一般編  Vol.321
二村 桜子さん
2015年から心理学とスピリチュアリティを融合させたヒプノセラピーとライフコーチングを行なっている。サンフランシスコ州立大学で心理学を専攻、米ソフィア大学(ITP:Institute of Transpersonal Psychology)でトランスパーソナル修士号を取得。マインドフルネス、スピリチュアルヒプノセラピー、サイコシンセシス、ドリームワーク、前世療法などを使ったアプローチで、心の癒しや気づきにフォーカスした個人セッションやワークショップをしている。
日常的に心のゆとりを持つ大切さ
サンフランシスコ州立大学にて心理学を専攻後、日本での就職を経て再びアメリカ、ベイエリアに戻ってきたという二村さん。「ダイバーシティがあって自由」というサンフランシスコにて現在はヒプノセラピスト、ライフコーチとして活動する彼女に、ベイエリアでの生活について伺いました。
二村 桜子さん

(Sakura Nimura )BaySpo 1630号(2020/02/21)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 最初の渡米は1996年に大学進学のために来ました。サンフランシスコの大学を卒業した後は日本に帰国しましたが、2010年に再び渡米することになり、ノースキャロライナにしばらく住んだ後、数年前に再びベイエリアに戻ってくることになりました。

ベイエリアの印象
 ダイバーシティがあって活気があり、自由な発想で新しいことを試し、夢を追いかけることに熱心な人たちが多く集まる場所という感じ。ご飯が美味しくて自然が豊かなところがいいですよね。

自分の専門分野について
 大学院でトランスパーソナル心理学を学び、現在はヒプノセラピスト&ライフコーチとして活動しています。

その道に進むことになったきっかけ
 子供の頃から心理学やスピリチュアルなことに興味があり、その両方を使った仕事に就きたいと漠然と思っていました。当時はそれが一体どんな職業なのか想像もつかず(笑)。とりあえず心理学の本場アメリカで勉強しようと10代の頃に留学しました。大学の研究所に所属したりインターンシップをしたりと、心理学での道を模索していましたが、当時はなぜか自分にしっくりくる目標が見つからず、卒業後は日本に帰国して企業に勤めました。でもずっと、もっと心理関係の勉強がしたい、心を癒す仕事に就きたいという気持ちがあり、30代なりアメリカに戻ってくることになった際に大学院に入りました。正統派の心理学とはちょっと違ったプログラムで、当時はまだ新しかったライフコーチングやマインドフルネス、スピリチュアルな視点も含めた心のケアに取り組む手法を学び、自分がしたかったことはこういうことだったのかと腑に落ちた体験でした。日本で働いていたときに、同僚や友人たちが人間関係や仕事、家族関係などのさまざまなストレスを抱えている現状に触れて、メンタルヘルスの大切さを改めて感じました。自分も含めて、日常的に心のゆとりを持つことってなかなか簡単ではありませんが、そのことを実践しながら伝えていける人になっていきたいと思っています。

英語で仕事をするということ
 アメリカで育っていない自分には、語学の壁はなかなか手強いです。でも、ベイエリアはアメリカの他の地域と比べるとダイバーシティがあり、アクセントの強い英語を話す人やノンネイティブが多いのがいいところ。英語のことで落ち込みそうになると、自分の英語もそれが自分の個性なのだと、前向きに捉えるようにしています。また、日本人同士では「言わなくてもわかるでしょう」と言うノンバーバルな意思疎通があったりしますが、英語は言わなければ伝わらない文化。ちょっとした言葉の選び方で間違って伝わるという経験をこれまで度々していますので、今はできるだけ丁寧に、しつこいと思われているかもしれないけど、言葉を選んで正しく伝わるように気をつけています。

英語で失敗したエピソード
 山ほどあって書ききれませんが、10代の頃に最初に渡米した頃は『water』がなかなか通じず、レストランではいつもアイスティーを注文していたのを覚えています。現在もRの発音が苦手で、クライアントさんとのセッション中に『relax』などのRとLが入ったワードを言うときにヒヤヒヤしている自分がいます。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 今と同じ分野で仕事をしていると思いますが、もっと幅広く活動できているかもしれなと思います。心のケアについて英語でクリエイティブな記事やブログを書いたりしているかも。

あなたにとって仕事とは?
 自分を磨いてゆく手段。自分が面白いと思えることをしながら、誰かの役に立つことができることが自分にとっての理想の仕事です。

現在、住んでいる家
 サンフランシスコのマリーナ地区にパートナーと一緒に住んでいます。

乗っている車
 日産のキューブ。自分はとても気に入っているのですが、ハイウェイを運転しているとガンガン抜かれます。

休日の過ごし方
 ゆとりのある日はサンフランシスコを北上して愛犬とミュラーウッズやボッデガベイ付近でハイキングします。ファーマーズマーケットで買ってきた食材を使って料理してのんびり過ごしたり、友人と食事をしたりなどして過ごすことも多いです。家事や用事を済ませることだけでいっぱいいっぱいなこともありますが。

好きな場所
 自然の中が好きなので、リラックスしたいときは自宅から歩いていけるプレシディオの森やCrissy Fieldのビーチに行きます。ちょっとドライブして行く場所はビッグサーの海岸線。もっと遠出すると、アリゾナのセドナが好きです。

最もお気に入りのレストラン
 サンフランシスコのGreens RestaurantとバークレーのChez Panisse。

よく利用する日本食レストラン
 サウサリートのSushiranとサンフランシスコのMamanoko、Hinodeya Ramenも行きます。

最近日本に戻って驚いたこと
 物価の安さ。特にレストランでのお食事やお野菜の値段などをベイエリアと比較してびっくりします。

日本に持って行くお土産
 日本でも手に入ると知ってはいますが、ブルーボトルコーヒーの豆やダンデライオンチョコレート、オーガニック製品のサニタイザーや石鹸など。「これ日本でも買えるよ」って言われることもありますが、「自分が好きだから買ってきたの」という感じです。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 基礎化粧品や日焼け止め、栗のお菓子、お気に入りの緑茶など。

日本に郷愁を感じるとき
 きめ細かさや、わびさび的な五感の体験を恋しくなる時があります。あとは両親や妹と友人たちともっと時間を過ごしたいなぁと思う時にちょっとホームシックになることがあります。

お勧めの観光地
 メキシコのSan Miguel de Allende が好きで、何度か訪ねています。アートと食、ホリスティックヘルスに興味がある方におすすめです。

永住したい都市
 アメリカだとやはりベイエリア。ミルバレーがゆったりしていていいかなと思います。日本だと、私は九州出身なので福岡市に住めるといいなと思います。九州の人の温かさや、のんびりとした時間のペース、美味しいものがたくさんあるところ、そしてほどよいサイズの都会感など、快適に余生を過ごせそうな気がします。

最も印象に残っている本
 マイケル・ニュートンの『Journey of Souls』と『Destiny of Souls』です。現在の仕事に就くきっかけとなりました。人生の意味や、死んだら人はどうなる?といったことを考えるのが好きなので、アニータ・ムジャーニの 『Dying to be Me』も大切な本です。宮本輝さんの『ドナウの旅人』と江國香織さんの『流しのしたの骨』は時々読み返したくなる本です。

最近読んだ本
 Ted Chiangの『Exhalation』。映画Arrivalが好きで、原作者のTed Chiangの本にはまりました。

最近観た映画
 Netflixの『Marriage Story』がとてもよかったです。

座右の銘は?
「感謝のこころ」
 健康でいられることや、ベイエリアのような刺激的で豊かな場所に住めていること、好きなことをとことん追求できる環境、暖かい家族や仲間のありがたさなど、慣れるとすぐに忘れてしまいそうなことだけど、とても特別なことだと思っているので、そのことについての感謝を忘れない自分でいたいです。

(BaySpo 2020/02/21号 掲載)

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