ほうれい線とは、鼻の両わきから唇の左右の端に伸びる2本の線で、シワではなく、個人差はあるものの、生まれた時からある頬と上あごの境界線です。
30〜40代になって、加齢とともに頬がゆるみ、たるむことで筋肉が下がり始め、このほうれい線がくっきりと現れると老けた印象を与える為、世の嫌われものですね。たるみの原因は、加齢や紫外線、ストレス、ホルモンバランスの変化、不摂生や喫煙によるコラーゲンの変性や筋肉の衰えです。「肌は内臓を映す鏡」と言われ、肌表面に起きている現象は、身体内部の状態を映し出しています。ですから、美容鍼と言えども、その基本は、内臓の働き、滋養の流れを正常にし、気・血・水のバランスを取ることで、健康の維持、増進を図り、老化を遅らせて、内からの若々しさを保つことになります。
美容鍼灸は、全身の美を追求し、外見の美しさを損なうとされるような症状をケアーすることを目的として定められています。その中で、美顔鍼とは、ほうれい線をはじめ、たるみ、シワ、シミ、くすみ、むくみ、ニキビ、吹き出物、眼の周囲のくま、眼瞼下垂などを対象としています。
また、お顔は体の他の部分から独立しているわけではなく、頭部や首、肩の筋肉ともつながっていて、頭部の筋肉の弛緩や、肩や首の凝りなどもお顔のたるみに影響してきますので、そういう問題解決もこの範疇です。更には若年性脱毛症、若白髪、痩身なども美容鍼に含まれます。
では美顔鍼、別名、「若返り鍼」とはどのように作用するのでしょうか? 内臓調整、顔周辺の凝りの改善に加え、お顔への、ほとんど痛みを感じない髪の毛の太さほどの鍼の挿入による刺激で、細胞を活性化し、血行やリンパの流れを促すことで、真皮層、皮下組織を刺激し、弾力のもとになるコラーゲンやエラスチンの生産を促し、新陳代謝を盛んにして、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進します。お肌は素直ですから、一度の施術でほとんどの人が効果を実感できますが、継続的に刺激を繰り返すことで、良い状態をキープし、徐々に肌の筋力もアップさせていきます。即ち、薬品の使用によらず、内からの弾力あるふっくらした肌によって、ほうれい線を薄くしていきます。