一般編  Vol.152
土居 由理子さん
 1941年、東京都出身。幼少のころから能楽に親しみ、和泉流狂言を野村万作、石田幸雄、観世流能を野村四郎に師事。早稲田大学演劇学士、演劇修士を取得後渡米。サンフランシスコ州立大学演劇修士課程の演出で修士取得。1978年にサンフランシスコに「Theatre of Yugen」を創立。2001年芸術監督を辞退して依頼、顧問として活動する一方、フリーで演出や出演を続けている。2012年にはマルテイ・パフォーマンス・プロダクション「ミステイカル アビス」の演出を行う。アメリカ合衆国芸術基金(NEA)フォーク・アート・フェローシップ、日本国外務大臣賞、日米会の文化フェイム・オブ・ホールに選出されるなど、その功績は国内外で高く評価されている。
舞台芸術を 総合的にプロデュース
 1978年に劇団「Theatre of Yugen」を創立し、芸術監督兼演出、プロデューサー、女優として活躍。さらには英語狂言演者の顔もお持ちの土居さんにベイエリアでの暮らしぶりについて伺いました。
土居 由理子さん

(Yuriko Doi)BaySpo 1264号(2013/02/15)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 早稲田大学演劇学士・演劇修士を取得した後、さらに演劇を学ぶため、1967年にカリフォルニア大学バークレー校の大学院に留学したのがきっかけです。

ベイエリアの印象
 四季がないのが寂しかったのですが、素晴らしい気候と女性として自由な環境に感動しました。私が来た当時のバークレーは、ベトナム反戦運動の真っ只中にあったので、いろいろな意味でカルチュラルショックを受けましたね。

自分の専門分野について
 1978年にサンフランシスコに劇団「Theatre of Yugen」を創立し、芸術監督兼舞台演劇の演出・プロデューサー・女優として活動。2001年9月芸術監督を辞退してからは、劇団の芸術顧問として、後進の指導にあたる一方、フリーで、演出、出演を続けています。宝生能楽堂で野村万作師の謡で、小舞『鶉舞』、最近では、Theatre of Yugenの『1000』の共同演出、振付、出演、ダンデライオン・ダンス・シアターの『マット』、映画『ナンバー4』などにも出演しました。また、英語狂言演者としても活動しています。

その道に進むことになったきっかけ
 ずっと病身だったものですから、活動的で、女性でもチャレンジできる仕事を探しました。病床にいたとき、姉が演劇活動をするのを見ていて羨ましいと思っていましたので、その後、演劇科のある早稲田大学に進学してその当時は珍しかった女性の演出家を目指しました。

英語で仕事をするということ(英語を使うということ)
 英語がネイティブでない分、時間的にはアメリカ人の二倍働いたと思います。台本を読むにも、批評するにも、さらには書くにも時間のいる仕事となりました。それでも狂言、能という肉体で表現できる演技を使って、言葉を越えた表現を役者に納得させることができました。

英語で失敗したエピソード
 発音の問題でいろいろと誤解が生じたこともありました。また、能とNoが混乱して、まさに「Oh no!」という結果にもなりました(笑)。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 英語がネイティブでも同じ仕事をしていると思います。

あなたにとって仕事とは?
 一番辛い。でも一番面白いもの。資金集めが一番つらく、反対に一番嬉しいのは、台本を読んで自分のイメージを膨らませて舞台に乗せる面白さ、また観客の反応があったときです。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 医者。小さい時は病身でしたから、自分の病気を治し、他の子供たちの病気も治したいという素直な考えでした。

いまの仕事に就いていなかったら
 執筆家

現在、住んでいる家
 スタンフォード大学からフリーウェイ280西側にあるポルトラ・バレーにある家です。

乗っている車
 Acura TL

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 平均睡眠時間は7時間前後でしょうか。午前9時に起きて、午前2時寝る生活です。

休日の過ごし方
 家族でハイキングをしたり、美味しい物を食べに行きます。息子家族と一緒に過ごす事も多いですね。また、現在サンフランシスコ稲門会の会長をしていますので、会の運営・企画を活発にするために時間を費やすことも多いです。

好きな場所
 海の見えるところか森林の中です。

最もお気に入りのレストラン。
 San Franciscoのミッション地区にある「flour water」

よく利用する日本食レストラン
 Palo Alto 「Jin Sho」です。

1億円当たったとして、その使い道 
 平均以下の給料で働いているパフォーマーに十分な支払いをして、贅沢なキャストで、予算を気にせず自分の好きな最高のデザインと最高のデザイナーのもと舞台を創り、その舞台を持ってヨーロッパ、日本をツアーすること。

日本に戻る頻度
 年に2〜3回は戻っています。

最近日本に戻って驚いたこと
 政治家の衰退ですね。

日本に持って行くお土産
 チーズ、ワインなどの食品でしょうか。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 お洒落で安い洋服を持ち帰ってきます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 医者に込み入った医学名や治療方法聞く時は未だに「不便だなぁ」と感じます。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 主人に何かが起こったときのこと。

日本に郷愁を感じるとき
 桜や紅葉の頃。

お勧めの観光地
 トルコ。フランスポリネシア領のマルケーサ諸島。歴史があり、他の国にないものがあるユニークさが魅力です。

永住したい都市
 世界中かなりいろいろな都市に旅行をしましたが、サンフランシスコやその周辺。気候と自然環境に恵まれた上に、自由な人間関係が保てるところが気に入っています。
 
5年後の自分に期待すること
 またヨットでクルージングを楽しむことです。


最も印象に残っている本
 ドストエフスキー『地下生活者の手記』

最近読んだ本
 杉本苑子『華の序文:観世元清』

最も印象に残っている映画
 フェリーニ『道』

最近観た映画
 新藤兼人『裸の島』

自分を動物にたとえると?なぜ?
 頑固で努力家なので、ビーバーでしょうか。

座右の銘は?
 石の上にも三年

(BaySpo 2013/02/15号 掲載)

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