賀川 裕美先生
親身な漢方・丁寧な鍼灸をモットーに賀川漢方クリニックで診療。CA州鍼灸師で、米国東洋医学会認定の東洋医学師。家族の慢性疲労が針灸と漢方で治ったのを目の当たりにしたことをきっかけに東洋医学に魅了される以前には、東京工業大学で理学博士号取得後IL州アルゴン国立研究所に勤務、現在はCA州NASAエームス研究所にて宇宙での微生物利用の研究にも従事。
慢性的な冷えや肩こりがあるので、漢方を検討中です。漢方は効き目を 感じるまでどれくらいかかりますか。また、頭痛持ちで市販薬を 服用していますが、漢方との併用は大丈夫でしょうか。
 慢性的な冷え、肩こり、疲れなどの体の不調でお困りとのこと、西洋医学が治療を得意とする症状ではないだけに、どこに行って誰に相談したらいいのだろうという悩みも含めてお辛いことと思います。漢方では今困っている症状だけでなく、体全体の様子、たとえば普段の食欲、便通、睡眠、脈診、腹診などを総合して診断し、漢方薬を処方します。
 市販薬との併用は問題がない場合がほとんどですが、プリロセックなどの胃の制酸剤の服用直後は胃の状態が変わって漢方薬を吸収しにくくなるので、2時間以上間をあけるといった注意が必要です。またこれは市販薬ではありませんがクマディン(ワルファリン)など血液凝固のバランスを調整する処方薬をお飲みの場合は漢方薬の服用を控えるかお医者さんに相談された方が良いでしょう。ご相談の市販の痛み止めの場合は漢方薬と併用しても問題ないと思いますが、両者を一度に飲むのではなく、できれば食前と食後や朝と夕などに分けて飲む方が良いと思います。
 漢方薬は効くのに時間がかかる、とはよく言われることですが、中には即効性のある漢方薬もあります。例えば脚のつりに芍薬甘草湯は数分で効く場合が多いですし、片頭痛に呉茱茰湯や五苓散が合う方だと数十分から数時間、風邪にひきはじめにうまく漢方薬を使えば翌日には治ってしまうこともあります。慢性の症状の治療にはもっと時間がかかることが多いですが、私の経験だと飲み始めて最初の2日間は何も体に変化は起きず、もしそれが体に合わない漢方薬だと好ましくない反応が3日目くらいから出始めます。もし体に合う漢方薬だと好ましくない反応は起きず、何らかの効果が出始めるのが1週間目くらいからというのが一般的だと思います。良い反応も悪い反応も何も起きないという場合は、症状の種類にもよりますが、1カ月きちんと飲んでも効果がなければ他の漢方薬を考えます。
 冷え、肩こり、疲労は体を温め血行を良くし、水の停滞を除く作用のある漢方薬で改善される可能性があります。肩こりの改善には鍼灸治療がすぐに効き目があることも多いです。お試しください。

(BaySpo 2013/10/25号 掲載)
有澤保険事務所

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