一般編  Vol.325
増岡 亜記さん
1980年4月生まれ。徳島県出身。1998年に上京し、美容師に。美容業務の他、銀座で髪結師の経験を経て結婚、出産、2012年にサンフランシスコへ移住。2017年に離婚し、当時8歳の息子を持つシングルマザーになったのをきっかけに自分で美容室Hare Hair salonをオープン。内装はシャンプー台以外ほぼ全てを自身で手がけている。義弟はコミックバンド「四星球」の北島康雄。
ベイエリアは東京よりもアットホーム
美容室「Hare Hair salon」のオーナースタイリストでもあり、シングルマザーとして日々活躍する増岡さん。ベイエリアを「フレンドリーな街」、「東京よりもアットホーム」でとても素敵な街だと語る彼女に、ここでの暮らしについて伺いました。(取材は3月15日時点の内容です)
増岡 亜記さん

(Aki Masuoka)BaySpo 1640号(2020/05/01)掲載

ベイエリアの印象
 サンフランシスコ中心の印象になりますが、こぢんまりした都会の街の中に丘や緑、公園、美術館、芸術館、海、面白い乗り物や、カフェ、レストランとありとあらゆる物がぎっしり詰まっていて素敵な場所だと思います。来た当初は道行く人に突然に服や髪を褒められる事にびっくりし、なんてフレンドリーな街なんだと思いました。ほとんどの人が子連れや動物に優しく、ハロウィンやクリスマスに見知らぬ子供のために総出で色々な物を準備するを見て温かい気持ちになります。今もご近所さんがお店に声をかけてくれたり、ネコを見に顔を出してくれたりと、東京よりもアットホームな印象です。

自分の専門分野について
 18歳で上京してからずっと美容師です。今は自営業でのんびりとやっています。東京が長かったので、日本人好みのスタイルは作りやすいです。ヘアスタイルの流行も薬剤も次々と変わるので、ベテランという意識は少なく、いつまでもお客様に寄り添ったスタイルを作っていきたいと思っています。
その道に進むことになったきっかけ
 今思うとすごく斜め上の話しですが…。高校当時、お付き合いしてた方と別れた後も引きずってまして、彼がJリーガーになるために上京する事になり、それなら私はカリスマ美容師になるからそっちが試合でテレビに出るなら私が髪を切るからねと。宣戦布告? をして美容師、上京の道を決めました。叔母が美容師で仕事のイメージはありましたが、それまでは自分が美容師になるとは全く考えてもなかったので、後先考えず無謀で若かったです。それがこんなに自分にぴったりな職になるとは思いもしませんでした。彼には恋愛で得る物より大きな物を貰えたと感謝してます。

英語で仕事をするということ
 英語は今でも恥ずかしいくらい下手くそです。接客してるから話せるでしょうと皆にびっくりされるのですが、全然上達しません。仰っている英語そのものより、その方の雰囲気や表情、態度で言いたい事を理解する読心力のほうが身についてきました。サンフランシスコには移民に慣れてらっしゃる方が多いのか下手な英語でも何とか見逃して頂いてる部分が沢山ありますが、甘えずに精進して覚えていかねばと思います。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 マイペースで文章を読み書きするのが好きなので、翻訳家さんなど憧れます。好きな本などを自分のニュアンスの言葉にはめて英語にして紹介する事が、もし出来たら楽しそうだなと思います。
あなたにとって仕事とは?
 自分にとっては天職につけたなと。昔から絵を書いたり、工作や何かを形作る事が好きだったので、美容師の本分である髪や骨格から色々考えて切ったり作っていく作業は好きです。接客に関しては元来の自分は引っ込み思案で、人と関わる事は好きなのですが自分から動けない事が多く、自分の髪も自分が美容師になるまでは、美容師の叔母にずっとお世話になっていたので、知らない人に髪を切って貰うなんて、とても気が重い事だと感じます。美容師になって向こうから来て頂けて沢山の方とお話しする機会が増え、その人の生活やお話を聞く事で私側が元気にして貰える事が多いです。もちろん、お話をしたくない人の気持ちもわかるので そんな人達にはわかるよ、わかる! という同意の気持ちを強く持たせて貰いつつ、内気な自分にも自信を持たせてもらってます。髪の施術が終わった方から出るリフレッシュした生き生きした空気も好きで、この仕事が出来て心からありがたいと思ってます。

いまの仕事に就いていなかったら
 18歳で美容師になると決めてやってきたので難しいところですが、美容師以外にやった事のあるバイトは変わりダネも多く、(結婚式の巫女、イベントの着ぐるみの中身、ケータイ売り場や家電のマイクパフォーマンス、キャンペーンガール等)興味のむくままフラフラとした人になってたと思います。

休日の過ごし方
 仕事が時間管理を気にしないといけない事が多いので休日はなるべく時間を意識せずに過ごせる日を作ってます。一人の時はひたすら本を読んだり、ヨガやピラティス、買い物、店の中を突然DIYしたり気のむくままです。子供と過ごす時は何をするか話しあって、二人でゲームにハマったり、公園の芝でのんびりしたり、サッカーしたり、ボート乗ったりと。美術館や海、映画などなど。お友達を誘う事もあるのですが、だいたい勢いとノリで決めます。慣れしたしんだ人と集まって遊んだり、ワイワイ飲むパーティーも楽しいです。お酒の失敗や二日酔いがツライ事が多くて気をつけないとと思っております。

好きなイベント
 夏に毎年二週間ほど、golden gate park のbotanical gardenであるflower pianoというイベントが好き過ぎて、時期がくるとほぼ全ての人に勧めています。芝生の上でワイン飲みながら幻想的なピアノをライブのりでワイワイ聞くのは、たまらなく贅沢な時間です。おすすめです。

最近日本に戻って驚いたこと
 実家(徳島)の周りの建物(レストラン、ビデオ屋さん等)が無くなり更地になってた事ですね。周りに何もなくなって、自分の実家だけポーンと建っていて。Google eathで見直してあまりにも何も無さ過ぎて笑ってしまいましたが、田舎は過疎化が進んでいるのか寂しい事です。
日本に持って行くお土産
 最近、やっと美味しいワインを覚えてこれたのでワイン買っていきたいです。コーヒー豆やアメリカのジャンクなオヤツもよくリクエストされます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 化粧水、日焼け止め、コスメ系は必須です。アクセサリー、服や靴も買い溜めたいし、マンガ、本、食べ物、下着、、ありすぎていつも悩みます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 私、自身運転が下手で、急な対応をさせられる様な、荒い運転をする人、工事で道が塞がって車線変更を余儀なくさせられる事、スケボーや自転車で急に飛び出てくる事、などはヒヤヒヤして困ります。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
  昔ながらの良い感じの個人店がクローズしてその後チェーン店や流行り物のお店ばかりが入ってきて、サンフランシスコ独特の良さが減ってしまう事は残念な気持ちになります。

日本に郷愁を感じるとき
 底冷えする様な日に温泉が懐かしくなるのと、咲き始めた桜を見ると日本の川沿いや道に咲く乱れる満開の桜が恋しくなります。

お勧めの観光地 
 好きな場所が沢山あって悩みますが、冬のヨセミテは閑散としていて素敵でした。雪と氷と山のしんとした空気が良かったです。

5年後の自分に期待すること
 子供への手がかからないようになってると思うので、それにあわせて自分で何か熱中出来る事を見つけていたいです。仕事でも趣味でも。

最近読んだ本
 本もマンガも大好きで時間があるとずっと読んでしまうのですが、最近、面白かったのは『蜜蜂と遠雷』です。天才と言われる人と凡人ピアニスト達のコンクールを丁寧に追っていくお話で、クラシックの知識はほぼありませんが、ピアノの音を聞きたくて映画もぜひ観たいと思ってます。後は樹木希林さんの『一切成り行き』も時間をおいて何度も目を通したくなります。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 ネコ。ネコを飼い始めて同じタイミングでのんびりしたり、ごはん食べたり、ネコに遊んで貰っていると同族の様な気持ちになります笑

座右の銘は?  
 「子は宝」 店を始めたきっかけになったのも、ここぞという時に踏ん張る力をくれるのも子供の存在が大きいです。

(BaySpo 2020/05/01号 掲載)

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