インプラントの良い点は、なくした歯が1本だけの場合などで、ブリッジのように隣りの歯にかかる負担や影響が少ないことです。ブリッジは、隣りの健康な歯を削って人工歯を固定させますが、インプラントだとその必要がありませんので、健康な歯をそのまま保つことができます。また、ブリッジは人工歯と歯肉との間に食べ物のカスがつまりやすく、磨くのも難しいので、口の中が不衛生になりやすく、虫歯や歯肉炎などの原因になることもあります。
インプラントで問題があるとすれば、金属が使用されていることで、まれに金属アレルギーを引き起こす可能性があるということです。インプラントで使用されるのは、生体との親和性が高くアレルギーを引き起こしにくい医療用のチタンですが、それでも体には異物であることには代わりがありませんので、ほとんどの方で問題はありませんが、ごくまれにアレルギーが起きることが報告されています。
また、健康な歯の歯根には骨との間に、歯根膜、歯周靭帯(Ligament)と呼ばれる繊維性結合組織があって、クッションのような役割をしていますが、インプラントではそれがありません。ですから固く噛み締めすぎないように、治療の際は仕上がりの歯並びにとても気を付けています。インプラントのメリットにはこのほか、天然歯とほとんど変わらないかみ心地、美しい外観を取り戻すことができる、自分の歯と同様に歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどで清掃できることなどがあります。