男性も女性も更年期になるとだんだん赤ちゃんの時のようには眠れなくなってきます。それでもなんとか眠りの質を向上させるにはどんなことができるでしょうか。
@睡眠環境
寝室のコンピューターの画面が明るかったり、ペットの猫がベッドに入ってきて邪魔したり、物音がうるさかったり、部屋が暑すぎたり、寝間着が厚すぎたり、布団が寒すぎたりしていませんか? ベッドが柔らかすぎて体が沈み込み寝返りが打てなくなっていませんか? あるいはベッドが硬すぎて痛くて寝にくいということはないですか?
A胃不和則臥不安 (胃和せざれば則ち臥して安からず )
中国医学の最も古い教科書である黄帝内経に書いてある言葉です。「胃が良い状態でないと横になっても安らかに眠ることができない」という意味です。夜遅くに夕食をとったり、カフェインの入ったものを摂ったりしていませんか?
B寝る前にストレッチ
良い睡眠のためには適度な寝返りが必要なので、寝る前に大きな筋肉を軽くストレッチしておくと寝返りが打ちやすくなり眠りやすくなります。ふくらはぎ、体幹、背筋、側筋などを10から20秒くらいずつ軽く伸ばすだけで眠りやすくなることがあります。
Cツボ押し
頭のてっぺんに百会というツボがあります。押すと痛気持ちいいことで位置がわかると思います。そこから前後左右に親指の幅1個分ずつ離れた4つのツボを合わせた5つのツボを「四神聡」と呼びますが、頭の働きを良くしたり睡眠の質を向上するのに使います。また足の裏のかかとの真ん中に「失眠」というツボがありますのでここも寝る前に押してみてはどうでしょう。鍼灸治療をするとその晩はよく眠れるという方は多いです。
D漢方薬
仕事のストレスなどで色々考えが頭をよぎってしまって眠れないという方には抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯、夜中に何度もトイレに起きて眠れない方には八味地黄丸、胃もたれや消化不良で眠りにくい方には半夏瀉心湯、などが考えられますが他にどんな症状があるか、どんな体質かによっても合う漢方薬は変わってきます。