一般編  Vol.343
フライ 恵美子さん
 香川県出身。1986年に友人の誘いで渡米後、リアルターとしてベイエリア、ハワイを中心に活躍。娘と始めた合気道を始め、現在はブラジリアン柔術にも通う。サンフランシスコ・ミッションにある日本料理屋「まるや」の経営に携わる傍ら、日本文化の伝統、継承にも尽力している。
人と人との出会いがなにより大切
当初はNYに行く前に立ち寄ったベイエリアに結局ずっと住むことになり現在に至るという恵美子さん。リアルター、レストラン経営者として活躍する一方で、合気道やブラジリアン柔術をたしなみ、日本文化の伝承にも尽力する彼女に、ここでの暮らしについて伺いました。
フライ 恵美子さん

(Frye Emiko)BaySpo 1676号(2021/01/08)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 渡米したのは1986年の秋です。大学卒業後、当時アメリカ人の親友がニューヨークにいたこと、もともと旅行が好きで、英語もアメリカも好きだったことから、何かと縁があったみたいで、こちらに来ることになりました。でもNYの冬は寒くて雪も降るし、ちょうど親友の妹がいたサンフランシスコで「冬越え」してから行こうという予定でした。また、東京の留学関係の会社で駐在員が必要という事もあり、こちらに来ました。仕事をしながら冬越えしてサンフランシスコに居残ることになり、そのまま現在に至っております。

ベイエリアの印象
 一年を通し気候も過ごしやすく、住みやすいところだと思います。ただ、日本の四季のように春夏秋冬が恋しくなる時もあります。

自分の専門分野について
 1990年より不動産に携わっております。この30年間の間にサンフランシスコを中心にベイエリアの住宅、商業用物件の売買をし、 日本人の方だけではなく、現地の方のお客様も多く、そのほとんどが紹介を受けてお世話をさせて頂き、今日に至っております。いつも皆様に感謝しています。また、ハワイが大好きなことが転じ、ハワイ州の不動産免許も保持、過去にはハワイでも売買を行なっていました。でもこちらでの仕事が忙しくなり、ハワイへ行く回数も減り、今日ではサンフランシスコ周辺のみでの仕事です。2013年より、ミッション地区にて日本食レストラン「まるや」の経営にも携わっています。同時にパートナーが合気道道場「丸道場」を営んでいることから、時々子どものクラスを教えたりもしています。

その道に進むことになったきっかけ
 「日本語と英語両方できるんだから、リアルターやってみたら」と娘の父親に勧められ、じゃあ、という軽い気持ちで実は始めたんです(笑)。レストランはパートナーと始めました。

英語で仕事をするということ 
 英語で仕事をする比重の方が多いので、もう自分の体の一部になっている、という感じもしますが、やはり母国語は日本語です。

英語で失敗したエピソード
 失敗ということではないですが、最初にアメリカに来てすぐの頃、レッドウッドシティーのアパートに住んでいましたが、大家さんに自分の駐車場をブロックされ、怒りの気持ちをすぐに言えず、悔しい思いをしたのを覚えています。


英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 あまり考えたことはないです。

あなたにとって仕事とは?
 仕事はどの職種でも大変ですが、自自分が楽しんでできる仕事ならどんな仕事でも良いのではないでしょうか?

生まれて初めてなりたいと思った職業
 実業団のバレーボールの選手

いまの仕事に就いていなかったら
 結構流れに逆らわないで行く方なので、その状況によってオファーされる仕事についていたのではないかと思います。人と人との出会いが大切だと思っているので、人に囲まれて仕事をするのが好きです。

現在、住んでいる家
 ドロレスパークの近くの1887年築のビクトリアンハウスです。

乗っている車
 トヨタのプリウス

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 睡眠時間は5時間くらい。起床時間は午前6時30分ごろ、就寝するのは深夜1時すぎです。

休日の過ごし方
 旅行と食べ歩き、そして体を動かすことが大好きです。仕事の傍ら、時間を見つけては合気道やヨガをやっています。合気道歴は10年、ヨガは高校生時代の時からやっています。その割には体硬いですが…。
 今は2年ほど前に始めたブラジリアン柔術にはまっています。ロイデーンアカデミーに加入しています。合気道と共に国内ではパサデイナ、オレンジカウンティー、パームスプリングス、国外ではカナダなどに1年に4、5回セミナーへ出かけます。また、日本でも合気道やブラジリアン柔術の合同稽古などに参加しています。

好きな場所
 箱根奥湯本の温泉、瀬戸内海、ハワイ、ノースショアーの海

最もお気に入りのレストラン
 レストランではないですが、Church Street にあるフレンチベーカリーThoroughbread には週に2、3回、合気道の稽古の帰りに行きます。またミッション地区にあるLittle Star もよく利用します。

よく利用する日本食レストラン
自分がレストラン経営しているので、他のお店にはほとんど行くことはないですね。

1億円当たったとして、その使い道
 パンデミックになってすぐ自分のお店の前のガラスが割られました。お店の外のボードに絵を書いてくれていたホームレスアーティスト、ロニー・グッドマンにここ半年ほど毎日食事を届けてあげていたのですが 先月ロニーが路上で亡くなり、大ショック。現在サンフランシスコに増え続けるホームレスの支援団体と、自分が過去にも寄付をしているAsian Woman Shelterにも再度寄付をしたいと思います。あと、日本にいる父とクルーズ旅行に行けたらいいと思っていましたが、コロナで無理になり、延期せざるを得ないですね。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 通常は不便と思ったことはそうないですが、コロナの事態になってから何をするにも全て倍の時間がかかってしまい、時間がもったいない、と感じます。
 
現在のベイエリア生活で不安に感じること
 ますますホームレスが増えた事と、コロナの影響でゴーストタウンになっているサンフランシスコの経済、あとは山火事。

日本に郷愁を感じるとき
 桜が満開の季節と紅葉の時期になると恋しくなります。

お勧めの観光地
 旅行好きの私にはたくさんありますが、ヨーロッパだとチェコスロバキアのプラハ、イタリア南部のネラノ(Nerano)とテイレニア海に浮かぶカプリ島、フランスのアキテーヌ地方にあるピラ砂丘地域。あとはモロッコ。アジアでは、タイのサムイ島、カンボジアのアンコールワット、日本では箱根の奥湯本、 自分の出身である香川県の栗林公園、瀬戸内芸術祭が行われる豊島(テシマ)、伊勢志摩の英虞湾です。

永住したい都市
  オアフ島ノースショアーのモクレイアビーチ、瀬戸内海の島、高松

5年後の自分に期待すること
  最愛の娘とパートナー、父、家族や友人 に囲まれ、今まで通り毎日に感謝し、健康でいられること。

最も印象に残っている本
『First They Killed My Father” by Loung Ung』1975年頃、カンボジア、ポルポト政権の厳しく残酷な時代を生き抜いてきた少女の実話。本を読んで生まれて初めて涙を流しました。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 「クマ」です。小学校の時からのニックネームなので。

座右の銘は?
 「自分より大切な人を持とう」野口英世の母、野口シカの言葉です。また、「即心即佛」気持ちを落ち着ければ人間関係も穏やかになる、心の深呼吸ができるという禅語も大切にしています。

(BaySpo 2021/01/08号 掲載)

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