からだは筋肉中に水分を多く貯蔵しており、それが体温を安定させる役目をしています。また筋肉が運動することで熱を発し、寒い環境でも体温を保つことができます。ですので筋肉量が多い人ほど暑さにも寒さにも耐えやすいといえます。一般に女性の方が男性よりも冷え性が多いのは、平均すると女性の方が男性よりも筋肉量が少ないからでしょう。東洋医学では通常女性は陰、男性は陽の性質が表に出やすいと考えられていますが、だんだん年をとってくると女性は陰が相対的に減ってきて陽が面に出てくるので、更年期にのぼせが出たり、皮膚や粘膜が乾燥したりといったことが起こり、男性は陽が相対的に減ってきて性欲の減退、元気がでないなどの症状が出てきます。
ですから、男性の冷え性の原因としては筋肉量の少なさ、老化がまずは考えられます。そのどちらにも当てはまらない場合には、陽が体中をくまなく巡るのを妨げるもの、例えば肥満やストレスなどがある場合も考えられます。また陽が虚してしまうような不摂生、例えば働きすぎ、寝不足、冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎ、サウナやホットヨガなどでの過剰な発汗、などが考えられます。
筋肉の少ないヤセメタボ体質であれば筋トレを。筋肉や骨は負荷がかかると若返りホルモンを分泌するので、老化が原因であれば筋肉や骨に負荷のかかる運動がおすすめです。肥満でしたら食事を見直し良い食習慣を身につけて、徐々に確実に体重を落としていくこと。ストレスの全くない人はいないと思いますが、過度のストレスに悩まされていて解消法が自分で見つけられない場合にはまず誰かに話してみましょう。よい相談先が見つかるかもしれません。ストレスによる気の流れの滞りを解消するには鍼灸もいいと思います。不摂生に心当たりのある場合には生活を見直しましょう。体を温める食べ物、生姜、ニラ、にんにく、シナモン、羊肉、牛肉、味噌汁などを適度に取り入れたバランスの良い食事が理想的です。
それでも改善されない場合には漢方薬や灸という方法もあります。