矯正治療が進むに連れて歯並びが綺麗になってくると、白く輝く「ハリウッドスマイル」が欲しくなりますよね。矯正治療中の患者さんは特に、御自身の歯の審美性にとても関心を持ってくれていて、とても嬉しいことだと感じています。
従来、矯正治療中のホワイトニングは、矯正装置が接着されている部分の歯面に比較的に無効なため、結果として歯の色にムラができてしまい、お勧めできませんでした。しかし最近では装置の付着部分にも薬剤が浸透して、ホワイトニング効果が得られる商品や研究結果も報告されています。それでもホワイトニングの効果は人それぞれ。一番確実なのは治療後、矯正装置、接着剤や歯面コーティング剤等を、完全に取り除いて歯面を磨いてもらってからでしょう。
尚、舌側(リンガル)矯正の様に装置が歯の裏側に付いている場合や、クリアアライナーを使うマウスピース矯正中の方は、矯正治療中でもホワイトニングができます。但しホワイトニングによって知覚過敏になることがあるので、矯正治療ですでに歯がセンシティブな方にはお勧めできません。
ホワイトニングには他にも注意点があります。歯が人工の素材の場合(被せ物・インプラントなど)、ホワイトニング効果はありません。黄ばみなどの程度をはるかに超える、重度の変色にも効果はあまり望めません。前回少しお話しした、矯正治療中にプラークコントロールを怠るとできてしまう白濁(White spots)が歯面にある場合も、ホワイトニングはかえって白濁を目立たせてしまう可能性があるので要注意です。
一口にホワイトニングと言っても、様々な種類があります。歯科医院内で短時間で行うオフィスホワイトニング、自宅でトレイ(歯科医院で歯の型を取って作ってもらう)とジェル状の薬剤を使って行うホームホワイトニング、店頭で手に入るホワイトニングテープなどなど。メリット・デメリットも様々ですので、ホワイトニングに興味がある方は担当医と相談し、御自身に合った方法で魅力的なスマイルを手に入れてください。