柴田 路子(しばた・みちこ) しばた小児クリニック
 奈良県立医科大学卒業。学生時代から数々の国際交流活動を経験し、医学を通して国際的な仕事がしたいと考え横須賀米海軍病院インターン卒業。その後ロータリー財団奨学生としてUCSFに留学。その後UCSFにて小児科インターン、ハワイ大学で小児科レジデント終了、Acedemic Excellenceを受ける。米小児科学会会員。3児の母。現在サンフランシスコにてしばた小児クリニック開業。
テレビやパソコン、スマホなどの液晶モニターから出る、 ブルーライトの視力への影響について教えてください。(30代女性)
 ブルーライトとは波長が380〜500ナノメートルのヒトの目で見ることのできる光の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。ブルーライトはパソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイから多く発せられます。省エネ化でLEDが普及したことやゲーム機器、スマートフォンなどの利用率、利用時間の劇的な増加によりブルーライトの暴露量が増えています。
 目をカメラにたとえるなら、角膜はフィルター、水晶体はレンズ、網膜はフィルムのようなものです。私たちは、外界で散乱している光をフィルターやレンズで屈折させ、網膜に集めることで初めて「モノを見る」ことができます。ところが、紫外線やブルーライトのような強い光は、角膜や水晶体で吸収されず、ストレートに網膜に達してしまいます。
 たとえば、「太陽の光を直接見てはいけない」と言われるのは、強烈な光によって網膜がダメージを受けてしまうからです。また、たとえわずかでも、紫外線やブルーライトを浴び続けると、網膜の中心部にある「黄斑」がダメージを受け、加齢とともに増える眼病「加齢黄斑変性」の原因になる場合があります。
 ブルーライトは波長が短いため散乱しやすい性質を持っています。これが眩しさやチラつきなどの原因になり、その分、脳はピント合わせに苦労します。また、ブルーライトは他の光よりもエネルギーが強いため、瞳孔を縮めようとして目の筋肉も酷使され、眼の疲れや肩・首の凝りなどに影響します。
 このような影響をなるべく防ぐために、長時間のディスプレイの使用を避け、できればディスプレイの輝度・コントラスト設定を調節するとよいでしょう。
 またブルーライトを長時間浴びていると、メラトニンという眠気を誘うホルモンの分泌が抑制されることが分かっています。そのため体内時計が狂ってしまいます。寝る前2〜3時間は、なるべくパソコンやスマートフォンの使用は避けることをお勧めします。

(BaySpo 2016/05/06号 掲載)
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