円当たったとして、その使い道
 もう1億円足して職場の近所に家を買いたいです。それでも足りないかもしれませんが。

日本に戻る頻度
 ここ数年は頻度が高いです。今年は2度一時帰国をしました。

最近日本に戻って驚いたこと
 いまだに紙、印鑑、収入印紙なのでちょっとびっくりしました。

日本に持って行くお土産
 サンフランシスコといえばギラデリですが、ゴディバの方が喜ばれます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 地元のソウルフードである焼きまんじゅうです。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 通勤時の渋滞です。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 異常なほど価格が高騰している不動産です。また山火事も懸念しています。2017年の山火事ではアラートが届いたのですぐ避難できる様に準備をしておきました。

日本に郷愁を感じるとき
 日本の温泉紹介番組やグルメ番組を見ると行ってみたくなりますが、部屋にちょっとした和の空間を作っており、たまにそれを眺めてうっとりしたりします。

お勧めの観光地
 モントレー水族館のイワシの大群やクラゲの展示はお勧めです。そしてやはり美しいゴールデン・ゲート・ブリッジ 。

永住したい都市
 今いるマリン郡です。

5年後の自分に期待すること
 5年後に限らず誰かに必要とされていたいです。誰かの瞳の中に生きると人は輝くので。また、ベリーダンスを習っていますので、少しでも上達すればと思っていますし、もちろん仕事でももっと充実できればと思っています。

最も印象に残っている本
 大学生の時ですがフョードル・ドストエフスキー著の『罪と罰』を夢中で読みました。残念なことに細部は覚えておりません。

最も印象に残っている映画
 『グレイテスト・ショーマン』でしょうか。たとえ悪役でも人が死ぬ映画は楽しくないのでこういったミュージカル系は好きです。特に劇中歌の『ディス・イズ・ミー』が印象的でした。

最近観た映画
 つい最近、スクリーンXで『ボヘミアン・ラプソディ』を観ました。イギリスの伝説のロックバンドであるクィーンのストーリーですが、鑑賞後、ウィキペディアでフレディー・マーキュリーについて調べたり、ユーチューブでおさらいしたりしました。単なるサクセスストーリーではなく、今では当たり前となっている観客一体で盛り上がるコンサートを確立したり、生涯の友人メリーの存在、苦悩など、一つひとつの場面が蘇ります。

座右の銘は?
 「一期一会」。今日は2度と来ませんし、最初の勤務先の上司・同僚とも日本でお会いしたり、遊びに来ていただいたり交流が続いています。それから幼稚園と中学校が一緒だった同級生とも親しくさせていただいています。また、大学時代の友人、そのご家族といったさまざまな人に出会い、大変よくしていただきました。その方々に出会わなければとても大変だったと思います。クリスマスも感謝祭も自分たちの娘の様に接してくださり、卒業式にはご自分のお子様はまだ在校生であったのにも関わらず、駆けつけてくださりお祝いもしていただきました。しばらく連絡を取っていなかった時期もありましたが、ここ数年はフェイスブックで再会し、コンタクトを取っています。

(BaySpo 2019/01/11号 掲載)

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