賀川 裕美先生
親身な漢方・丁寧な鍼灸をモットーに賀川漢方クリニックで診療。CA州鍼灸師で、米国東洋医学会認定の東洋医学師。家族の慢性疲労が針灸と漢方で治ったのを目の当たりにしたことをきっかけに東洋医学に魅了される以前には、東京工業大学で理学博士号取得後IL州アルゴン国立研究所に勤務、現在はCA州NASAエームス研究所にて宇宙での微生物利用の研究にも従事。
暖かくなってきても手足が万年冷え性で悩んでいます。「女性の冷え性」はよく聞きますが、中年男性の冷え性にはどのような原因がありますか?また自分で改善できる方法などあれば教えてください
 からだは筋肉中に水分を多く貯蔵しており、それが体温を安定させる役目をしています。また筋肉が運動することで熱を発し、寒い環境でも体温を保つことができます。ですので筋肉量が多い人ほど暑さにも寒さにも耐えやすいといえます。一般に女性の方が男性よりも冷え性が多いのは、平均すると女性の方が男性よりも筋肉量が少ないからでしょう。東洋医学では通常女性は陰、男性は陽の性質が表に出やすいと考えられていますが、だんだん年をとってくると女性は陰が相対的に減ってきて陽が面に出てくるので、更年期にのぼせが出たり、皮膚や粘膜が乾燥したりといったことが起こり、男性は陽が相対的に減ってきて性欲の減退、元気がでないなどの症状が出てきます。
 ですから、男性の冷え性の原因としては筋肉量の少なさ、老化がまずは考えられます。そのどちらにも当てはまらない場合には、陽が体中をくまなく巡るのを妨げるもの、例えば肥満やストレスなどがある場合も考えられます。また陽が虚してしまうような不摂生、例えば働きすぎ、寝不足、冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎ、サウナやホットヨガなどでの過剰な発汗、などが考えられます。
 筋肉の少ないヤセメタボ体質であれば筋トレを。筋肉や骨は負荷がかかると若返りホルモンを分泌するので、老化が原因であれば筋肉や骨に負荷のかかる運動がおすすめです。肥満でしたら食事を見直し良い食習慣を身につけて、徐々に確実に体重を落としていくこと。ストレスの全くない人はいないと思いますが、過度のストレスに悩まされていて解消法が自分で見つけられない場合にはまず誰かに話してみましょう。よい相談先が見つかるかもしれません。ストレスによる気の流れの滞りを解消するには鍼灸もいいと思います。不摂生に心当たりのある場合には生活を見直しましょう。体を温める食べ物、生姜、ニラ、にんにく、シナモン、羊肉、牛肉、味噌汁などを適度に取り入れたバランスの良い食事が理想的です。
 それでも改善されない場合には漢方薬や灸という方法もあります。

(BaySpo 2021/06/18号 掲載)
有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.