小池 通輝(こいけ・みちてる)DC, DACNB, ATC
 パーマーウエスト大学卒。ベイエリアの日本人で唯一、また世界でも少ない「カイロ機能神経学専門医」に認定されているカイロプラクター。NATA公認のアスレチックトレーナーでもあり、機能神経学と共にスポーツ医療にも力を入れている。臨床栄養学に基づいた食事療法、デトックス(解毒)やプロバイオティックなどのサプリメントの推奨、最先端の生化学検査を用いた隠れアレルギー検査、ホルモンバランス検査なども行っている。
子供(12歳 男子)がヒザの痛みを訴え、 病院でジャンパー膝と診断されました。 カイロではどんな治療法がありますか? (10代男性)
 ジャンパー膝は正式名称は膝蓋腱炎といって、一番多いのは膝のお皿の下の部分の腱が付着している部分が痛むもの(70%)ですが、膝のお皿の上の部分(20%)や脛の骨に腱が付着している部分(10%)に痛みが起こる場合もあります。
 大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)は膝蓋骨(膝のお皿)を通して脛骨(すねの骨)にくっついており、膝蓋骨と脛骨は膝蓋腱と呼ばれる腱で結ばれています。大腿四頭筋は非常に大きな筋力を発揮する筋肉なので、成長期の子供がダッシュや跳躍、ボールを蹴る様な動作を繰り返しすることで、腱そのものや腱と骨の付着部に大きなストレスがかかって障害を起こします。
 ジャンパー膝と同じく特に成長期の子供によく似た症状を起こす障害で、オスグッド・シュラッター病というものと、さらに聞き慣れないものではシンディング・ラルセン・ヨハンソン(SLJ)病という障害があります。これらの障害も原因は膝への大きな負荷である点で共通していますが、オスグッド病は骨端症のひとつで、成長期に見られる成長軟骨の異常によるものです。成長期のお子さんは膝蓋腱の付着部がまだ骨化しておらず軟骨であるため、太ももの大きな筋肉の力に引っ張られて炎症が起こりその部分が隆起してきたり、場合によっては剥離骨折を起こしてしまいます。SLJ病は膝蓋骨の下の部分が腱によって引っ張られて炎症や石灰化、部分的な剥離骨折をおこしたものを言います。これらの障害は基本的には保存療法で治癒が可能ですが、痛みがあるにもかかわらず無理にスポーツを続けてしまうと非常に長引いたり、場合によっては折れた骨片の摘出手術が必要になる場合もあります。
 一般的にはスポーツはやめて安静にして患部を冷やして、そして太もものストレッチをしなさいと指導されることが多いと思います。ただストレッチに関してはあまり痛みがひどいときに無理してやると余計に悪化させる恐れもあります。
 カイロの治療ではまずなぜ膝に過度なストレスがかかっているかの原因を探ることをします。もちろん単純に使いすぎということもありますが、もともとの姿勢や身体の使い方の癖のために必要以上に膝に負担をかけている場合も多くあります。あとグラストンやアクティブリリーステクニックをいった治療法で、腱の付着部に大きな負担をかけることなく膝まわりの筋膜の調整をすることでも大きく痛みを軽減させることもできます。 

(BaySpo 2015/10/09号 掲載)
有澤保険事務所

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