一般編  Vol.316
サニー テンさん
1984年ミネアポリス生まれ。幼少期を、台湾、香港、東京で過ごした後に渡米。大学中退後、デザイン会社を起業、売却。のち、数社起業を経て、AnyPerk(現Fond)を起業。13年福利厚生代行サービスを開始。16年リワードサービスを開始。17年社名をFondに変更。
仕事を通じて社会をより良く、家族と友人を幸せにしたい
アメリカで生まれたのち、東京を含むアジア圏、ベイエリア、東京と様々な都市バックグラウンドを持つサニーさん。複数の会社を起業、売却を経て現在はサンフランシスコで会社を運営する彼に、ベイエリアでの暮らしについて伺いました。
サニー テンさん

(Sunny Tsang)BaySpo 1624号(2020/01/10)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 ぼくは中華系の両親のもとで、アメリカのミネアポリスで生まれ、その後は両親の仕事の都合で幼少期から中学校までを台湾、香港、東京と数カ所で過ごしました。ベイエリアには2002年、高校生の時、両親にすすめられ英語力の向上のために、ベイエリアに弟とふたりで引っ越してきました。パロアルト、マウテンンビューに住み、一度東京に戻ったのち、2013年からサンフランシスコで生活しています。

ベイエリアの印象
 勢いのある企業も揃う都市に、世界有数の天候の良さ。その上に、山と海に囲まれている素晴らしいバランスの取れた土地だと思います。

自分の専門分野について
 現在、ファウンダー兼チーフデザイナーという立場でFond(旧AnyPerk)という会社を創業、経営しています。以前は、大学在学中に鑑賞用やゲーム用のトレーディングカードを日本から中華圏に卸す会社を立ち上げ、大学を中退した後は、デザインを軸としたコンサルティング会社を東京と中国で創業、会社が安定したところで売却。ベイエリアに戻ってから、今とは別のスタートアップを立ち上げました。その会社を離れたあと、2013年から現在にかけて、友人と創業したFond(旧AnyPerk)というリワードと福利厚生代行サービスを提供する会社を経営しています。

その道に進むことになったきっかけ
 ぼくの父親が自身で事業を行っていることもあり、生まれて初めて知った職種が「起業家」でした。特にコレと分野は決まっていなかったものの、小さい頃から自分で会社を起こすんだなと思っていましたし、実際、就職することなくいくつかの会社を立ち上げて今に至っています。デザイナーとしては、もともと小さい頃からモノづくりに興味があったというのと、事業に立ち上げるにあたっても、デザインやその思考法が社内、社外のコミュニケーションの役に立つというのを自身で事業をやっている諸先輩から聞いていたので、学生の頃からずっと自分で勉強するようにしていました。

英語で仕事をするということ(英語を使うということ)
 チャレンジです。幸い、高校生のときに、こちらで生まれ育ったネイティブの友人が沢山できたので、日常会話程度の英語力はすぐに身につきました。現在は、自分が小さい頃からこちらで育っていないこともあり、文化的な面での自分の理解が足りないと感じることもありますが、そんな時は臆することなく分からないことは聞き返すように心がけています。

英語で失敗したエピソード
 先程話したように、細かいニュアンスを読み取れなかったりすることはよくあります。失敗したエピソードは多々しれず、この場でお話ししきれません(苦笑)。

あなたにとって仕事とは?
 かっこいいことを言うと、社会に対してのぼくの役割だと感じると同時に、自分自身では趣味の延長線上に「仕事」があると思っています。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がきらいで、仕事を楽しめない人はかわいそうだなと。もちろん、仕事は趣味のひとつで、仕事を趣味としたときに、他の趣味との境界線がとてもあいまいで、一日の中で自身がやることのほとんどは、仕事に結びついていると考えているんです。突拍子もない考えに思われるかもしれませんが、ぼくにとって仕事は、お金をもらって社会にどれだけ貢献できるかをマイルストーン/ゴールとしたゲームを本気でやっているというイメージに近いです。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 小さい頃から自分で会社を起こすのだなと確信してました。先程の質問でもお答えしましたが、父親が自身で会社を立ち上げていた、周りにも自身で経営する人、もしくは会社を継ぐような友人が多く、事業を起こすことに対して、抵抗はありませんでした。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 寝るのは夜中1時を過ぎてから。起床は7時半。自分では十分に睡眠をとっていると思うのですが、学生の時と変わらず今も仕事中に睡魔に襲われます。

休日の過ごし方
 仕事をしていることも多いのですが、妻のHanaとギャラリーや美術館を回って、アート作品の収集を楽しんでいます。まとまった休みが取れるときは、国内外問わずギャラリーに飛んで作品を観に行くことにしています。週末は友人と自宅で集まって、食事にお酒と、仕事の話をしたり、ワイワイ騒いでいることが多いです。

よく利用する日本食レストラン
 サンフランシスコ市内にあるRokuはよく友人やら、会社のスタッフと利用しています。仕事のあとの友人との時間、一杯は格別ですね。特別なときには、これもサンフランシスコ市内にある鮨屋のSasakiを利用しています。オーナのMasaさんが握る、ここでは珍しい赤酢をつかった鮨は、日本で食べる鮨に負けていません。

日本に戻る頻度
 年に数度、東京に住む両親と友人に会いに行っています。もう少し頻度が増やせたら嬉しいですね。
日本に持って行くお土産
 友人、家族から歯磨き粉をお願いされることがあります。日本の歯磨き粉よりも歯が白くなるそうで、ぼく自身も、もともと日本から歯磨き粉を持ってきて使っていたのですが、自分もアメリカの歯磨きを使うようになりました。心なしか、前よりも歯が白くなっている気がします。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 ダシ、調味料、料理周りの便利グッズをトランクに詰めれるだけ詰めて持ってきています。詰め過ぎるせいで預けている間に耐えきれず、すでに数度トランクが壊れました。

日本に郷愁を感じるとき
 年末年始は日本に想いを馳せますね。特にこちらでは新年のイベントごとが少なく、参拝やお節とイベント事がある東京にいれたらなと感じます。あと、寒い時期になると温泉や温かい食べ物が恋しくなります。

お勧めの観光地
 最近行った国でおすすめしたいのが、イタリアです。ギャラリー巡りと友人を訪ねに去年イタリアの北部から南部へと妻と二人で周ったのですが、それぞれの場所で、遺跡、教会、美術品、芸術品から土地の歴史が垣間見れます。

永住したい都市
 しばらくは、サンフランシスコにいるつもりでいますが、機会があったら自分のルーツでもある幼少期に時間を過ごした台湾、香港にも中期、長期的に住んでみたいです。

5年後の自分に期待すること
 家族、周りの友人をよりシアワセに、いまやっている事業でより社会がよく、起業家としては、自分より若い人に自身の背中をみせて影響を与え、彼らがその背中を越えていってくれれば嬉しいです。

最も印象に残っている映画
 最近観た映画からひとつあげると、『Uncut Gems』。有名な宝石商が彼の顧客やガールフレンドから商品を盗まれてしまうことで、借金を抱えてしまった彼は、返済のためにあらゆる面で危険な行為に手を染め出してしまうところから始まります。オススメです。

座右の銘は?
 「幸福は、分かち合うようにつくられている」
 母親がぼくが小さい頃からいつも言っていたのですが、自身で幸せを充分に味わうためには、喜びや幸福を人と分かち合ってこそなのだなと。大抵の場合、分かち合った幸せは減ることなく、増えるものだよと。まずは、その幸福を生むためにも自身自身の成長を怠ることなく頑張れればと思います。

(BaySpo 2020/01/10号 掲載)

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