高橋 紫 DDS (たかはし・ゆかり)
東京の日本歯科大学を1989年に卒業、歯科医師として日本の歯科医療に貢献した後に、南カリフォルニアのLoma-Linda大学の歯科部でトレーニングを受け、アメリカの歯科医療に携わるようになる。患者さんとの信頼関係を深めるためにコミュニケーションを第一に考えている。
寝ている間の歯ぎしり、歯の食いしばりに悩んでいます。 直すにはどうしたらいいでしょうか?
 歯ぎしりは、ストレスに対しての体の反応、または噛み合わせが悪いために起こります。噛み合わせが悪い場合は歯科医により強くあたる歯を調整、あるいは矯正するとよくなります。
 歯ぎしりの治療の主流はナイトガードと呼ばれるマウスピースを睡眠中に装着することです。これにより歯や歯肉にかかる負荷を和らげ歯が削れるのを防ぎ顎関節症を予防することもできます。さらに噛み合わせが高くなることにより顎の筋肉の緊張が緩み肩こりや頭痛を軽くすることができます。歯科医院で作るマウスピースは高価ですが精密印象をとって自分の歯や顎にぴったり合わせて作られるので、市販の物のようにすぐ外れてしまうことがありません。使用中に不快感がある場合は歯科医により調整していくことができます。また、枕を少し低くしても顎の位置が変わり歯ぎしりを軽減できるようです。
 その他ナイトガードだけでは症状の緩和が十分でない時は、美容外科や皮膚科では無毒化したポツリヌス菌ボトックスを緊張している咬筋に注射し、筋肉の動きを弱める治療が行われています。ただ、持続効果は3カ月ほどなので定型的に行う必要があります。
 一方、歯ぎしりは浅い眠りの時に起こるので、夜ぐっすり眠ることが対処法ともなります。体温が下がると深い眠りに入りやすいので、寝る前にぬるめの風呂に15分つかったり軽い運動をすると良いようです。その他、寝る前にホットミルクを飲むと成分に含まれるトリプトファンが体内で睡眠ホルモンメラトニンに変化し、深い眠りをサポートするという説もあります。また、体内のメラトニン分泌量は太陽により増加しますが、ブルーライトのでるパソコンやスマホで抑制されるので、夕食後にはそれらを控え、照明を少し落とすといいでしょう。
 後は、自分のストレスがどこから来ているのかを考え、原因からのブレイクが必要です。好きなことを見つけ気晴らしをしたり、お風呂にゆっくりつかって下さい。ゆっくり大きな深呼吸をするだけでも少し心を楽にできます。以上のように、まず歯ぎしりの原因を見極め、自分に合った対処法を見つけていくことが大切だと思います。

(BaySpo 2019/11/01号 掲載)
有澤保険事務所

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