一般編  Vol.288
小田 麻希さん
1977年生まれ。神奈川県出身。NY州立大学で舞台美術を専攻。フリーでオペラやミュージカルの模型製作、アシスタントを経てAnthropologieにディスプレイ・アーティストとして入社。現在はAnthropologie&Co Walnut Creek店内にある姉妹ブランド「Terrain」でテラリウムや苔玉などを製作・販売しながら個人の作品創りに励んでいる。バークレー在住。
ものづくりのプロセスと達成感が原動力に
ニューヨークでオペラやブロードウェイミュージカルなど、舞台装置・美術の仕事を経て、10年前にベイエリアに移住。現在はアンソロポロジーの姉妹ブランド「Terrain」のDesigned by Terrain Artisanとして活躍。自身の作品創りにも励む小田さんにベイエリアでの暮らしぶりについて伺いました。
小田 麻希さん

(Asaki Oda)BaySpo 1587号(2019/04/26)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 夫の仕事のため、ニューヨークから引っ越してきました。今年で10年目になると思います。渡米したのは父の転勤で高校生の時、1995年です。

ベイエリアの印象
 このところ雨が続いていますが、平均的にはいつも天気がいいし、ちょっとドライブすれば大自然に囲まれることもできるのが素晴らしいです。ローカルで新鮮な食材も簡単に手に入るし、美味しいレストランも多々あるのがいいですね。

自分の専門分野について
 ニューヨークにいた時は舞台装置・美術の仕事に関わっていました。細かい手作業が得意なので、オペラ、ブロードウェイミュージカル等の模型製作を担当させてもらうことが多かったです。その合間にフリーランスでファッションブランドのウィンドウディスプレイの仕事を始めました。ベイエリアに引っ越してきて、Anthropologie(アンソロポロジー)に入社し、Danville店、マリンにあるCorte Madera店でウィンドウ・店内のディスプレイデザイン・製作を担当しました。その間アンソロポロジー本社で様々なディスプレイのプロトタイプ製作にも参加させてもらいました。現在はWalnut Creekにある「Anthropologie &Co」内の姉妹ブランドTerrainにて、植物を使った商品、テラリウムや苔玉を製作・販売しつつ、自分の作品創りに励んでいます。

その道に進むことになったきっかけ
 小さい頃から絵を描いたり工作するのが好きでした。祖父、母もアート系のお仕事をしていたので影響を受けていたとは思います。大学は空間デザインを学びたいと思い舞台装置・美術が学べるニューヨーク州立大学を選びました。卒業後はフリーで色々やりましたが、必ずクリエイティブな仕事を選ぶよう心掛けて今に至っています。

英語で仕事をするということ
 カンフェレンスコールやプレゼンの際に緊張のためか、たどたどしい英語になってしまうことが多々あります。もうかなり慣れましたが、やっぱり大勢の前で英語を話すのは苦手かもしれません。言葉が下手な分、作品が色々物語ってくれてる様に造ろうと努めています。

英語で失敗したエピソード
 色々ありすぎますが、一番記憶に残ってる失敗は渡米したての頃です。ドライビングテストで試験官に「take the right at the next light」と言われてRIGHTとLIGTHが聞き取れずあたふたしてしまい、結局落ちてしまいました。かなり落ち込んだ記憶があります。

あなたにとって仕事とは?
 毎日の刺激になっています。何かを作っていく間に起こる失敗やチャレンジ、ハッピーアクシデント、問題解決のプロセスが好きです。ゼロから始めて、それが色々なプロセスを通して形になった時の達成感が次の作品への原動力にもつながります。

現在、住んでいる家
 バークレーによくある3BRのカリフォルニアバンガローの家に住んでいます。元々の持ち主が日本人だったみたいで、庭中に松、紅葉、椿が植えられています。バークレーで評判のスーパーマーケット、バークレーボールが近いし、BARTやダウンタウンにも徒歩で行けるので便利です。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 8時間を目指してます。アンソロポロジーでディスプレイを担当していた時は毎朝4時半起きでしたが、今は6時半くらいです。

休日の過ごし方
 夫婦でクライミングが大好きなので、週に1日は必ず一緒に登りに行きます。Touchstoneというクライミングジムチェーンのメンバーになっていて、ベイエリア中にジムがあるので便利です。天気が良ければトレッキングや外岩登りに出かけます。家にいる時は、お友達とボードゲームすることも多いです。うちにはきっと50種類以上のボードゲームがあると思います。お散歩好きなメインクーン猫を飼っていて、庭で一緒に過ごすのも休日の楽しみです。

好きな場所
 バークレーヒルズにあるインディアンロック。ボルダリングも出来るし、サンフランシスコベイが見渡せる景色も最高なのでよく行きます。

最もお気に入りのレストラン
 Riva Cucina。サウスウェストバークレーにあるイタリアンレストランです。パスタも美味しいし、メインディッシュも日々変わるのでいつ行っても飽きないです。そしてここのパンナコッタは最高です。

よく利用する日本食レストラン
 バークレーにあるKiraku。オープン当時から大好きでよく行きます。ちなみにお店の壁のディスプレイをやらせていただきました。

日本に持って行くお土産
 いつもカリフォルニアワインを持って帰ります。あとはバークレーボールブランドのピーナッツバター。糖分が殆ど無いピュアなピーナッツテーストで、ピーナッツの塊がいっぱい入っているのは日本ではあまり見かけないと両親に頼まれます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 アマノフーズのフリーズドライお味噌汁。茄子のお味噌汁が一番のお気に入りです。そしてキットカットのわさび味はアメリカ人のお友達に人気なのでいつもお土産にしています。

お勧めの観光地
 定番になってしまいますがヨセミテ国立公園。暖かい時期も良いですが、雪の残った春先のハイキングも最高でした。始めは寒いし、至る所で雪解け水が流れているので靴もびしょ濡れになってしまいますが、夏秋とはまた違う神秘的な雰囲気です。近くのヘチヘチダムのハイキングコースもおススメです。

永住したい都市
 2年前に訪れたヴァージンゴルダ。小さな島で行くのも大変だし病院もないので永住は無理だと思いますが(笑)バークレイはとても過ごし易い町なので永住してもいいかなあとは思います。
自分を動物にたとえると?
 仕事で高いハシゴの上で作業したり、クライミング好きなのでリス‥ですかね?

5年後の自分に期待すること
 健康でいること、そして自分の作品中心のブランドを立ち上げていたいです。

最も印象に残っている本
 写真本ですが、アレクサンダー・マックイーンの展覧会がニューヨーク・メトロポリタン美術館で開催された時に作られた本『Savage Beauty』。刺激になるので自分の作業机の脇にいつも置いてあります。

最近読んだ本
 村上春樹さんの『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』。不思議な世界が好きで何回か読んでます。

最も印象に残っている映画
 ケイトブランシェット主演の『Elizabeth』。職業柄かセットや衣装が凝っている時代ものが好きで、この映画はインスピレーションのために何回も観ています。

最近観た映画
 『Free Solo』。ロープなしでヨセミテのEl Capitanに挑戦するアレックス・オノルドを描いたドキュメンタリー映画です。今年のアカデミー賞のドキュメンタリー部門受賞もしています。

座右の銘は?
 考えたことないですが、グラフィックデザイナー・画家であった祖父の本のタイトル「余白余分」という言葉が心に残っています。

(BaySpo 2019/04/26号 掲載)

▲Topに戻る

有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers
Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
2695 Moorpark Ave, Ste 101, San Jose, CA, 95128
http://www.arisawaagency.com

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.