考えられる原因は運転中の悪い姿勢ですが、背骨の形が正常な人は長時間運転してもそのような痛みは起きないはずです。30分でズキズキとした痛みが生じるのであれば、そもそも背骨の形の悪さにも原因がありそうです。
立っている状態で最も理想的な姿勢は、耳の穴、肩関節、股関節、膝関節、足首が重力に対して垂直に一本の線で結ばれる状態です。また、最も理想的な背骨は、頸椎、胸椎、腰椎にそれぞれの適正カーブがついています。
脊髄神経は背骨に沿って流れているので、背骨の形が正常であれば痛みや痺れは起こりません。また、理想的な姿勢であれば、筋肉のアンバランスも生じないので、どこにもストレスはかからず、筋肉の痛みも生じません。
椅子に座った時も立った時と同じような上半身の状態を維持できれば、痛みやしびれは生じません。椅子には深く腰掛けて、頸椎、胸椎、腰椎のカーブが維持されている状態が好ましいです。
運転中の姿勢も椅子に座った時のように座るのが理想的ですが、問題は車の座席が水平ではなくお尻の部分が低く傾斜し、背もたれが後方に傾斜し、ヘッドレストが前方に傾斜していることです。車種によってはヘッドレストが極端に前方に傾斜していて、頭が前方に突出した姿勢で運転せざるを得ません。こういう運転中の悪い姿勢が、頭痛、肩こり、腰痛の原因にもなっています。
頭が前方に傾くと首から背中にかけての筋肉が伸びた状態になり、筋肉が突っ張られて、そこに多大なテンションがかかります。また、背骨に沿って流れている神経も伸びて引っ張られテンションがかかります。頸椎下部から出ている神経は背中にも流れていますので、ズキズキと神経に障るような痛みを感じる場合は、頸椎下部の椎間板が押しつぶされている可能性があります。
対策としては、より正常な座り方をする、ということ。座席はなるべく水平にし、背もたれはなるべく直角にします。また、ヘッドレストはなるべく垂直に、傾斜のない状態にします。車種によってはこれらの調整ができないものあります。その場合は、背もたれクッションやタオル等を用いて工夫してください。
運転の姿勢を改善しても痛みが生じる場合は、背骨に問題がありますので、CBP(Chiropractic BioPhysics )治療法で根本治療が必要です。