一般編  Vol.353
江口 亮さん
大阪府豊中市出身。2001年より指圧と気功を始める。指圧師(California Massage Practitioner)、氣功指導員(全日本少林寺氣功協会認定 氣功師範)。毎年カリフォルニア州サンノゼで開催されるKungFu Magagine.com主催の中国武術大会、嵩山少林の部にて優勝(2014年)、伝統中国武術上級者の部にて3年連続総合優勝(2015〜2017)。2020年12月にAmerican College of Traditional Chinese MedicineにてMaster of Science in Traditional Chinese Medicine修了。現在カリフォルニア州鍼灸師免許取得に向けて勉強中。2歳半の双子の父。
「氣」を整えるお手伝いを
結婚を機にサンフランシスコに移住、指圧師、氣功指導員として施術を行い、中国武術大会でも連続優勝するなど精力的に活動する江口さん。現在はCA州鍼灸師免許取得にむけ勉強中という彼に、ここでの暮らしについて伺いました。
江口 亮さん

(Ryo Eguchi)BaySpo 1694号(2021/05/14)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 2011年5月にサンフランシスコに移りました。翌月6月にサンフランシスコ出身の今の妻と結婚しました。

ベイエリアの印象
 大阪に比べて、かなりゆったりしていると感じました。気候が良く、自然が街の近くにあるのが心地いいです。

自分の専門分野について
 指圧の施術と氣功の指導をしています。人間の心と身体は一体であるという考え方が根本にあり、「氣」という生命エネルギーを整えます。「指圧」は受け手の体に圧をかけることにより、氣や血液の流れを促し心身のバランスを整えるということです。氣功は動作(姿勢も)、呼吸、意識を合わせることによって、心身を整えます。伝統中医学に「不通則通、通則不通」という言葉があります。氣が通じなければ心身に痛みが生じ、通じれば痛みがないという意味です。氣を整えるのをお手伝いする存在でいたいです。

その道に進むことになったきっかけ
 子どもの時に始めた、日本の少林寺拳法に関連することを仕事にしたかったのがきっかけです。少林寺拳法には「整法」と呼ばれる、体を整える技術があります。拳法の練習は怪我をする機会が多いので続けて行くためには、医術を学ぶことが必要と思い始めていました。当時イタリア料理店で働いていましたが、指圧の治療院に転職し、同時に内面を高めるために氣功の練習を始めました。妻とはその気功クラスで出会いました。渡米後は、2013年にサニーベールにある鍼灸中医学校のNine Star Universityに通い始め、2017年にサンフランシスコのACTCM(American College of Traditional Chinese Medicine)に転校、2020年12月に卒業しました。

英語で仕事をするということ
 指圧では施術中にほとんど会話はしませんし、問診より触診を頼りに施術するのでそんなに英語は使わないのですが、鍼灸や漢方は治療という要素が高くなるので患者さんとの意思疎通がより重要になってきます。特に医学的な専門用語など、さらに英語力を上げたいですね。

英語で失敗したエピソード
 自分の思っていることがうまく伝わらず、指圧のお客さんの気分を悪くしてしまったことです。

あなたにとって仕事とは?
 長い時間をかけて熟練するような仕事は良いですね。でも健康や家庭を台無しにするような働き方はしたくないです。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 職業として強く意識したのがロックンロールバンドでプレイすることです。ビートルズや佐野元春のようになりたいと思っていました。大阪のライブハウスに出演していた時期もありました。

好きな場所
 パシフィカからハーフムーンベイにかけて。土地からとてもいい氣(エネルギー)を感じられます。

最もお気に入りのレストラン
 ユニオン通りのフレンチビストロ「Gamine」、クレメント通りの中華料理店「China First」。

よく利用する日本食レストラン
 インナーサンセットにある「KIKI」、オーシャンアヴェニューの「Shabu House」。

1億円当たったとして、その使い道
 半分は家族、親戚、友人と分けて、残りの半分はローンの支払い。

日本に戻る頻度
 1年に1回から2回。大阪に帰った時は氣功と武術のクラスを開きます。大阪の生徒さんが参加してくれます。リフレッシュと生きがいになっています。

最近日本に戻って驚いたこと
 大阪駅と梅田駅周辺がものすごく変わっていて、地元になのにアウェイと感じました。

日本に持って行くお土産
 Ghirardelliのチョコレート。

日本からに持って帰ってくるもの
 おかき、せんべい、京都のお茶。母からもらった圧力鍋。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 大阪に比べて公共交通機関が充実していないところです。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 地震。最低限の備えはしています。

日本に郷愁を感じるとき
 サンフランシスコに来てからいつも何か足りないと思っていて、それが寺の鐘の音や、神社の鈴の音と気が付いて、日本に帰った時に、京都の西本願寺前の仏壇屋でお鈴を買いました。あとは四季が感じられないところです。

お勧めの観光地
 カリフォルニアのハイウェイ1号はとても好きです。アメリカ国内ならアリゾナ州セドナ、ハワイ州ビッグアイランド。日本では京都が好きです。

永住したい都市
 永住までは考えてないですが、中国河南省の嵩山少林寺に長期滞在して武術、気功、医術、禅を深めたいです。もう1カ所は南イタリアのナポリ。街全体が混沌としたカオス感が大好きです。それでいて独自の秩序が守られている感じ。

5年後の自分に期待すること
 指圧と氣功に加えて鍼灸と漢方の治療技術を磨き、多くの人に喜んでもらいたい。それと同時に経営面で成功。将来は東洋の文化、哲学、医術、武術、養生を基本にした治療院兼道場、さらには温泉宿泊施設を良い氣の感じられる場所に建て、愛情を持ってコミュニティーに役に立てる存在になりたいです。

最も印象に残っている本
 村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』。本を読んであれだけ心臓がドキドキしたのは、他にないです。

最近読んだ本
 最近はカリフォルニア州の鍼灸免許取得に向けて勉強中なので、中医学の教科書ばかり読んでいます。
最も印象に残っている映画
『ブルースブラザーズ』大阪のイタリアンレストランで働いていた時にブルースブラザーズバンドのツアーで来阪していたサクソフォン担当のルー・マリーニさんが来店してくれました。ファンだと伝えると、招待券を2枚くれて弟と「ブルーノート大阪」に観に行きました。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 上半身は人間、下半身は金色のイノシシ。金の亥年の射手座なので。

座右の銘は?
 「吾唯足知」祖父からの言葉。苦しい状況になると「今の自分で十分足りているじゃないか」と、自分に言い聞かせています。父の口癖は「三日不読書言語意味無」です。

(BaySpo 2021/05/14号 掲載)

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