ベイエリアに住むことになったきっかけ 筑波大学で学位取得後、スタンフォード大学の中内啓光先生の研究室で博士研究員として働くことになったためです。1学年後輩の妻Lucyと2018年4月に結婚式をあげ、その3週間後に単身で渡米しました。現在はLucyとマルチーズのハク君と一緒に暮らしています。
ベイエリアの印象 来る前は何も知らなかったので、スタンフォード大学は都会にあるのだと思っていました。思ったよりもゆったりとした街で、なんとなくつくばに似ている雰囲気があるので馴染みやすかったです。誰もが苦しんでいる家賃ですが、ポスドクの給与にはとても負担が大きいですね。
自分の専門分野について 免疫学の基礎研究をしています。学生時代に抗体を作るプロジェクトを行っていたのですが、今の研究室でも同様の実験を続けています。抗体はB細胞と呼ばれる免疫細胞が産生するタンパク質の一種で、体内に侵入した異物に結合して排除を促す機能を持ちます。感染症の影響で一般によく知られるようになった単語ですね。
その道に進むことになったきっかけ もともとは高校の理科教員を目指していたのですが、学生時代に免疫応答を活性化する新しいタンパク質を発見した喜びが忘れられずに研究を続けています。基礎的な仕組みを明らかにすることで免疫応答をコントロールできるような技術を作ることができればと考えています。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、免疫学の知識を正しくやさしく伝える教材が必要だと考え、妻のLucyと「新妻免疫塾K&L Immunology club」というYouTubeチャンネルを立ち上げました。1・2万人の登録者がいて生命科学のアウトリーチの場として発信しています。
英語で仕事をするということ 研究の場でコミュニケーションを取る上では、プラスに働くことが多いと感じています。日本語で年上の方と議論するときに、敬語を気にすることがむず痒く感じていた経験があるためです。細かなニュアンスや書き言葉にはまだまだ修行が必要で精進せねばなりません。
英語で失敗したエピソード 具体的なエピソードがあまり思いつきませんでした。いっぱいありますが都合よく忘れているのだと思います…。
英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に? 好きなことや面白いことを基準にやることを決めているので、それによって選択が変わることはあまりないように思います。
あなたにとって仕事とは? 人生の中で多くの時間を割くもの。だからこそ、自分の好奇心を満たし、誰かに貢献をし、自分が幸せでいられる仕事を続けたいと思います。
生まれて初めてなりたいと思った職業 幼稚園生の頃はカメラマンになりたいと言っていた記憶があります。運動会の時にプロのカメラマンが来ていて、なぜかかっこよく感じたのです。
いまの仕事に就いていなかったら 学校か塾の先生になっていると思います。小学校高学年から大学生にかけてずっと理科の先生になりたいと思っていました。その夢があったからこそ今のYouTube活動が生まれたのだと思っています。
休日の過ごし方 カリフォルニア時間の土曜日夕方からYouTubeのライブ配信をするのが日課になりました。恥ずかしながら徹子の部屋をもじった「ヅマの部屋」という企画で研究者をお呼びして、好きなサイエンスを存分に語っていただくという番組がとても楽しいのです。話題のニュースを紐解く「ヅマニュース」では新型コロナウイルスワクチンに関しても扱いました。
好きな場所 自宅のベッドが一番好きですが、夏に行ったタホ湖がよかったです。ラフティングが楽しすぎて一生忘れません。
最もお気に入りのレストラン Boiling Clubが夫婦のお気に入りです。テーブルに大きな紙を敷いて全体を皿として蟹を貪り食べるのが最高でした。
よく利用する日本食レストラン Sumikaの親子丼が大好きです!
1億円当たったとして、その使い道 私はお金の管理が上手ではないので、全部妻に預けて好きなようにしてもらいます。
日本に持って行くお土産 必ずワインを買って帰ります、喜ばれますね。
日本からベイエリアに持って帰ってくるもの 隙間があったらサランラップを持って帰ってきます。あれは素晴らしい発明です。
現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき やはり一番は生活コストの高さです。
現在のベイエリア生活で不安に感じること 私の両親は日本に、妻の両親は中国上海にいます。何かあった時にすぐに駆け付けられないことが不安です。
日本に郷愁を感じるとき ミツワスーパーで流れている「お魚天国」の曲を聞くと何故か強烈に郷愁を感じます。
お勧めの観光地 ナパで初めて気球に乗りましたが景色がとても綺麗でした。
永住したい都市 永住はよくわかりませんが、次は中国に住みたいです。
5年後の自分に期待すること 自信を持って掲げられる専門性の看板があること。
最も印象に残っている本 YouTubeの動画をもとに執筆した『Dr・新妻免疫塾-正しく知る! ウイルス感染と免疫の基礎』という自分の本です。本を作るのはこんなにも苦しいことなのかという驚きが強烈な印象を残してくれました。
最近読んだ本 『Do not lick this book』という子ども向けに菌を説明する絵本を読みました。仕掛けが秀逸でとてもおすすめです。妻が免疫学を説明する絵本を作っているので、教材として買いました。
座右の銘は? 「一生勉強 一生青春」