小池 通輝(こいけ・みちてる)DC, DACNB, ATC
 パーマーウエスト大学卒。ベイエリアの日本人で唯一、また世界でも少ない「カイロ機能神経学専門医」に認定されているカイロプラクター。NATA公認のアスレチックトレーナーでもあり、機能神経学と共にスポーツ医療にも力を入れている。臨床栄養学に基づいた食事療法、デトックス(解毒)やプロバイオティックなどのサプリメントの推奨、最先端の生化学検査を用いた隠れアレルギー検査、ホルモンバランス検査なども行っている。
外反母趾の痛みや足の指の曲がりは、 カイロの治療で軽減することはできますか?(30代 女性)
 外反母趾で悩んでいる女性の方は多くいらっしゃいます。結論から言うと変形した骨そのものはカイロプラクティックで治すことはできません。ただ外反母趾で親指の付け根が飛び出ているのは骨そのものの変形だけでなく、骨のアライメントの歪みによる部分が大きいので、その分に関してはカイロの治療による改善が期待できますし、アライメントの改善によって痛みを軽減させることも可能であるといえます。
 外反母趾になる一つの大きな原因としては歩き方があります。よくハイヒールが原因と言われますが、ハイヒールを履かない男性の方や子供でも外反母趾になる方はいらっしゃいますし、またハイヒールをずっと履いていても外反母趾と無縁の方もいらっしゃいます。もちろん先が極端に細いハイヒールを履くことは外反母趾の要因の一つには成りえると思いますが、それだけが原因ではありません。また現在では後天的な要因だけではなく、遺伝的な要因も大きいと考えられています。
 ただ外反母趾を患っている方にほぼ確実に共通するのは足の横アーチがなくなっている点です。よく土踏まずのアーチがあるかどうかというのは問題になるのですが、人の足には本来三つのアーチがあります。内側の縦アーチがいわゆる土踏まずのアーチですが、横のアーチは親指から小指の付け根にかけて足指の付け根を横断しているアーチです。この横アーチのつぶれた足は開帳足と呼ばれています。
 この横アーチをサポートするための筋肉は足をしっかりと蹴りだす時に使われる筋肉なので、地面をしっかりと捉えられない歩き方の癖のある人はその筋肉が衰えていつの間にか開帳足になる可能性があります。ペンギンのようなペタペタ歩きを想像してもらえると近いかもしれません。
 また歩くときに必要以上に足が回内してしまう癖のある人は、足を踏み出すごとに横アーチとともに縦アーチ(土踏まず)をつぶして親指の付け根の関節にストレスがかかってしまうので、それも外反母趾の原因になります。このような歩き方の癖のある人は、はだしでまっすぐ立ってもらった時に後ろから見るとアキレス腱が真っすぐではなく「ハの字」のように外を向いている場合が多いです。
 外反母趾の改善には歩き方や靴の見直し、足首だけでなく体全体のバランスの調整、足の内在筋や靭帯などの軟部組織への治療、家でできるエクササイズ指導、場合によってはインソール(足底版)の検討などが必要になるといえます。

(BaySpo 2016/08/26号 掲載)
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