柴田 路子(しばた・みちこ) しばた小児クリニック
 奈良県立医科大学卒業。学生時代から数々の国際交流活動を経験し、医学を通して国際的な仕事がしたいと考え横須賀米海軍病院インターン卒業。その後ロータリー財団奨学生としてUCSFに留学。その後UCSFにて小児科インターン、ハワイ大学で小児科レジデント終了、Acedemic Excellenceを受ける。米小児科学会会員。3児の母。現在サンフランシスコにてしばた小児クリニック開業。
子供のインフルエンザ予防接種の回数と、2回受ける場合の 1回目との間隔、予防接種を受けるのに最適な時期は? (30代女性)
 インフルエンザの季節です。私は毎年、季節になるとインフルエンザの予防接種を生後6カ月以上の赤ちゃん、子供、それに大人の方々にお勧めしています。日本では6カ月から13歳未満までの小児には毎年2〜4週間を空けての2回の接種が勧められています。しかしアメリカでは通常初めてインフルエンザの予防接種を受ける乳児、または幼児のみ4週間を空けて2回、その後は毎年1回の接種が勧められています。
 アメリカでは接種が勧められている時期は日本に比べるとやや早めで、インフルエンザの予防接種が出回り始め次第、接種を開始することが勧められており、通常は8月の後半くらいからとなります。その後春先の3月くらいまで接種が続けられます。
 私は6カ月以上の乳児、またはお母さんが妊娠していたり、新生児の兄弟がいる子供達、それに喘息や、その他の持病がある子供達は、優先的により早めの9月または10月初めくらいまでに、それ以外の子供達は10月から11月の半ばまでくらいには接種を済ませることを強くお勧めしています。
 インフルエンザワクチン接種後、抗体がしっかりと体の中で作られるのに約2週間かかります。また通常健康な人の体ではこの抗体は5〜6カ月保たれると考えられています。
 また一概にインフルエンザワクチンといっても、ここアメリカでは多くの種類が出回っています。大きく分けると、鼻腔へのスプレー式の生ワクチンであるフルーミスト、それに不活化ワクチンの注射、フルーショットがあります。さらにフルーショットの中でも、A型2種類、B型1種類をカバーする3価ワクチンに加えて、昨年からA型2種類、B型2種類をカバーする4価ワクチンが新しく出回り始めました。
 残念ながら、昨年までは注射の苦手な子供達用に大活躍したフルーミストですが、昨年度の有効性がとても低かったことが分かり、今年はお勧めされていません。
 最後に、インフルエンザの予防にはワクチンが最も有効ですが、それ以外にも石鹸を使った手洗い、健康的な食事、運動、それに睡眠など、普段からの健康管理もとても大切です。

(BaySpo 2016/12/16号 掲載)
有澤保険事務所

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