一般編  Vol.139
アーニー・マールさん
1969年横浜生まれ。1988年、留学をきっかけに渡米。児童心理学を専攻し、モンテッソーリ教員免許取得。さまざまな学校を経て2009年American International Montessoriを設立、現在に至る。
真のバイリンガル教育を
 1988年に留学をきっかけに渡米したアーニー・マールさん。児童心理学を専攻し、モンテッソーリの教員免許を取得。その後、2009年にAmerican International Montessori Schoolを設立。現在は同校校長として忙しい毎日を送っている。
アーニー・マールさん

(Ernie Mahr)BaySpo 1223号(2012/05/04)掲載

ベイエリアにきたきっかけ
 1988年、留学のためにアメリカに来ました。私は祖父がドイツ人、祖母がデンマークと日本人のハーフということもあり、小学校から高校まで、東京にあるインターナショナル・スクールに通っていました。そこの学校は、高校を卒業したらほぼ全員が海外に留学するようなカリキュラムになっていたので、僕自身は日本に残りたかったのですが、アメリカに留学することになったのです。St. Mary's Collegeというモラーガにある学校に通い、児童心理学を勉強しました。

なぜ教育の道に?
 本当は獣医さんになりたかったんです。子供と動物が好きだったので、何かしら子供か動物に関わる仕事がしたかったんですね。それで、当時獣医になろうとした時に、ある実習クラスの中で普通の学校を2ヶ月くらい見学するというものがあったんです。そこで幼稚園を見学たんですが、そこで使われていた教材を見てびっくりしたんです。自分が幼稚園に通っていたときに使っていたモンテッソーリの教材とまったく同じだったんです。私は普段物覚えがあまりいい方ではないのですが、それだけにそれを見たときはすごく衝撃的でした。それ以来、進路を変えて児童心理学、とりわけモンテッソーリ教育の方向に行くことに決めたんです。

すぐに先生に?
 大学を卒業し、モンテッソーリの教員免許をとった後、すぐに教員になりました。オークランドの学校で最初は二、三年ほど下積みをしました。当初日本帰るつもりだったのですが、モンテッソーリを大学で教えないかと引き抜かれたんです。そして、その後いろいろな学校で教えていたのですが、約3年前に今の学校を作りました。教員は全員で24人で、みんな長く知っている先生ばかりなので安心です。

モンテッソーリとは?
 一般の幼稚園教育とモンテッソーリとは似ていますが全然違うんです。例えば、シェフはシェフでもイタリアンのシェフとフレンチのシェフは全然違いますよね。それくらい違うんです。モンテッソーリ教育は簡単にいうと、「その子の可能性を一番に引き出せる教育」です。

具体的には?
 モンテッソーリ教育は18ヶ月の月齢から始まり、おむつも紙おむつではなく布おむつを使います。そうすることによって早くおむつを卒業させることができるんです。子どもに「おしっこをしたら濡れて気持ち悪い」ということを体験させることによって、紙おむつの子どもよりはやくおむつがとれるんです。また、子どもがしたいことをとことんさせてあげるというのも一つの特徴です。例えば、お絵描きがしたい子はお絵描きがあきるくらいさせてあげる。でもそれが終わったら、やらばければならないこと、例えばひらがなの練習をする、とかそういった感じです。
 何か「達成できた」と感じさせてあげることも重要視しています。例えば食事に関しては、子どもは好きなものから食べて嫌いなものを残しますから、すべてを小さいポーションにして、嫌いなものも食べさせる。残さず「食べた」という達成感を子どもに感じさせます。また、子どもに与える選択肢のあげ方も、「ブロッコリーかアイスクリームか」ではなくて「ブロッコリーかにんじんか」という風に、子どもに選択をさせてあげるが、子どもに責任をもって決めさせ、言ったことを守らせるということも特徴です。

英語は得意?
 インターナショナル・スクールに通っていたので、英語はできたことはできましたけど、イギリス人がアメリカに来るような感じでしょうか。私はカルチャー的には日本人なので、その感覚で英語を話すから、なんとなくひかえめな英語になってしまっていました。英語を話す時にアメリカ人の感覚で話さないといけないのは大変でした。英語はわかってもジョークは全然理解できませんでしたしね。反対にアメリカ人だと思われてカルチャーショックを理解してもらえなかったのは辛かったです。あとは、変な日本語英語が混ざったりしていたのを覚えていますね。サラダとかピザとかのカタカナ英語が混じるような変な英語でした。

生まれて初めてなりたいとおもった職業
 魚屋さん。さかなクンじゃないですけど、本当に魚が大好きなんです。見るのも食べるのも。5、6歳のころによく築地にいって水槽をながめていました。

今の仕事をしていなかったら?
 当初の予定通り獣医さんになっていたでしょうね。

現在住んでいる家
 アラメダにある一軒家です。1942年の家です。

乗っている車
 プリウス

睡眠時間・就寝時間・起床時間
 7時間くらいですね。11時半くらいには寝て6時半ころ起きます。

休日の過ごし方
 家族と過ごします。あとは趣味の釣りや空手をします。タホに行ってマスなんかとりますよ。

好きな場所
 山・川・湖・海があるところ。国立公園や釣りができるところがあればどこでも好きです!

お気に入りのレストラン
 Picante, Zachery’s Pizza, Doppo

好きな日本食レストラン
 キララ、エンジェルフィッシュ

一億円あたったら?
 もっといろいろな子どもが通える学校を作りたいです。

日本に帰る頻度
 年に一度

最近日本に帰って驚いたこと
 若い人の背が高くなったこと。みなさん美形ですよね!

日本にもっていくおみやげ
 スパイスやチョコレート

日本からもってくるおみやげ
 お菓子、洋服、和風調味料

ベイエリア生活で不便なこと
 温泉が近くにない

ベイエリアの生活で不安に思うこと
 最近泥棒に入られたんですよ! 幸いあまり貴重品は盗られなかったんですが、防犯には気をつけないといけませんね。

日本に郷愁を感じること
 春の花見、秋の紅葉狩り

おすすめ観光地
 レイクタホ、モントレー、国立公園

永住したい都市
 長野県

5年後に期待すること
 ベイエリアの他の町にもっと今のような学校を作ること。でもクオリティーをキープすることは大事ですので、慎重にいきたいです。

最も印象に残っている本
 開高健作 オーバー

最も印象に残っている映画
 恋人たちの予感

自分を動物に例えると?
 魚。釣りが大好きなので、魚の気持ちになってみたいです。

座右の銘は?
 大山倍達の「頭は低く、目は高く、口慎んで心広く、孝を原点として他を益する」

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取材を終えて
 とてもフランクに、かつ情熱的にモンテッソーリ教育について説明をしてくださったアーニーさん。実際のクラスルームも見せてもらいましたが、かわいい子どもたちに囲まれ笑顔がこぼれるアーニーさんを見て本当に、子供が好きなんだなと感じました。

(BaySpo 2012/05/04号 掲載)

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