一般編  Vol.334
迫 義弘さん
ベース奏者としての音楽活動の後、Corkage Sake&Wine shop/barのマネージャー兼バイヤー、Yuzuki Japanese EateryのSake Sommelier /directorを経て2018年、オークランド初の酒蔵Den Sake Breweryを設立。オーナー杜氏として、テロワールとカリフォルニア料理との相性を意識した酒造りをしている。2019年、2020年と2年連続で日本酒製造者として初となるJames Beard AwardのSemi Finalistにノミネートされた。
この地における 日本酒のあり方を創造する
日本酒とワインを扱うバーで働いたことがきっかけで、日本酒を通じたアメリカでの日本文化の伝承を行うことに生きる意味を見出したという迫さん。現在はオークランド初の酒蔵「Den」のオーナー杜氏として活躍する彼に、ベイエリアでの暮らしについて伺いました。
迫 義弘さん

(Yoshihiro Sako)BaySpo 1660号(2020/09/18)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 もともと、アメリカの音楽や映画が自分の人生に大きな影響を与えていたので、ベイエリアへ来る前にバックパッキングでアメリカをグレイハウンドバスを使って3カ月くらい旅をしました。その旅では、最長で一箇所に滞在したのは10日前後というほど移動の連続でした。一旦、日本へ帰った後、今度は長期間住んでみたいと思い、再度お金を貯めて前回の旅で訪れるチャンスがなかったサンフランシスコを選びました。2000年の1月でした。また、それだけではなく、Beatniksや60年代、70年代のサンフランシスコ周辺から生まれた音楽や文化的背景に興味があったのも大きな理由の一つでした。初めは、語学学校で3カ月のみの滞在計画でしたが、それが6カ月になり、一度はあきらめた音楽活動にまた火がついてしまって、3つのバンドでベース奏者として、ショー、ツアー、レコーディング、を繰り返していくうちに居着いてしまったという感じです。

ベイエリアの印象
 当然のことながら、音楽、映画、本などから自分が得た60年代、70年代のサンフランシスコのイメージとは異なりましたが、ぶっ飛んだ格好の人とか、ぶっ飛んだ考え方を持った人たちにたくさん会いました。思考の自由さやレイドバックした感じが心地良かったのを覚えています。それに比べると現在のサンフランシスコは、良い意味でも悪い意味でも大きく変わってしまったのは事実です。自分の酒蔵のあるウエストオークランドに住み始めたのは3年ほど前ですが、ここは今のサンフランシスコと全然違う空気が流れていますね。ここの良い面として、荒削りで発展途上な感覚が、より幅広い可能性を感じます。それと地元意識がより強いですね。

自分の専門分野について
 今は、酒とワインですね。特にワインの基礎を踏まえた上で、この地における日本酒のあり方を創造していくこと、ですかね。

その道に進むことになったきっかけ
 2007年にサンフランシスコにあったCorkage Sake & Wine Shop/Barと言う店のマネージャー兼バイヤーになったのがきっかけです。そこで、初めはワインの勉強に没頭していたんですが、次第に日本酒を通して、日本の蔵の紹介や造りなどをアメリカ人に説明することに、自分の生きる意味みたいなものを感じ始めました。日本ってどんな国なのか、また日本人はどんな人間なのかということをアメリカ人に説明するのに、日本酒を作る職人の技を紹介して、美味しいと思って飲んでもらうことが、より深く日本をポジティブに理解してもらうことに繋がると、素直に喜びを感じました。

英語で仕事をするということ
 自分にとって英語は、日本語に比べて意思をよりはっきりと伝えることが要求されるように思えます。仕事上で英語を使うことは、多くの事がより明確になるという点で、より便利だと思います。それと重要な事だけをシンプルに素早く伝えられるので、機能的ですね。日本語が母国語の自分にとっては、微妙なニュアンスを伝えるのに苦労することは時々ありますが。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 今と変わってないと思います。

あなたにとって仕事とは?
 自分自身の存在を何かの形を通して世の中にアピールする事。

いまの仕事に就いていなかったら
 日本の文化をアメリカに伝える何か。

現在、住んでいる家
 West Oaklandにあるタウンハウスに妻と柴犬と一緒に住んでいます。

乗っている車
 日産の古いトラック

休日の過ごし方
 自分の妻と子供(柴犬)と散歩、ハイキング

好きな場所
 Lake Merritt, Rockridge, Lake Temescal

最もお気に入りのレストラン
 Nopa。サンフランシスコに住んでいた頃は、頻繁に行っていました。カリフォルニア料理として美味しいのはもちろんですが、レストラン業界の人たちがよく行くレストランで、前に住んでいたのも働いていたのもその近所だったので、行けば業界の知り合いに会えて情報を交換出来るというのも魅力です。広めの店内に溢れるポジティブなエネルギーも好きです。

よく利用する日本食レストラン
 Soba-ichi, Ippuku, Kiraku, Delage, Marufuku, Rintaro

1億円当たったとして、その使い道
 どこかに新しく家を買う

最近日本に戻って驚いたこと
 食べ物のレベルの高さ。人が丁寧。

日本に持って行くお土産
 ナッツ類

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 主に日本酒ですね。まだアメリカで流通されてない個性的、革新的な日本酒を持ち帰り、こっちの食べ物と合わせてみると、自分の進むべき道にヒントをもらえることがあるので。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 全ての値段が高すぎる。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 生活費の高騰。治安の悪さ。

日本に郷愁を感じるとき
 一人で住む親や、日本の友人の事を考える時。

お勧めの観光地
 ベイエリア内外に沢山ある美しいハイキングトレイル。

永住したい都市
 今、探し中です。

5年後の自分に期待すること
 時間的な余裕をもう少し作り出す事。蔵の規模の拡張と蔵内にテイスティングルームを開く。

最も印象に残っている本
 『成功の実現』中村天風著

最近読んだ本
 ずいぶん前に読んだ、村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』を少しづつ読み返しています。最近ビジネスの事ばかり考えている脳みその、創造的な部分を刺激してあげたくて。
最も印象に残っている映画
 『Paris Texas』 Wim Wenders
『Smoke』Wayne Wang

最近観た映画
 『Green Book』

自分を動物にたとえると?なぜ?
 柴犬。忠誠心が強い方で頑固。

座右の銘は?
 「継続は力なり」

(BaySpo 2020/09/18号 掲載)

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